6巻は弟、秩父宮の留学や結婚が中心だが、それは昭和天皇自身を語る上でも重要な伏線。これを省略しなかったことは後々、非常に大きい意味を持つ。
途中、秩父宮と親交がある安藤なる陸軍士官が登場するが、今後の日本史を多少なりとも知っている人間にとっては思いがけないエピソードに驚くだろう。だが、脚色はあろうとも事実であったりする。今後の安藤、鈴木貫太郎などの交わりも含めて作り物の小説・映画のような展開(史実)に驚くほかない。
今回山本権兵衛、後藤新平など歴史上勇名なキャラクターも新しく登場するが、今の時期であればなんと言ってもフォーカスするのは後藤新平だ。
この6巻に登場するずっと前、後藤新平は自分とは関係のない事件に巻き込まれて内務省衛生局長をクビになっているのだが、元上司に児玉源太郎へ推薦されると日清戦争の帰還兵に対する検疫業務を行う臨時陸軍検疫部事務官長として大活躍。その手腕に驚いた児玉源太郎は後藤を台湾の民政局長に抜擢する。
後藤が面白いのはその後、台湾で行った阿片に対する対応だ。常習者が大量にいる状態で禁止したらそれは密貿易によって地下で氾濫するだけ、余計にやっかいになると考え、まず高税率にして阿片の流通を政府の監視下におき、常習者の数を激減させて最終的に全面的に禁止することで根絶している。そのほか、満州の開発も日本の独占あるいは優先的な権利拡大では無く清やロシアも誘ったほうがいいと考えたり、建前ありきの方法論や理想に拘泥するやり方ではなく、結果が全てと考える後藤新平らしいやり方だった。
この令和2年の世に後藤新平がいたら100年に一度の疫病危機にいったいどんな対応をしてくれるだろうか?
興味深い。
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昭和天皇物語(6) (ビッグコミックス) Kindle版
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言語日本語
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出版社小学館
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発売日2020/4/27
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ファイルサイズ65617 KB
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2020年5月4日に日本でレビュー済み
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役に立った
2020年4月28日に日本でレビュー済み
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第六巻は関東大震災、被災者の慰問に直行した貞明皇后、裕仁親王狙撃事件(虎ノ門事件)、雍仁親王(後の秩父宮殿下)のお妃候補選び、裕仁親王御成婚、良子紀殿下御懐妊、照宮成子内親王御誕生までを描いています。
今回は松平信子の娘であった節子(結婚後は勢津子)が雍仁親王に嫁いだ經緯が話の軸になっています。鍋島家出身の信子は京都守護職を務めた会津の松平容保の六男恒雄に嫁いで居ましたので、節子は朝敵とされた会津の血筋を引くことになります。しかし、信子が貞明皇后の御用人を務めて居たことや、松平恒雄が英米大使という要職を務めたこと、更には秩父宮紀勢津子だけでなく、香淳皇后や高松宮妃喜久子が佐幕派の出身であったことなどから分かる様に、戊辰戦争後の融和を図り挙国一致に務めた「後の公武合体」を今の歷史の教科書は教えません。本邦の歴史を考える上で大切な部分ですが、「進歩史観」では説明出来ないからでしょう。
貞明皇后の辣腕ぶりを強調する描写は相変わらずですが、何か直感的閃きで節子に目をつけた様な描き方になっていて、違和感を感させられます。第四十八話では節子が会津の大義が何であったかに触れて居ますが、仮に此の様な遣り取りがあったとしても実際に松平節子が此の様な謂い方をしたのでしょうかね。確かにロンドンで生まれてから父親と共に海外で暮らした期間が長く、語学にも堪能であったと伝えられる節子ではありますが。また、裕仁親王殿下が当時の写真で伝えられる容貌と異なるのは何故?
今回は松平信子の娘であった節子(結婚後は勢津子)が雍仁親王に嫁いだ經緯が話の軸になっています。鍋島家出身の信子は京都守護職を務めた会津の松平容保の六男恒雄に嫁いで居ましたので、節子は朝敵とされた会津の血筋を引くことになります。しかし、信子が貞明皇后の御用人を務めて居たことや、松平恒雄が英米大使という要職を務めたこと、更には秩父宮紀勢津子だけでなく、香淳皇后や高松宮妃喜久子が佐幕派の出身であったことなどから分かる様に、戊辰戦争後の融和を図り挙国一致に務めた「後の公武合体」を今の歷史の教科書は教えません。本邦の歴史を考える上で大切な部分ですが、「進歩史観」では説明出来ないからでしょう。
貞明皇后の辣腕ぶりを強調する描写は相変わらずですが、何か直感的閃きで節子に目をつけた様な描き方になっていて、違和感を感させられます。第四十八話では節子が会津の大義が何であったかに触れて居ますが、仮に此の様な遣り取りがあったとしても実際に松平節子が此の様な謂い方をしたのでしょうかね。確かにロンドンで生まれてから父親と共に海外で暮らした期間が長く、語学にも堪能であったと伝えられる節子ではありますが。また、裕仁親王殿下が当時の写真で伝えられる容貌と異なるのは何故?
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