野菜嫌いの子の肉理論というのがある。これは、肉ばかり食べないで野菜も食べなさいと叱られた子供が、「野菜は牛が食べてくれてる」と反論する屁理屈であり、古典もこの理論でいう野菜に相当すると言える。古典の中でも旧約聖書というのは、普通の日本人が読んでも全く面白いものではない。著者も次のように言っている、「旧約聖書について言えば、簡単に読めるものではない。研究者でもない限り、全巻をきちんと読むことは不可能である。断言してもよい。普通のサラリーマンが信仰もないのに、電車の中で旧約聖書を読んでいたら、ーー狂ったのと、ちがうかーーと、私はそう思いたい」と。「信仰もないのに」というのがポイントで、要するに旧約聖書はユダヤ教徒のための本であって、ユダヤ教徒たちと彼らの神との歴史、神話、戒律、文学が書かれたものであるので、信者でなければ通読は難しいのである。野菜嫌いの子の肉理論と併せて考えれば、旧約聖書を美味しい肉に調理してくれた阿刀田の功績は非常に大きいと言える。彼のスタンスは非常に明快で、「読書は楽しいことであり、大切なことであるけれど、人生にはほかにも楽しいことがたくさんあるし、大切なことはさらに多い。古典なんか読まなくたって、りっぱに生きていける。そういう人生も現実にいくらでもある」と言い切っている。
ということで、ありがたく本書の恩恵にあずかった。非常に読みにくい旧約聖書が、とても面白く読めた(ような気になった)。と言っても、所詮はエッセンスだけ、である。通読したのとは違う。だが、それで良いんじゃないだろうか。上述のように旧約聖書の多くはユダヤ教徒たちの歴史や神話、戒律で埋め尽くされていて、現代に生きる我々が読んでも特に何か得るものがあるわけではない。ああ、ユダヤ教徒というのはこういう歴史を生きてきた人たちなんだなぁ、と感じるだけである。ただ、そうは言ってもヨブ記だけはきちんと読むべきではないかという気もする。人生の不条理を神を通じて考えたヨブ記は、哲学的なテーマを含んでいる。
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旧約聖書を知っていますか (新潮文庫) 文庫 – 1994/12/20
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世界最大級のベストセラー、基礎の基礎。
元祖「おもしろくて、ためになる」古典ダイジェストの決定版!
「旧約聖書」を読んだことがありますか? 天地創造を扱う創世記あたりはともかく、面倒なレビ記、申命記付近で挫折という方に福音です! 預言書を競馬になぞらえ、ヨブ記をミュージカルに仕立て、全体の構成をするめにたとえ――。
あらゆる意味での西欧の原点「旧約聖書」の世界を、松葉末節は切り捨て、エッセンスのみを抽出して解説した、阿刀田式古典ダイジェストの決定版。
目次
第1話 英雄アブラハム
第2話 子沢山のヤコブ
第3話 奇蹟の人モーセ
第4話 有能なヨシュア
第5話 サムソンの謎
第6話 ダビデの熱い血
第7話 ソロモンの光と影
第8話 アダムと肋骨
第9話 逃亡者ヨナ
第10話 ヨブは泣き叫ぶ
第11話 預言者二人
第12話 エピローグするめ風味
解説 木原武一
地図・カット 和田誠
本文より
旧約聖書は広大で、幽遠で、複雑で、畳々(じょうじょう)たる山塊に似ている。踏破するのは、なかなかむつかしい。ちょっと眺めるだけでも疲れてしまう。
登り口がいくつかあって、第一ページの天地創造から入る道、一番なじみの深いモーセの生涯あたりからたどる道、あるいはまた美しい雅歌の文句に魅せられて散策を始める人もいるだろう。
だが、私の見たところ、意外と登りやすいのがアブラハムの事蹟からたどって行くコースである。初心者向きであり、主だった風景もよく見える。このエッセイも、その道を選んだ。
(「第1話 英雄アブラハム」)
阿刀田高(あとうだ・たかし)
1935(昭和10)年、東京生れ。早稲田大学文学部卒。国立国会図書館に勤務しながら執筆活動を続け、1978年『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。1979年「来訪者」で日本推理作家協会賞、短編集『ナポレオン狂』で直木賞、1995(平成7)年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞を受賞。他に『ギリシア神話を知っていますか』『源氏物語を知っていますか』『知的創造の作法』『アンブラッセ』『地下水路の夜』など著書多数。
元祖「おもしろくて、ためになる」古典ダイジェストの決定版!
