数式がないことを売りにする量子重力の一般書はある程度存在する。しかし、”宇宙は数学の言葉で語られる”との言葉通り、数式がない解説には常にオブラートに包まれたごまかし感が漂う。しかし本書はポイントを数式で説明しつつ、その数式の意味を丁寧に解説することで、ごまかしなく理解を深めてくれる。
そのため読者を選ぶ一面もある。数式が出てくるだけでめまいがするにはお勧めできない。しかし、数式を読み解き、本書の解説からイメージを膨らませることができれば、これまでの一般書とは一つステージの違う理解をすることができるだろう。
特に本書の優れた点は、まだ完成されていない量子重力理論を完成させるためには、これまで前提とされていた物理的条件を疑い、何かを変更する必要があるが、それにおいて広い角度から検討していることだろう。そのため、ループ重力理論と超ひも理論の長所短所が見え面白い。本書を読むと、超ひも理論とループ重力理論はそれぞれ完成した暁には統一されたフレームワークで語られる双対な理論である気がしてくる。今後の発展が楽しみである。
明解量子重力理論入門 (KS物理専門書) (日本語) 単行本 – 2011/7/26
吉田 伸夫
(著)
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本の長さ216ページ
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言語日本語
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出版社講談社
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発売日2011/7/26
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寸法15 x 1.4 x 21.1 cm
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ISBN-104061532758
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ISBN-13978-4061532755
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
なぜ重力の量子化が困難なのか?量子重力理論は、何を解決しようとしているのか?ループ量子重力理論とは、超ひも理論とは、どのような理論なのか?学部学生程度の物理学から出発し、量子重力理論という最先端へ読者をいざなう、専門書を読む前の、はじめの一歩に最適な入門書。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
吉田/伸夫
1956年、三重県生まれ。東京大学理学部物理学科卒業、同大学院博士課程修了、理学博士。専攻は素粒子論(量子色力学)。東海大学、明海大学で非常勤講師を務めながら、科学哲学や科学史をはじめ幅広い分野で研究を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1956年、三重県生まれ。東京大学理学部物理学科卒業、同大学院博士課程修了、理学博士。専攻は素粒子論(量子色力学)。東海大学、明海大学で非常勤講師を務めながら、科学哲学や科学史をはじめ幅広い分野で研究を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2011/7/26)
- 発売日 : 2011/7/26
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 216ページ
- ISBN-10 : 4061532758
- ISBN-13 : 978-4061532755
- 寸法 : 15 x 1.4 x 21.1 cm
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 211,319位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 90位量子物理学
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年1月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ちょっと学習参考書みたいなタイトルなので、ためらいつつもアマゾンで注文。届いた本の帯に、「超ひも理論も、ループ量子重力理論も、第一歩からわかる 知的興奮の書!」と書いてあり、期待できそうと思い直した。
この本は、一般的な読者を想定した解説本ではない。 数式にアレルギーが無く、電磁気学、相対論、量子力学をある程度知っている人に対して、場の量子論と重力場の「明解」な要約を提示した上で、重力場の量子化の試みを外観していくという構成になっている。
大きくは2つの有力な理論を紹介。ループ量子重力理論と超ひも理論。 超ひも理論の本は多いが、ループ量子重力理論の本は初めて読んだ。 その後、ブラックホールとホーキング輻射の話、宇宙論への応用の話に簡単に触れている。
