真木(見田)さんの著作を読んだのは今回が初めて。
読まなきゃなと思って30年以上経ってしまった。
こういった場合、あの頃読んでもわかんなかったなというパターンと、あの時読んでおけばよかったというパターンがあるが、今回は後者。
貨幣と時間の類似性なんて論考は今読むよりもっとワクワクしただろう。
それより何より学術的な文章から未来を感じることができる、そんな感覚をあの頃味わいたかった。
先日、中上健次さんの「千年の愉楽」を読んだけど、本作を読んだ後だったらなお深く読めたかもしれない。
比較社会学がどんな学問かはよくわからないし、哲学、文学、歴史なども登場するので、ただ興味本位で本を手にする私にはスイスイ読めるものではなかった。
けれど、金田一耕助が寺の過去帳から謎解明の一端を見つけ出すかの如く、真木さんがいろいろな書物を取り上げて論を進める語り口は心地よいものだった。
日頃感じるどこか追い込まれるカンジや川辺で緑に囲まれている時のカンジ、その時間感覚とその時の心もちが本書を読むとなんとなくわかるし、そして、私は何をどうしようと考えているのかということに思いやる。
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