本書で一番有用なのが、春秋戦国時代の有名な戦いの布陣・進軍図(凸や⇒がついている図)でした。約25箇所の図が掲載されています(1箇所だけ春秋以前の殷末周初の戦い(牧野の戦い)を含み、統一秦時代(始皇帝時代)まで扱われています)。布陣図を用いた合戦の解説は全部見開き二頁なので、全112頁のうち約半分が、布陣図を含めた合戦解説です。残りの半分では、当時の武具や兵器(攻城兵器など大型含む)のイラスト解説、軍隊組織図や春秋五覇、戦国七雄各国の解説となっています。別冊宝島のムック本ですが、サイズはA4で、全頁同じ紙質のカラー用紙です(64頁までフルカラーで以降二色刷り)。
戦国楚の九連墩車馬坑(実物の馬車を墓に陪葬したもの。馬車本体の残骸と馬の骨が発掘される)や、戦国斉の都臨淄の車馬坑のカラー写真など、珍しい写真も掲載されています。監修が鶴間和幸氏なのでムック本とはいえ、しっかりした感じです。合戦故地の旅行案内があるわけではありませんが、本書を使って合戦の故地に旅行する時に携行して役立ちそうですし、Google Mapなどでネット旅行するのにも使えそうです。表紙の上帯に「『キングダム』が描く古代中国史」、とありますが、こ「『キングダム』が対象としている古代中国史」という意味で、本自体に漫画のイラストが登場したりしているわけではありません。武将達のイラストは登場していますが、それほど大きなサイズではありません。112頁と薄いのですが、価格は妥当という感じがします。
- キャッシュレス・消費者還元5%の対象商品です。5%の還元が注文確定時に適応されます。 Amazonによる割引。 詳細はこちら (細則もこちらからご覧いただけます)