「旧約聖書」を読んだことがありますか? 天地創造を扱う創世記あたりはともかく、面倒なレビ記、申命記付近で挫折という方に福音です! 預言書を競馬になぞらえ、ヨブ記をミュージカルに仕立て、全体の構成をするめにたとえ――。
あらゆる意味での西欧の原点「旧約聖書」の世界を、松葉末節は切り捨て、エッセンスのみを抽出して解説した、阿刀田式古典ダイジェストの決定版。
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第1話 英雄アブラハム
第2話 子沢山のヤコブ
第3話 奇蹟の人モーセ
第4話 有能なヨシュア
第5話 サムソンの謎
第6話 ダビデの熱い血
第7話 ソロモンの光と影
第8話 アダムと肋骨
第9話 逃亡者ヨナ
第10話 ヨブは泣き叫ぶ
第11話 預言者二人
第12話 エピローグするめ風味
解説 木原武一
地図・カット 和田誠
本文より
旧約聖書は広大で、幽遠で、複雑で、畳々(じょうじょう)たる山塊に似ている。踏破するのは、なかなかむつかしい。ちょっと眺めるだけでも疲れてしまう。
登り口がいくつかあって、第一ページの天地創造から入る道、一番なじみの深いモーセの生涯あたりからたどる道、あるいはまた美しい雅歌の文句に魅せられて散策を始める人もいるだろう。
だが、私の見たところ、意外と登りやすいのがアブラハムの事蹟からたどって行くコースである。初心者向きであり、主だった風景もよく見える。このエッセイも、その道を選んだ。
(「第1話 英雄アブラハム」)
阿刀田高(あとうだ・たかし)
1935(昭和10)年、東京生れ。早稲田大学文学部卒。国立国会図書館に勤務しながら執筆活動を続け、1978年『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。1979年「来訪者」で日本推理作家協会賞、短編集『ナポレオン狂』で直木賞、1995(平成7)年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞を受賞。他に『ギリシア神話を知っていますか』『源氏物語を知っていますか』『知的創造の作法』『アンブラッセ』『地下水路の夜』など著書多数。
- 本の長さ371ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1994/12/20
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101255199
- ISBN-13978-4101255194
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
「旧約聖書」を読んだことがありますか?天地創造を扱う創世記あたりはともかく、面倒なレビ記、申命記付近で挫折という方に福音です!預言書を競馬になぞらえ、ヨブ記をミュージカルに仕立て、全体の構成をするめにたとえ―あらゆる意味での西欧の原点「旧約聖書」の世界を、枝葉末節は切り捨て、エッセンスのみを抽出して解説した、阿刀田式古典ダイジェストの決定版。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
阿刀田/高
1935(昭和10)年、東京生れ。早稲田大学文学部卒。国立国会図書館に勤務しながら執筆活動を続け、’78年『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。’79年「来訪者」で日本推理作家協会賞、短編集『ナポレオン狂』で直木賞、’95(平成7)年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1935(昭和10)年、東京生れ。早稲田大学文学部卒。国立国会図書館に勤務しながら執筆活動を続け、’78年『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。’79年「来訪者」で日本推理作家協会賞、短編集『ナポレオン狂』で直木賞、’95(平成7)年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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著者について
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1935(昭和10)年、東京生れ。早稲田大学文学部卒。
国立国会図書館に勤務しながら執筆活動を続け、1978年『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。1979年「来訪者」で日本推理作家協会賞、短編集『ナポレオン狂』で直木賞、1995(平成7)年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞を受賞。
