普段の生活のなかで、「これは本当にやるべきなのだろうか?」と疑問を持ちながら、「でも、あの人が言うのだから」と考えて、しぶしぶ承諾していることがある。それに似たようなことが、太平洋戦争開戦の時にも起こっていたようだ。
これは、太平洋戦争開戦の裏であった、もうひとつの戦いを描いた作品。
若い優秀な人材を集めて作られた総力戦研究所でシミュレーションされた結果は、実際とほぼ同じ。つまり、日本が負けることは十分予想されていたのだ。
それにも、関わらず十分な対策を取らないまま戦争に踏み切った。なぜ、シミュレーションさせたのか? シミュレーションの結果が悪かったなら、もっと慎重になるべきではなかったのか? 結果、沢山の犠牲が生んだこの教訓は現在生かされているんだろうか?
そんなことを考えた。
戦争の裏にあるものは、こういう本を読んだり、話を聞かないと知らないことが多い。表面的にしか知らなかった戦争を違う角度から考えることができる本だった。良書だと思う。
こう思えるのも猪瀬さんの高い取材力、筆力があったからかもしれない。
他の猪瀬さんの作品も読んでみたくなった。
この商品をお持ちですか?
マーケットプレイスに出品する

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません 。詳細はこちら
Kindle Cloud Readerを使い、ブラウザですぐに読むことができます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
昭和16年夏の敗戦 (中公文庫) 文庫 – 2010/6/25
緒戦、奇襲攻撃で勝利するが、国力の差から劣勢となり敗戦に至る…。
日米開戦直前の夏、総力戦研究所の若手エリートたちがシミュレーションを重ねて出した戦争の経過は、実際とほぼ同じだった!
知られざる実話をもとに日本が“無謀な戦争"に突入したプロセスを描き、意思決定のあるべき姿を示す。
<目次>
プロローグ
第1章 三月の旅
第2章 イカロスたちの夏
第3章 暮色の空
エピローグ
あとがき
巻末特別対談 日米開戦に見る日本人の「決める力」(VS勝間和代)
日米開戦直前の夏、総力戦研究所の若手エリートたちがシミュレーションを重ねて出した戦争の経過は、実際とほぼ同じだった!
知られざる実話をもとに日本が“無謀な戦争"に突入したプロセスを描き、意思決定のあるべき姿を示す。
<目次>
プロローグ
第1章 三月の旅
第2章 イカロスたちの夏
第3章 暮色の空
エピローグ
あとがき
巻末特別対談 日米開戦に見る日本人の「決める力」(VS勝間和代)
- 本の長さ283ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2010/6/25
- ISBN-104122053307
- ISBN-13978-4122053304
この商品を見た後に買っているのは?
ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
緒戦、奇襲攻撃で勝利するが、国力の差から劣勢となり敗戦に至る…。日米開戦直前の夏、総力戦研究所の若手エリートたちがシミュレーションを重ねて出した戦争の経過は、実際とほぼ同じだった!知られざる実話をもとに日本が“無謀な戦争”に突入したプロセスを描き、意思決定のあるべき姿を示す。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
猪瀬/直樹
1946年長野県生まれ。83年に『天皇の影法師』『昭和16年夏の敗戦』『日本凡人伝』を上梓し、87年『ミカドの肖像』で第十八回大宅壮一ノンフィクション賞。『日本国の研究』で96年度文藝春秋読者賞。2002年、小泉首相より道路公団民営化委員に任命される。その戦いの軌跡は『道路の権力』『道路の決着』に詳しい。06年に東京工業大学特任教授、07年に東京都副知事に任命される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1946年長野県生まれ。83年に『天皇の影法師』『昭和16年夏の敗戦』『日本凡人伝』を上梓し、87年『ミカドの肖像』で第十八回大宅壮一ノンフィクション賞。『日本国の研究』で96年度文藝春秋読者賞。2002年、小泉首相より道路公団民営化委員に任命される。その戦いの軌跡は『道路の権力』『道路の決着』に詳しい。06年に東京工業大学特任教授、07年に東京都副知事に任命される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
Kindle化リクエスト
このタイトルのKindle化をご希望の場合、こちらをクリックしてください。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
このタイトルのKindle化をご希望の場合、こちらをクリックしてください。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
この商品を買った人はこんな商品も買っています
ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

作家。1946年長野県生まれ。
83年に『天皇の影法師』『昭和16年夏の敗戦』『日本凡人伝』を上梓し、87年『ミカドの肖像』で第18回大宅壮一ノンフィクション賞。定評の評伝小説に『ペルソナ 三島由紀夫伝』『ピカレスク 太宰治伝』『こころの王国 菊池寛と文芸春秋の誕生』がある。
『日本国の研究』で96年度文藝春秋読者賞。
2002年、小泉首相より道路公団民営化委員に任命される。その戦いの軌跡は『道路の権力』『道路の決着』に詳しい。06年に東京工業大学特任教授、07年に東京都知事に任命される。近著に『ジミーの誕生日 アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」』『東京の副知事になってみたら』。また、『昭和16年夏の敗戦』中公文庫版が2010年6月に刊行された。
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.1
