日本人は、歴史とは原因・結果のロジックで記述され得るものと誤解している。
この作法では、その多くは結果的に勝者が歴史を創ることになる。
GHQは、日本国憲法制定に介入した。
支配体制を盲信した、日本左翼は盲目的に自虐史観・反日史観の信奉者となった。
アングロサクソンの歴史感は違う。
英米法と大陸法との相違に見られる如く、前者は訴訟中心主義であり後者は実体法中心の法治主義である。
英米法は、ダイナミックであり大陸法は固定的である。
これは歴史認識に於いても同様である。
根本は、出来事の連続でありイデオロギーでは捉えられない。
これが、大人の健全な対応であろう。
あたかも、コンピュータがその時点時点(点)での判断するのに対し、人間は線(過去・現在・未来)を念頭に置いた判断をするに似ている。その結果、人間は過去・未来に捉われすぎるのだ。
著者はこの本で、勝者の歴史と云うフィクションを避けるため編年体を採らず、従来から解きたいと思っていた「問い」を列挙して、それを具体に落とし込んだ。
その十講は、ユニークで歴史の智慧を掘り起こしている。
楽観論者であり抗ペシミズムが貫かれている。
谷口智彦は、こう考えると云う内容である。
現在、安倍総理のスピーチライターを務められているが、一本でも読めばその見識・智恵・度胸・器量が解る。
一つだけ、第九講「楽観主義者だけが未来をつくる」を紹介したい。
イギリスのBBC放送による、定期的世界世論調査によると日本は常に上位にランクされるが2011年終にトップとなった。(2013年出版時点)
基準は、「主として肯定的な」貢献する国か、「主として否定的な」貢献する国かを問うもので、権威は既に確立している。
そしてその具体的理由とは、「献身」、「謙仰」、「自由」と言う三つの言葉を間違いなかろうと析出した。
これらは、日本人を象徴する国際的「暖簾」となっている。
それらは、「「背中に滲み出る」何かであり、「製品に具体化」し、手にしたもの、使用したものに、そこはかとなく伝わる何かであり日本人本人たちにすら、自覚的意識の対象とならない非言語的何ものかである。
それらを支えるものは、江戸時代から連綿として続く子ども時代の「自由」である。
そしてその奥にあるものは、社会の安全、子どもの行動の自由である。それは、英米の子どもたちにはない。ましてや、今日の中国には極めて少ないものである。
以上。
他の九講も経験と素晴らしい思索の内容となっている。
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明日を拓く現代史 単行本 – 2013/4/1
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- 本の長さ295ページ
- 言語日本語
- 出版社ウェッジ
- 発売日2013/4/1
- ISBN-109784863101081
- ISBN-13978-4863101081
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
アメリカがつくった世界システムとは何か?挑戦者・中国と、その中国を執拗なまでに警戒するインドの先行きは?日本は、もっといい国、強い経済を持つ国に変わっていけるのか?これからの時代を担うあなたが、絶対に知っておくべき現代史。慶應義塾大学大学院の人気講義、待望の単行本化。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
谷口/智彦
1957年生まれ、東京大学法学部卒。内閣審議官。2008~13年、明治大学国際日本学部客員教授など。2005~08年、外務省外務副報道官。それ以前約20年「日経ビジネス」記者、編集委員。その間プリンストン大学フルブライト客員研究員、ロンドン外国プレス協会会長、上海国際問題研究所客座研究員、米ブルッキングズ研究所招聘給費研究員を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1957年生まれ、東京大学法学部卒。内閣審議官。2008~13年、明治大学国際日本学部客員教授など。2005~08年、外務省外務副報道官。それ以前約20年「日経ビジネス」記者、編集委員。その間プリンストン大学フルブライト客員研究員、ロンドン外国プレス協会会長、上海国際問題研究所客座研究員、米ブルッキングズ研究所招聘給費研究員を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- ASIN : 4863101082
