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日本国紀 単行本 – 2018/11/12
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私たちは何者なのか――。
神話とともに誕生し、万世一系の天皇を中心に、
独自の発展を遂げてきた、私たちの国・日本。
本書は、2000年以上にわたる国民の歴史と
激動にみちた国家の変遷を「一本の線」でつないだ、
壮大なる叙事詩である!
当代一のストーリーテラーが、
平成最後の年に送り出す、日本通史の決定版!
神話とともに誕生し、万世一系の天皇を中心に、
独自の発展を遂げてきた、私たちの国・日本。
本書は、2000年以上にわたる国民の歴史と
激動にみちた国家の変遷を「一本の線」でつないだ、
壮大なる叙事詩である!
当代一のストーリーテラーが、
平成最後の年に送り出す、日本通史の決定版!
- 本の長さ509ページ
- 言語日本語
- 出版社幻冬舎
- 発売日2018/11/12
- 寸法13.21 x 3.56 x 19.05 cm
- ISBN-10434403385X
- ISBN-13978-4344033856
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ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
私たちは何者なのか―。神話とともに誕生し、万世一系の天皇を中心に、独自の発展を遂げてきた、私たちの国・日本。本書は、2000年以上にわたる国民の歴史と激動にみちた国家の変遷を「一本の線」でつないだ、壮大なる叙事詩である!当代一のストーリーテラーが、平成最後の年に送り出す、日本通史の決定版!
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登録情報
- 出版社 : 幻冬舎 (2018/11/12)
- 発売日 : 2018/11/12
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 509ページ
- ISBN-10 : 434403385X
- ISBN-13 : 978-4344033856
- 寸法 : 13.21 x 3.56 x 19.05 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 5,398位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 57位外交・国際関係 (本)
- - 71位日本史一般の本
- - 1,905位人文・思想 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1956年、大阪生まれ。同志社大学中退。放送作家として人気番組「探偵!ナイトスクープ」など多数を構成。2006年、特攻隊の零戦乗りを描いた『永遠 の0(ゼロ)』で作家デビュー。高校ボクシングの世界を舞台にした青春小説『ボックス!』が圧倒的な支持を集め、2010年、映画公開(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『影法師』(ISBN-10:4062162245)が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.4
星5つ中の4.4
3,060 件のグローバル評価
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。

本書は「紀」という文字が使われているとおり、物事の筋道、考え方を記した著作と言えます。つまり日本国とはどのような國であるか、歴史を通して日本人のこころのありようを考える書と言えましょう。発売前から数週間にわたって本書がベストセラーになった「日本国紀現象」という拍手喝采の嵐は、長らく何かに辟易とさせられてきた多くの国民の気持ちがここに結集した顕れでしょう。 文科省が設定した土俵の中で教科書の一字一句を巡る攻防を延々と続けてみても、その結果出てきたものにはあまり本質的なものが感じられませんでした。しがらみだらけの「学会」という世界の住人である大学教授には到底できない離れ業を百田さんは短期間で見事にこなしてくれました。 体裁としては歴史書になっていますが、歴史の本質を記述する書物である点でいわゆる学術書とは異なります。取り上げているトピックそれぞれがストーリーとして書かれていますので、学者先生方が捏ね繰り回したものと違って非常に読みやすい文体です。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2022年6月25日に日本でレビュー済み
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私は70歳過ぎの前期高齢者で、今まで学校・マスメディアで聞いてきたことと事柄の意味づけが違っている。起こった事件は同じだけれど、歴史における意味合いの解釈が異なっている。どうしてこんな認識の違いが出てくるのだろう。自分は、いわゆる段階の世代の戦後教育を受けたからか、常に批判的で、自分で考えようとする癖がある。歴史は政治的に使われているらしい。もっと、資料にもとづいて精査し、公共の意見でも懐疑的に考えるべきだと、考えさせられました。
2022年1月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
表題通り、日本史全体に興味を持って貰うのに適している。いわばカードゲームで言うところの「スターターデッキ」であり、更に深く掘り下げたい人は、相応の専門書に進むべき。その段階で、本書との齟齬、食い違いは当然出てくるだろうが、それで良いのである。
読んで素直に面白いと思ったし、進歩的文化人の自虐史観に対するカウンターパンチ、解毒剤としての効果は十分高い。
批判論者は本書を日本版「シオンのプロトコール」だとでも言いたいのだろうか?大河ドラマが歴史の事実を漏れなくなぞっていると思っているのだろうか?