他に『花あらし』『シェイクスピアを楽しむために』『チェーホフを楽しむために』『佐保姫伝説』『プルタークの物語』など著書多数。
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.1
星5つ中の4.1
170 件のグローバル評価
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トップレビュー
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ベスト1000レビュアー
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20人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2020年8月19日に日本でレビュー済み
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著者の幅広い知識に基づいて、以後の芸術作品や文学作品に言及するなど、読みやすく面白い旧約聖書のエッセイ集である。
ただし、登場してくる女性に関しては、彼女らのキャラクターや考えに触れず、美しいのか、性的な描写があるか、の2点に著者の感心が集中している。旧約聖書の時代は男性優位だったからこう書かざるを得ない、と何度も弁解されているが、それを言い訳に、著者のミソジニーもにじみ出ている表現が多く見られた。
著者の年齢や時代を考慮して読まないと、オジサンのセクハラまがいな長話を聞かされているような気分になる。笑って流せるひとには薦める。
ただし、登場してくる女性に関しては、彼女らのキャラクターや考えに触れず、美しいのか、性的な描写があるか、の2点に著者の感心が集中している。旧約聖書の時代は男性優位だったからこう書かざるを得ない、と何度も弁解されているが、それを言い訳に、著者のミソジニーもにじみ出ている表現が多く見られた。
著者の年齢や時代を考慮して読まないと、オジサンのセクハラまがいな長話を聞かされているような気分になる。笑って流せるひとには薦める。
2017年1月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
恥ずかしながら、初、阿刀田高作品でした。
私は40歳少し手前の年齢ですが、これまで文学やミステリーやビジネス本を読むことはあっても、聖書などのような、いわゆる古典作品を読む機会がありませんでした。
いえ、なかったというよりは、難しそうだから避けていました。
ですが、遅ればせながら、この年齢になり、教養を身につけなければな…との思いで、わかりやすい物はないか?と探していた中で、この作品に出会いました。
読了後…なんと面白いんだ!と感服しましました。
この作品だけでは旧約聖書の全容はわからないでしょう。ですが、タイトルが示す通り、その導き手となるような本でした。
全般に渡り、阿刀田高さんのユーモアが交じり、笑みを浮かべながら学ぶことができました。
これから阿刀田高さんのこのシリーズを全て読み、教養を身につけ、いつかはより深い古典の探求したいと思います。
本当に素晴らしい出会いでした。
ありがとう!
私は40歳少し手前の年齢ですが、これまで文学やミステリーやビジネス本を読むことはあっても、聖書などのような、いわゆる古典作品を読む機会がありませんでした。
いえ、なかったというよりは、難しそうだから避けていました。
ですが、遅ればせながら、この年齢になり、教養を身につけなければな…との思いで、わかりやすい物はないか?と探していた中で、この作品に出会いました。
読了後…なんと面白いんだ!と感服しましました。
この作品だけでは旧約聖書の全容はわからないでしょう。ですが、タイトルが示す通り、その導き手となるような本でした。
全般に渡り、阿刀田高さんのユーモアが交じり、笑みを浮かべながら学ぶことができました。
これから阿刀田高さんのこのシリーズを全て読み、教養を身につけ、いつかはより深い古典の探求したいと思います。
本当に素晴らしい出会いでした。
ありがとう!
2017年7月29日に日本でレビュー済み
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旧約聖書、なぜか一度読んでみようと読み始めたけれど、カタカナの名前ばかりだし場所もわからないし時空間も飛びまくるし、即挫折となった。
阿刀田さんは、ユーモアを交えながらも「旧約聖書の全体像」「相対的な立ち位置」「初心者のつまづくところ」をつかませてくれるので、こんな私でも全体がよくわりました。
あと、自力で旧約聖書読もうとしてたことがいかに無謀だったかもわかりました。。
新約聖書版も読みたい!