星5つ中の4.1
304 件のグローバル評価
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2018年9月8日に日本でレビュー済み
違反を報告する
Amazonで購入
33人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
殿堂入りベスト50レビュアー
Amazonで購入
"現実の内閣と、模擬内閣はほとんど同時に発足し、対照的な結論に向かって歩を進めていく。ただこの時点で、二つの内閣の閣僚たちは、ともに自らの運命を知る由もなかった"1983年発刊の本書は、空気による意思決定の危険性、歴史から学び、現在に活かすことの大切さを伝えてくれています。
個人的には、最近の政治や企業における不祥事を指摘した記事で本書が引用されていた事、また知ってはいたが実は未読であった事から手にとったのですが。太平洋戦争開戦の裏で行われていた、若く優秀な30代の人材が集められた総力戦研究所におけるシミュレーション(と実際の比較)に焦点を絞っている本書は、今と同じく【誰も意思決定しないが、誰かに罪を被せるのは得意な】この国の姿が浮かび上がっていて、読みやすくわかりやすかった。
また本書では、せっかくの様々なしがらみを廃したエリート組織によって導き出された結果が正確な予測であったにも関わらず結局【合理的な判断より政治が優先されて】活かされなかったわけですが。対照的な例として『江戸の読書会』で紹介されていた【身分制社会の中ではきわめて特別な、対等で自由な場所であった】会読での議論が近代国家へと続く明治維新に繋がったのと比較して、何とも皮肉な結果だと感じました。
敗戦の昭和から平成の終わりまでを個人的には総括したい誰か、あるいは現在も続く政治や企業での不祥事が『なぜ起きるのか?』とかを考えている誰かにも、はたまた無駄な会議に参加して、やれやれ気分なビジネスマンにもオススメ。
個人的には、最近の政治や企業における不祥事を指摘した記事で本書が引用されていた事、また知ってはいたが実は未読であった事から手にとったのですが。太平洋戦争開戦の裏で行われていた、若く優秀な30代の人材が集められた総力戦研究所におけるシミュレーション(と実際の比較)に焦点を絞っている本書は、今と同じく【誰も意思決定しないが、誰かに罪を被せるのは得意な】この国の姿が浮かび上がっていて、読みやすくわかりやすかった。
また本書では、せっかくの様々なしがらみを廃したエリート組織によって導き出された結果が正確な予測であったにも関わらず結局【合理的な判断より政治が優先されて】活かされなかったわけですが。対照的な例として『江戸の読書会』で紹介されていた【身分制社会の中ではきわめて特別な、対等で自由な場所であった】会読での議論が近代国家へと続く明治維新に繋がったのと比較して、何とも皮肉な結果だと感じました。
敗戦の昭和から平成の終わりまでを個人的には総括したい誰か、あるいは現在も続く政治や企業での不祥事が『なぜ起きるのか?』とかを考えている誰かにも、はたまた無駄な会議に参加して、やれやれ気分なビジネスマンにもオススメ。
2019年10月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
第二次世界大戦に流されて行った運命を思い知らされました。
仕掛けたというか、仕掛けさせられた、、いや、満州事変さえなければ全く違った世界勢力図になっていたのだと思いました。
日本人というDNAによる社会組織のどうにもならない構造的欠陥がこれからも起こりうる運命を連想させる内容でした。
古文長の引用の部分は読むのにやや難解な所もあります。
一部空想も込められているでしょうが、ここまでなめらかな流れに歴史ストーリーを記せる筆者にリスペクトいたします。
日本の歴史教科書に、先の大戦の経緯を載せる事は、う~~ん 出来ないのでしょうね、、
もう一度筆者が政治にTRYして欲しいかな とも思いました。
仕掛けたというか、仕掛けさせられた、、いや、満州事変さえなければ全く違った世界勢力図になっていたのだと思いました。
日本人というDNAによる社会組織のどうにもならない構造的欠陥がこれからも起こりうる運命を連想させる内容でした。
古文長の引用の部分は読むのにやや難解な所もあります。
一部空想も込められているでしょうが、ここまでなめらかな流れに歴史ストーリーを記せる筆者にリスペクトいたします。
日本の歴史教科書に、先の大戦の経緯を載せる事は、う~~ん 出来ないのでしょうね、、
もう一度筆者が政治にTRYして欲しいかな とも思いました。
2020年8月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
終戦記念日の前後で毎年 太平洋戦争関係の本を一冊読むことにしています。僕の疑問の一つに太平洋戦争の結果を予想して無謀な戦争とわかっていた人は必ずいたはずであるということとその意見がなぜ通らなかったのかということです。意思決定しないでの引き延ばし時間、それは見えない何かを失っている時間と日本的「空気」を作っていく過程だということなのです。日本的意思決定のシステムで「全員一致」が決断の決定内容より優先され、物事が「検討する」ことより先に決定されているという内実が良くわかる本でした。
2018年3月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
戦時中における「雰囲気」
軍隊という縦割り社会における「忖度」
戦時中でも現在でも、通用する必読書です
軍隊という縦割り社会における「忖度」
戦時中でも現在でも、通用する必読書です
2018年11月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
あらゆる情報を分析して事に臨み、出た結果が屈辱であっても最善の判断をすること。確かに、山本五十六氏等日米開戦を反対していた人たちの無念。これを受け止めて、これからの日本を考えるべきだ。戦う前から、負け戦になることになることを認識して本当に戦うのなら、あの戦には価値があった。しかし、本質は違う。おごるなよ日本。