読んで素直に面白いと思ったし、進歩的文化人の自虐史観に対するカウンターパンチ、解毒剤としての効果は十分高い。
批判論者は本書を日本版「シオンのプロトコール」だとでも言いたいのだろうか?大河ドラマが歴史の事実を漏れなくなぞっていると思っているのだろうか?
ベスト500レビュアー
Amazonで購入
私は百田氏のことを、頑迷な極右だと思っていたのですが、本書を読んで認識が少し変わりました。
以下、本書について「面白いし、良い指摘だな。批判してる人は些末な問題を小姑みたいにあげつらってるだけだな」と思ったところや、逆に「ちょっとそれは本質的に間違ってるんじゃないか」と思ったところなどを、書いていこうと思います。
◇良いところだな、おもしろいな、と思ったところ
まず、第一次大戦のあたりまでは、そんなに批判されるべき内容ではないと思いました。
事実と著者の感想や推測をしっかり分けて書いてますし、内容自体も細かい誤りはあるものの、まともなところも多いです。
ほかの人の批判を読むと、「この本は百田流の歴史観にすぎない。事実だけを書け。著者の推測や感想などは要らない」と思っている人が多いようです。
が、本書はあくまで、日本の歴史を百田氏の視点からどう見るか?という本です。著者の推測や感想が入った本なので、歴史評論というカテゴリになるでしょう。
そして、そのこと自体は別に悪いことではないんじゃないですかね。
百田氏の感想や推測などを読みたくなくて、事実だけ知りたい人は、教科書を読んでいればいいわけです。
本書を批判している人のうち、結構な割合の人は、このことを認識していないように思いました。
歴史ジャンルは神学論争になりやすいので、仕方ないのかもしれませんが。
文章が読みやすく、わかりやすいのも良いですね。
本書への批判には、「こんなものはライトノベルだ」みたいなものもあるようですが、読みやすさを配慮しているともいえるわけで、むしろ誉め言葉でしょう。
また、本書は「もし〇〇が起きていたら、こうなっていただろうなぁ」という、if的な表現がよくあります。
これを批判する人も見かけましたが、これ自体は百田氏自身も「私の想像である」と明記したうえで書いているところが大半です。
ifを考える面白さは読みやすさや面白さにもつながりますし、これ自体はそんなに批判されるようなことじゃないだろうと思いました。
たとえば、百田氏の「もし満州の権益の分け前をアメリカに渡していたら、どうなっていただろう?」という問いは面白いですね。
私自身も、百田氏の言う通り、日米が対立することも、日英同盟が破棄されることもなかった可能性が高いと思います。
ただ、もしかしたら間違っているかもしれませんが。
肝心なのは、ifを考えることで、頭を使うということなのです。歴史を生かして頭を使うことにもなりますし。
過去から学び、それを未来に生かしていくために歴史を使うのだとしたら、こういうifを考えて頭をひねること自体がとても良い訓練になります。
これって良いことだし、面白いし、めっちゃいいじゃんって思うんですがどうでしょうか。私は好きですね。
戦前の日本軍について、かなり強く批判しているのも意外でしたし、良いと思いました。
たとえば、
・統帥権干犯問題をあおった鳩山一郎や犬養毅などの政治家や、515・226事件などの軍部の暴走を、強く非難している
・近衛文麿の日独伊三国軍事同盟を「極めて愚かな決定」と断じている
・227ページで日本の言霊主義を強く批判し、最悪の事態が起きることを想定しない傾向があると批判している
・陸軍と海軍が、「第二次大戦は総力戦だ」ということを理解していない。日露戦争の記憶にとらわれており、局地的な勝利でよいと認識している。これに対し本気で腹をたてている。
・日本軍が国益を顧みず、組織の論理を振りかざし、合理的な戦争をやらなかったことを強く批判している
・失敗の責任をとらない日本軍上層部の体質を嫌悪している
などは、まさにその通りだと膝を打ちました。
これらの点は、党派を問わず、おおよそすべての読者が賛成するでしょう。
百田氏が織田信長や田沼意次の合理性や先見性を高く評価してるところなども、面白いなぁと思いました。
私は百田氏のことを、単なる頑迷な極右だと誤解していたのですが、今は「百田氏は教条主義的なカルト右翼というより、近代合理主義や経済、テクノロジーを重視する、合理的なリアリストとしての側面を持った人物なのだろう」と、認識を改めました。
◇ちょっとそれは違うんじゃないかな、と思ったところ
第一次世界大戦を過ぎたあたりから、本書は「ちょっとどうなんだろう」と思うところが増えてきました。
