題名の通り。「日本思想史の名著30」の解説・レビューである。一作品あたりの分量は8~11ページ。構成はⅠ古代中世7作品、Ⅱ江戸時代9作品、Ⅲ幕末・明治6作品、Ⅳ明治末・大正・戦前5作品+戦後3作品である。
私的感想
○Ⅰの古代中世は作者自身が手薄と認めているが、密教・浄土宗、禅宗関連がごっそり抜けて、説話集「日本霊異記」が入っている以外は、一般的な作品選択と思う。「愚管抄」「立正安国論」「神皇正統記」のちょっと斜めの視点からの新鮮な著述が楽しい。
○Ⅱの江戸時代は代表思想家がおおむね網羅されている。テーマは山崎闇斉・・女性向け設定の朱子学書。新井白石・・異文化理解の態度。伊藤仁斎・・反知性主義? 卑近の重視。荻生徂徠・・制度と秩序のユートピア。山本常朝(葉隠)・・日常の仕事に命をかけることなどなど・・・・すっきりしすぎている感もあるが、江戸思想書の解説としてはたいへんわかりやすい
○Ⅲの幕末明治は政治体制、対外関係論の本が並ぶ。徳富蘇峰は初期のデモクラシー色の強い本が選ばれている。最後の「教育勅語」は「普遍主義」「君主権力の制限」につながる要素が評価されている。
○Ⅳのうちの「明治・大正・戦前」で、平塚らいてうが選ばれており、30作品のうちの唯一の女性となっている。和辻哲郎は「倫理学」という大部すぎる作品が選ばれている。九鬼周造もちょっと難しい「人間と実存」のほうが選ばれている。
○Ⅳの戦後は、日本国憲法、丸山眞男、相良亨である。
私的結論
Ⅲの22冊目までは、思想家、作品選択も妥当で、面白く読めた。読みやすい。値段分の価値は充分ある。
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