私は、「大栗先生の超弦理論入門」を読みながら、並行し対比しながら超ひも理論の部分を読み、その後改めて最初から読み直した。
読み終わっての感想は、まさに帯に書いてあったとおり、知的興奮の書 であった。
数式は理解を助けるためのポイントのみで、非常にスッキリしており、何をするのかが「明解」に明記されている。この点が通常の物理のテキストと違う。この本で、場の量子論がやっとわかった。点粒子の量子化については、侃々諤々の哲学的論争まであって、やっと自分を納得させたと思ったら、その後の第2量子化とか場の量子化とかでは何の意味の説明もなく導入されていくのが不可解だと思っていたので、本書の物理的なイメージが沸くような説明は素晴らしいと感じています。
肝心のループ量子重力と超ひもの方は、正直、わかったとは言い難いですが、全体的なイメージ(何が問題なのか)は掴めたという感じです。
この本は、一般的な読者を想定した解説本ではない。 数式にアレルギーが無く、電磁気学、相対論、量子力学をある程度知っている人に対して、場の量子論と重力場の「明解」な要約を提示した上で、重力場の量子化の試みを外観していくという構成になっている。
大きくは2つの有力な理論を紹介。ループ量子重力理論と超ひも理論。 超ひも理論の本は多いが、ループ量子重力理論の本は初めて読んだ。 その後、ブラックホールとホーキング輻射の話、宇宙論への応用の話に簡単に触れている。
私は、「大栗先生の超弦理論入門」を読みながら、並行し対比しながら超ひも理論の部分を読み、その後改めて最初から読み直した。
読み終わっての感想は、まさに帯に書いてあったとおり、知的興奮の書 であった。
数式は理解を助けるためのポイントのみで、非常にスッキリしており、何をするのかが「明解」に明記されている。この点が通常の物理のテキストと違う。この本で、場の量子論がやっとわかった。点粒子の量子化については、侃々諤々の哲学的論争まであって、やっと自分を納得させたと思ったら、その後の第2量子化とか場の量子化とかでは何の意味の説明もなく導入されていくのが不可解だと思っていたので、本書の物理的なイメージが沸くような説明は素晴らしいと感じています。
肝心のループ量子重力と超ひもの方は、正直、わかったとは言い難いですが、全体的なイメージ(何が問題なのか)は掴めたという感じです。
2011年12月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は,究極理論の唯一の候補と自称する超弦理論と,それに対抗意識を燃やして近年盛んに喧伝されているループ量子重力理論の紹介である.この種の本は,専門家向けの難解なものでなければ,大概論理構成の全く不明な「お話」であって,結局何がどうなっているのか分からずじまいになるのが普通であろう.この本はそのギャップを埋める試みである.それで本書の前半は,その準備のため場の量子論や一般相対論の要約に費やされている.論理を明確にさせるため,数式は遠慮なく使われている.後半はループ量子重力と超弦理論の簡単な解説である.前者について,和書は今までスモーリン自身の著書の和訳と竹内薫のひどい本くらいしかなかったようなので貴重である.しかしちょっと簡潔すぎるようで,これだけでは物理学の理論の体をなしているようには思えない.ブラックホール・エントロピーの話が詳しいが,これは量子重力というより半古典的問題であろう.ブラックホールそのものを量子重力で取り扱えるわけではないのだから.
著者は,特定の理論の賛成派でも反対派でもなく,わりとクールな眼で理論を眺めている.しかし,量子重力のような物理学の基本概念にかかわる問題を扱うのに,基礎的なところでもう少し批判的であってほしかった.摂動論におけるくりこみ可能性は,量子重力の満たすべき必須の条件ではない.くりこみ可能とは,高エネルギーでの振舞いが不明であっても低エネルギーでの有効理論が作れるということである.プランクエネルギーが最高のエネルギーであるならば,そのエネルギー領域を扱う量子重力までもがくりこみ可能だったら,話が閉じなくなるのだ.また,場の量子論を演算子形式で定式化するより,たんに分かりやすいからという理由で経路積分での定式化に話を限定して量子重力を論ずるのは,少々偏狭であろう.とくにp.18-19で両者が同等でないことを認めているのだから.
著者は,特定の理論の賛成派でも反対派でもなく,わりとクールな眼で理論を眺めている.しかし,量子重力のような物理学の基本概念にかかわる問題を扱うのに,基礎的なところでもう少し批判的であってほしかった.摂動論におけるくりこみ可能性は,量子重力の満たすべき必須の条件ではない.くりこみ可能とは,高エネルギーでの振舞いが不明であっても低エネルギーでの有効理論が作れるということである.プランクエネルギーが最高のエネルギーであるならば,そのエネルギー領域を扱う量子重力までもがくりこみ可能だったら,話が閉じなくなるのだ.また,場の量子論を演算子形式で定式化するより,たんに分かりやすいからという理由で経路積分での定式化に話を限定して量子重力を論ずるのは,少々偏狭であろう.とくにp.18-19で両者が同等でないことを認めているのだから.