阿刀田さんは、ユーモアを交えながらも「旧約聖書の全体像」「相対的な立ち位置」「初心者のつまづくところ」をつかませてくれるので、こんな私でも全体がよくわりました。
あと、自力で旧約聖書読もうとしてたことがいかに無謀だったかもわかりました。。
新約聖書版も読みたい!
ベスト1000レビュアー
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一般的な日本人では、クリスチャンでもない限り聖書を読むことはまずなかろう。読んでも、新約聖書、いわゆるイエスの死後その使徒たちが記したとされる聖書であり、その前に書かれた旧約聖書に触れることはほとんどないと言ってよかろう。ダビデ、ソロモン、サムソンといった旧約聖書に出てくる名前に触れることはままあるが、その人物の歴史上の意味合いやその歴史的背景となるとからきし駄目である。作者は、アブラハム以降のイスラエルの民たちと、絶対神であるイスラエルの神との信仰と歴史を非常に分かりやすく紐といてくれる。わがままで融通の効かない神(神様だから当然である)は当然絶対的な信仰を民に求める。ところが人間は弱くて、当然の如くこれもまたわがままである。仏教に慣れ親しんでいる日本人には考えられないほど、絶対的で残酷なイスラエルの神は、いろいろと民を鍛えてくれる。そういった歴史を本当に興味深く作者は描いてくれる。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教がその源を一つにしていることも良く分かるし、ゆえに現在の中東でのイスラエル対アラブ諸国の対立、ひいてはテロリスト対訪米諸国の対決も理解しやすくなるということになる。作者が文中で触れているように、このような旧約聖書はかなり難解で、解釈もいろいろと出来るような内容らしい。それをここまで分かりやすく文庫1冊にまとめた作者の技量も高く評価したい。
2014年2月20日に日本でレビュー済み
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旧約聖書のダイジェスト本。
単に内容を羅列・要約するのではなく、随所に作者の解釈が挿入されているので、
話の展開に良い意味での流れと波があって読んでいて楽しい。
その昔、旧約聖書の原典(要するに旧約聖書だが)を読んだことがあるのだが、
とにかく意味がわからんわ矛盾と思しき記述は散見されるわでおよそ理解を越えていて挫折した。
その点、この本は「信仰を持たない」を自称する作者によって手がけられたこともあり、
旧約聖書に描かれている世界の背景を知らずとも楽しく読めるように工夫がされていてGood。
一読して思うのは、文献の読解において「論理」というのは読み方の一部に過ぎないということ。
旧約聖書に「つじつまが合わない箇所が多い」という突っ込みはもちろん可能だと思うのだが、そんなことは問題ではないのだ。
むしろ抽象的で意味不明な箇所があるからこそ様々な人が解釈する余地が生まれるとともに、多くの人にとっての座右の書となりえたのであろうと。
しんどさが人それぞれなら、それぞれに都合の良い考え方を受け入れてくれる土壌って必要だと思うわけです。
あくまでダイジェスト本なので、これをのみ頼りにして該当宗教圏の人々とやりあうのは無理がありそうだが、
それにしても基礎的な知識を身につける分には申し分のない好著。
異文化理解と視野の拡大に是非。
単に内容を羅列・要約するのではなく、随所に作者の解釈が挿入されているので、
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とにかく意味がわからんわ矛盾と思しき記述は散見されるわでおよそ理解を越えていて挫折した。
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一読して思うのは、文献の読解において「論理」というのは読み方の一部に過ぎないということ。
旧約聖書に「つじつまが合わない箇所が多い」という突っ込みはもちろん可能だと思うのだが、そんなことは問題ではないのだ。
むしろ抽象的で意味不明な箇所があるからこそ様々な人が解釈する余地が生まれるとともに、多くの人にとっての座右の書となりえたのであろうと。
しんどさが人それぞれなら、それぞれに都合の良い考え方を受け入れてくれる土壌って必要だと思うわけです。
あくまでダイジェスト本なので、これをのみ頼りにして該当宗教圏の人々とやりあうのは無理がありそうだが、
それにしても基礎的な知識を身につける分には申し分のない好著。
異文化理解と視野の拡大に是非。