- 出版社 : ウェッジ (2013/4/1)
- 発売日 : 2013/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 295ページ
- ISBN-10 : 9784863101081
- ISBN-13 : 978-4863101081
- Amazon 売れ筋ランキング: - 132,027位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 2,730位日本史一般の本
- カスタマーレビュー:
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2014年10月26日に日本でレビュー済み
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革命家を目指した廣松教授がいかに受け入れられたのか、
なぜ神田の古書店は独特の左翼連絡ポイントになっているのか、
1956
スエズ危機の世界史的意味(英国から米国への覇権の移行)
について初めて理解できた。
ブレトンウッズ体制は要はイギリスのケインズとアメリカのホワイトの
(ハリーデクスターホワイト)の二人で決めた。
なんとこの二人はそれぞれに1941年12月には戦後体制について
構想を練り始めている。真珠湾の一週間後である。
ルーズベルトがイギリスに最後の引導を渡した。
スターリング体制からドル体制へ。
IMF,世界銀行、どちらもワシントンに置かれることになった。
柏木さんはすごい人だったんだなあ
ドル問題は安全保障問題そのもの
大躍進の真実。
敗戦の日、天皇は40代だった。
15年あれば時代は大きく変わる。
なぜ神田の古書店は独特の左翼連絡ポイントになっているのか、
1956
スエズ危機の世界史的意味(英国から米国への覇権の移行)
について初めて理解できた。
ブレトンウッズ体制は要はイギリスのケインズとアメリカのホワイトの
(ハリーデクスターホワイト)の二人で決めた。
なんとこの二人はそれぞれに1941年12月には戦後体制について
構想を練り始めている。真珠湾の一週間後である。
ルーズベルトがイギリスに最後の引導を渡した。
スターリング体制からドル体制へ。
IMF,世界銀行、どちらもワシントンに置かれることになった。
柏木さんはすごい人だったんだなあ
ドル問題は安全保障問題そのもの
大躍進の真実。
敗戦の日、天皇は40代だった。
15年あれば時代は大きく変わる。
2015年6月13日に日本でレビュー済み
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この本の著者である谷口智彦氏は例の米国議会での安倍首相の演説の原稿を書いたと言われている。マスコミではいろいろ言われているが、この安倍演説は成功と言えるだろう。この原稿を書いた人物はどんな人だろうという興味からこの本を読んでみた。
最初 図書館で借りて読み始めたのだが、買いなおして線を引きながら読み進めた。
中国とインドの紛争、英米の戦中、戦後の相克、中国の実相など興味深い事実を展開しながらこれからの日本を展望していく。
このような見方があるのだ、このような人がいるのだという感慨を持った本である。多くの人に読んでほしい。
最初 図書館で借りて読み始めたのだが、買いなおして線を引きながら読み進めた。
中国とインドの紛争、英米の戦中、戦後の相克、中国の実相など興味深い事実を展開しながらこれからの日本を展望していく。
このような見方があるのだ、このような人がいるのだという感慨を持った本である。多くの人に読んでほしい。
ベスト1000レビュアーVINEメンバー
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本書は、慶応大学の人気講座を単行本化したものであり、第二次大戦後の世界を支配したアメリカの動きと、アメリカと日本との関りを中心に、若者向けにわかりやすく、そして熱く語った内容になっている。以前読んだ「通貨燃ゆ」と重なる部分もあるが、著者の視点は独特で興味深く読むことができた。
著者は現在、第二次安倍政権で内閣官房参与を務め、まさしく現代史に直接携わっているわけなので、是非、その実務経験を踏まえた、更に掘り下げた現代史の第二弾を書いて頂きたいと思った。
著者は現在、第二次安倍政権で内閣官房参与を務め、まさしく現代史に直接携わっているわけなので、是非、その実務経験を踏まえた、更に掘り下げた現代史の第二弾を書いて頂きたいと思った。