たとえば356ページあたりで、蒋介石が日本をいじめ始めた、中国人が排日行為やテロをやり始めた、みたいな趣旨の記述があります。
これ、私はけっこう一方的な見方だと思うんですよ。
百田氏も指摘する通り、事実として、20世紀初頭のあたりでは、日本のみならず列強が中国を切り取っていました。
第一次世界大戦のあたりから、各国で民族自決の機運が高まりました。
中国でも五四運動が始まり、「中国を切り取っている列強を排除しよう」というムーブメントが起きます。
その流れで、日本も攻撃されたと。
日本に対する中国人の攻撃も、排日とかいじめとかそういうものではなく、自国を支配する列強たちへの抵抗運動という大きな流れ、文脈の中で起きたと捉えたほうが良いと思うんですよね(なお「それらの攻撃に対し、日本も他の列強国のように鎮圧すべきだったか否か」という論点は、当時の文脈とか常識とかもあるので、とりあえず置いておきます。個人的にはやったほうがよかった気もするのですが、所詮それは後付けの理屈ですし。)
たとえば、仮に今、中国とロシアが日本に対し戦争を仕掛けてきたとします。その結果、自衛隊は壊滅し、日本は中国とロシアによって共同統治されてしまったと仮定しましょう。
そして、中国とロシアは割と寛大で、日本に投資し、日本の経済を大発展させてくれたとします。
とはいえ、政治的な実権は日本人には存在せず、中国人とロシア人が全て決めてます。中国人とロシア人は、日本人を見下したり横暴なこともします。
が、それでも経済的には良いことをしてくれたと仮定します。
そのとき、その状態が続くことを望む日本人って、あまりいないんじゃないですかね。
「なんか嫌だな」みたいな気持ちになるんじゃないでしょうか。中国人やロシア人のことを恨んだり、もしかしたらテロくらいやる日本人が出てきてもおかしくないかもしれない。
民族自決って、金の問題だけではないんですよね。
あと、百田氏は391ページで「日本はアジアの人々と戦争はしていない」と書いていますが、中国人と戦争をしています。
425ページでは「大東亜戦争は侵略戦争ではなかった。日本には中国を占領する意思はなかった」と書いています。
「日本が戦闘を行ったのは、自国民への暴挙への対処にすぎない」「中華民国を侵略する意図はなかった」ということなのでしょう。
ですが、仮に百歩譲って「意思としては侵略するつもりはなかった」としても、やった行為が中国に軍をすすめ領土を占領し人々をぶっ殺しまくった以上、侵略そのものだと判断していいんじゃないですかね。
「これが侵略じゃないとなると、いったい何が侵略なんですか?」と聞きたくなります。
たとえば、仮に習近平率いる今の中国政府が「意図としては侵略するつもりはなかった」とか言いながら沖縄や九州あたりに人民解放軍を進めてきたり、そのあたりに住んでる日本人に機銃掃射とかして殺しまくったりしたら、もうそれは中国による日本の侵略なんじゃないでしょうか。
百田氏にはこのあたりを伺ってみたいです。
それと、東南アジアでも、たしかに当初は現地から歓迎されたものの、次第に反日運動が激化していったわけです。
一部の地域を除き、日本軍の占領政策がいい加減すぎたので、現地の人から「欧米からの解放とかお題目言ってるけど、お前らがやってることも侵略じゃねえか」と反感かったわけですね。
参考までに、いまでは親日国となっているマレーシア、シンガポール、インドネシア、ベトナムなどの東南アジアの国ですら、歴史博物館に行くと、日本の占領期のエグさを展示してあります。
もちろん一部の人は、日本軍が東南アジアに来てくれたことを歓迎したでしょう。「独立に貢献してくれた」とリップサービスもしたかもしれませんし、日本軍の貢献はある程度あるのは事実です。
しかし同時にかなりきついこともやったと。
東南アジアでいまは親日国である国の政府が公式に作った歴史博物館で、日本占領時代をどう表現しているかということは、その国が当時の日本軍のことをどう認識しているかという、おおよその指標になるんじゃないですかね。一部の人だけじゃなくて。
東南アジアで日本軍がやった行為は、もちろん間接的に独立に貢献するなどの功はあったものの、それのみならず、かなりまずいこともやってしまったということです。
少なくとも百田氏が言うような、そんなに手放しで称賛される話ではないのは確かです。
上記のような点が、百田氏と私とで考えが違うところです。
(なお、以下は枝葉末節な指摘ですが、気になったので、いちおう書いておきます。おそらく百田氏の単なる認識ミスだと思います。)
・十七条憲法のところで、「何事も話し合いで決めよう」というのを「民主主義」だと言い換えているのは少し違うのでは?と思いました。