ベスト1000レビュアー
「素粒子論はなぜわかりにくいのか」吉田伸夫のp.56の説明
場は無数のバネを連結したモデルで表現出来る。素粒子とは場が(高いエネルギーを持って)励起した状態である。
「明解量子重力理論入門 」吉田伸夫 の2冊の名著を読まずして理解は難しい。
「理論物理学のための幾何学とトポロジー〈1〉〈2〉」中原幹夫
「ゲージ理論の基礎数理」橋本義武、「基礎物理から理解するゲージ理論」川村
などの数理専門書で数学的に理解するのは大学院を出ても難しいでしょうね。
でも「はじめての〈超ひも理論〉」川合 光
「ポケット図解 最新超ひも理論がよ~くわかる本」 伊藤英男
「超ひも理論をパパに習ってみた 天才物理学者・浪速阪教授の70分講義」橋本幸士は読みやすい。
「素粒子論はなぜわかりにくいのか (知の扉)」でも指摘しているように書かれた時代によって全く専門書の内容が異なるのです。
超ひもにはいくつかの種類がある。それは元になるM理論の別の側面を見ているとのこと。
別の観点から見るということが双対性という。例えば猿が包丁を持っている状況が見方によって凶器にも料理の道具にもなる。
コンパクト化(筒状のホースが遠くでみると1本の線に見える)という考えが余剰次元空間の認識となる。
この本はネット情報や動画
YOU TUBE動画:「2019/12/06 仁科記念講演会 東京大学 量子重力 (講演者:高柳匡、大栗博司)」「超弦理論・ひも理論とは?原子よりも小さな粒子を観察する方法 重力と素粒子の関係 【日本科学情報】【宇宙】」
「19_超弦理論入門講座>M理論」、「加藤晃史 数学科 准教授 『数学で自然界を表すひも理論を解く』」
と併読すべき私の名著です。
ゲージ対称性、つまりゲージボゾンの放出・吸収のキャッチボール相互作用が素粒子の速さや方向を変える
と解釈することで、それらの3つの力を説明する。ゲージ理論が「点粒子」的なイメージであるのに対して
全ての素粒子はたった一つの「ひも」で説明できるのではないか!?というのが超ひも理論。
「点粒子」をもっと拡大してみると「ひも状」になっているとというのが超ひも理論。
you tube 動画 「はてな宇宙「第29回:ひもから作る"場の理論"」」も参考に
テンソル積とは・既知のベクトル空間・加群から新たなベクトル空間を作り出す操作のことです。
まず各点の近傍ではユークリッド空間で近 似し,計量という量でその構造を決める. さらにその近傍 同士のつなぎかたを接続という量で決めてやることにより, S 全体の構造が決まる。計量は(一般に非線形な)座標変換に対して線形に変換される(テンソル)。どんなに曲がった空間でも,S のある点 p の近くでは,我々のよく 知っているユークリッド空間で近似できる 。点 p の運動の軌跡、接線方向(接 ベクトルという)を定めた近傍Tp はいろいろな向 きの接ベクトルの集合だから接空間と呼ばれる.
空間の構造は局所的な線形構造(計量)とそれらの関係をつなぐアファイン接続(共変微分)から決まる. 通常のリーマン幾何では計量を決めると接続が決まってしまう。
曲がった空間での平行移動を考え、リーマン多様体の標準的な線形接続を「リーマン接続」という。
リーマン接続を2つにずらしたものの差である3次テンソルが双対接続です。リーマン空間に双対接続を導入した多様体で、双対接続の曲率がゼロとなるものを双対平坦と言います。双対平坦であるなら双対なそれぞれの双対接続に対してアフィン座標系が存在します。
アインシュタインの重力方程式は時間に関数幾何的な量(リッチテンソル)と物理的な場に関する量(エネルギー運動量テンソル)が結びついている。これらの量は時空を記述するローレンツ計量を基準として計られるべき量である。
ガウス曲率はリーマン曲率テンソルとして一般化され次元が高くなると4階のテンソルとして表現される。
しかし曲率テンソルそのままでは複雑すぎそれを制限した断面曲率。縮約をとることで得られるリッチ曲率、さらなる縮約をとったスカラー曲率が有効でアインシュタインの重力方程式にはリッチ曲率とスカラー曲率が現れる。
今日では曲率概念より根源的な接続を使って定義されている。
ホモトピー論は「連続的変形の理論」という概念。
現代幾何学での基本的な言語としてファイバー束が使われる。
二次元球面の接束を出発点としてファイバー束という視点を導入し, 可微分多様体の接束はベクトル束という構造を持ち, また, トポロジーの入門で 基本群が扱われるが, 基本群と関係が深いのは被覆空間であり, これもファイバー束の特別な場合である。最近になって,量子力学の波動「関数」が実は関数ではなく,位相変換の自由度をもつ,ファイバー束の「切断」であると認識された。
「接続の微分幾何とゲージ理論」小林 昭七 を理解出来る人向けかも。
私の理解をかなり越えているので内容紹介です。
場は無数のバネを連結したモデルで表現出来る。素粒子とは場が(高いエネルギーを持って)励起した状態である。
「明解量子重力理論入門 」吉田伸夫 の2冊の名著を読まずして理解は難しい。
「理論物理学のための幾何学とトポロジー〈1〉〈2〉」中原幹夫
「ゲージ理論の基礎数理」橋本義武、「基礎物理から理解するゲージ理論」川村
などの数理専門書で数学的に理解するのは大学院を出ても難しいでしょうね。
でも「はじめての〈超ひも理論〉」川合 光
「ポケット図解 最新超ひも理論がよ~くわかる本」 伊藤英男
「超ひも理論をパパに習ってみた 天才物理学者・浪速阪教授の70分講義」橋本幸士は読みやすい。
「素粒子論はなぜわかりにくいのか (知の扉)」でも指摘しているように書かれた時代によって全く専門書の内容が異なるのです。
超ひもにはいくつかの種類がある。それは元になるM理論の別の側面を見ているとのこと。
別の観点から見るということが双対性という。例えば猿が包丁を持っている状況が見方によって凶器にも料理の道具にもなる。
コンパクト化(筒状のホースが遠くでみると1本の線に見える)という考えが余剰次元空間の認識となる。
この本はネット情報や動画
YOU TUBE動画:「2019/12/06 仁科記念講演会 東京大学 量子重力 (講演者:高柳匡、大栗博司)」「超弦理論・ひも理論とは?原子よりも小さな粒子を観察する方法 重力と素粒子の関係 【日本科学情報】【宇宙】」
「19_超弦理論入門講座>M理論」、「加藤晃史 数学科 准教授 『数学で自然界を表すひも理論を解く』」
と併読すべき私の名著です。
ゲージ対称性、つまりゲージボゾンの放出・吸収のキャッチボール相互作用が素粒子の速さや方向を変える
と解釈することで、それらの3つの力を説明する。ゲージ理論が「点粒子」的なイメージであるのに対して
全ての素粒子はたった一つの「ひも」で説明できるのではないか!?というのが超ひも理論。
「点粒子」をもっと拡大してみると「ひも状」になっているとというのが超ひも理論。
you tube 動画 「はてな宇宙「第29回:ひもから作る"場の理論"」」も参考に
テンソル積とは・既知のベクトル空間・加群から新たなベクトル空間を作り出す操作のことです。
まず各点の近傍ではユークリッド空間で近 似し,計量という量でその構造を決める. さらにその近傍 同士のつなぎかたを接続という量で決めてやることにより, S 全体の構造が決まる。計量は(一般に非線形な)座標変換に対して線形に変換される(テンソル)。どんなに曲がった空間でも,S のある点 p の近くでは,我々のよく 知っているユークリッド空間で近似できる 。点 p の運動の軌跡、接線方向(接 ベクトルという)を定めた近傍Tp はいろいろな向 きの接ベクトルの集合だから接空間と呼ばれる.
空間の構造は局所的な線形構造(計量)とそれらの関係をつなぐアファイン接続(共変微分)から決まる. 通常のリーマン幾何では計量を決めると接続が決まってしまう。
曲がった空間での平行移動を考え、リーマン多様体の標準的な線形接続を「リーマン接続」という。
リーマン接続を2つにずらしたものの差である3次テンソルが双対接続です。リーマン空間に双対接続を導入した多様体で、双対接続の曲率がゼロとなるものを双対平坦と言います。双対平坦であるなら双対なそれぞれの双対接続に対してアフィン座標系が存在します。
アインシュタインの重力方程式は時間に関数幾何的な量(リッチテンソル)と物理的な場に関する量(エネルギー運動量テンソル)が結びついている。これらの量は時空を記述するローレンツ計量を基準として計られるべき量である。
ガウス曲率はリーマン曲率テンソルとして一般化され次元が高くなると4階のテンソルとして表現される。
しかし曲率テンソルそのままでは複雑すぎそれを制限した断面曲率。縮約をとることで得られるリッチ曲率、さらなる縮約をとったスカラー曲率が有効でアインシュタインの重力方程式にはリッチ曲率とスカラー曲率が現れる。
今日では曲率概念より根源的な接続を使って定義されている。
ホモトピー論は「連続的変形の理論」という概念。
現代幾何学での基本的な言語としてファイバー束が使われる。
二次元球面の接束を出発点としてファイバー束という視点を導入し, 可微分多様体の接束はベクトル束という構造を持ち, また, トポロジーの入門で 基本群が扱われるが, 基本群と関係が深いのは被覆空間であり, これもファイバー束の特別な場合である。最近になって,量子力学の波動「関数」が実は関数ではなく,位相変換の自由度をもつ,ファイバー束の「切断」であると認識された。
「接続の微分幾何とゲージ理論」小林 昭七 を理解出来る人向けかも。
私の理解をかなり越えているので内容紹介です。
2014年9月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
確かに、『専門書の前』ですね、自然言語で記述しているので分かりやすく、最新理論まで盛り込んであるので全体を概観できます。
ただし、そこには落とし穴もあります。
わかりやすいということは実際は『分かっていないのに分かった気になる』ことと同義です。
数式を少し出して実際は「高度なので細かい説明はしないが…」となっており、
あいまいな自然言語で説明しているにもかかわらず、読者は『数式も理解できた。論理言語でも理解できた。』
とますます傲慢な勘違いに陥っていく可能性が極めて高いです。
こうしたことは、ポストモダンの領域でソーカル事件において明らかになったように、
理解させてくれたように感じたものを過大評価する大衆の特性から、
この先の専門書を相対的に過小評価し、学びを妨げてしまうことになりかねません。
あくまでも、ブルーバックスと専門書の中間であって、専門書ではないことを意識する必要があります。
ただし、そこには落とし穴もあります。
わかりやすいということは実際は『分かっていないのに分かった気になる』ことと同義です。
数式を少し出して実際は「高度なので細かい説明はしないが…」となっており、
あいまいな自然言語で説明しているにもかかわらず、読者は『数式も理解できた。論理言語でも理解できた。』
とますます傲慢な勘違いに陥っていく可能性が極めて高いです。
こうしたことは、ポストモダンの領域でソーカル事件において明らかになったように、
理解させてくれたように感じたものを過大評価する大衆の特性から、
この先の専門書を相対的に過小評価し、学びを妨げてしまうことになりかねません。
あくまでも、ブルーバックスと専門書の中間であって、専門書ではないことを意識する必要があります。
2011年8月15日に日本でレビュー済み
一般相対性理論に量子ゆらぎを取り入れると近距離極限での発散を引き起こしてしまい「くりこみ不能」の問題が生じる。ループ量子重力理論では時空の連続性を保ちながらループ状態が時空の最小単位を生み出すことによって近距離極限での発散が起きないようにする。超ひも理論では拡がりを持つひもを考えることによって発散を回避する。これらについての本質を数式も用いて丁寧にわかりやすく説明している。ホーキング輻射、初期特異点、カルツァクライン機構などについても他の一般書や入門書に比べてきちんとわかりやすく説明されていると思う。筆者は科学史にも造詣が深くどのように量子重力理論に取り組むべきかについても考えさせてくれる良書である。