そもそも十七条憲法は、いわゆる国家の権力を制限するという目的で作られた近代憲法とは根本的に違うものです。
同じ憲法という名前を用いているので、とても紛らわしいのはたしかではあるものの、両者を直接比較しているように読める部分があるのは、少し微妙だなと思いました。
・64ページで「民衆の大虐殺はまったくない」と書いていますが、これはちょっと違うと思いました。
言葉の定義をどうするかは微妙なのかもしれませんが、権力者が民衆を殺害する行為は、特に鎌倉時代以降はよくあったことです。
百田氏自身、141ページで信長が仏教勢力の大虐殺をしたと書いています。
とはいえ、たいていの国の歴史には起きたことですし、仕方のないことだとも思います(もちろん悲しいことですが)
以上、長々と書いてきました。
本書は良い点と悪い点の両方があると思います。
ただ、私は本書に☆3をつけます。
(一時期はもう少し☆を少なくつけていましたが、考え直しました。)
この理由は、現代の日本が最も重視するべきなのは安全保障であり、本書の内容で多少微妙なところがあったとしても、本書の提示するような行動をとることは日本の長期的な生存において重要であること、本書が売れてそのような考えが広まることこそいまの日本にとっては望ましい、と判断したからです。
詳しい理由は『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』のレビューに書きましたので、そちらをご覧ください。
以下、本書について「面白いし、良い指摘だな。批判してる人は些末な問題を小姑みたいにあげつらってるだけだな」と思ったところや、逆に「ちょっとそれは本質的に間違ってるんじゃないか」と思ったところなどを、書いていこうと思います。
◇良いところだな、おもしろいな、と思ったところ
まず、第一次大戦のあたりまでは、そんなに批判されるべき内容ではないと思いました。
事実と著者の感想や推測をしっかり分けて書いてますし、内容自体も細かい誤りはあるものの、まともなところも多いです。
ほかの人の批判を読むと、「この本は百田流の歴史観にすぎない。事実だけを書け。著者の推測や感想などは要らない」と思っている人が多いようです。
が、本書はあくまで、日本の歴史を百田氏の視点からどう見るか?という本です。著者の推測や感想が入った本なので、歴史評論というカテゴリになるでしょう。
そして、そのこと自体は別に悪いことではないんじゃないですかね。
百田氏の感想や推測などを読みたくなくて、事実だけ知りたい人は、教科書を読んでいればいいわけです。
本書を批判している人のうち、結構な割合の人は、このことを認識していないように思いました。
歴史ジャンルは神学論争になりやすいので、仕方ないのかもしれませんが。
文章が読みやすく、わかりやすいのも良いですね。
本書への批判には、「こんなものはライトノベルだ」みたいなものもあるようですが、読みやすさを配慮しているともいえるわけで、むしろ誉め言葉でしょう。
また、本書は「もし〇〇が起きていたら、こうなっていただろうなぁ」という、if的な表現がよくあります。
これを批判する人も見かけましたが、これ自体は百田氏自身も「私の想像である」と明記したうえで書いているところが大半です。
ifを考える面白さは読みやすさや面白さにもつながりますし、これ自体はそんなに批判されるようなことじゃないだろうと思いました。
たとえば、百田氏の「もし満州の権益の分け前をアメリカに渡していたら、どうなっていただろう?」という問いは面白いですね。
私自身も、百田氏の言う通り、日米が対立することも、日英同盟が破棄されることもなかった可能性が高いと思います。
ただ、もしかしたら間違っているかもしれませんが。
肝心なのは、ifを考えることで、頭を使うということなのです。歴史を生かして頭を使うことにもなりますし。
過去から学び、それを未来に生かしていくために歴史を使うのだとしたら、こういうifを考えて頭をひねること自体がとても良い訓練になります。
これって良いことだし、面白いし、めっちゃいいじゃんって思うんですがどうでしょうか。私は好きですね。
戦前の日本軍について、かなり強く批判しているのも意外でしたし、良いと思いました。
たとえば、
・統帥権干犯問題をあおった鳩山一郎や犬養毅などの政治家や、515・226事件などの軍部の暴走を、強く非難している
・近衛文麿の日独伊三国軍事同盟を「極めて愚かな決定」と断じている
・227ページで日本の言霊主義を強く批判し、最悪の事態が起きることを想定しない傾向があると批判している
・陸軍と海軍が、「第二次大戦は総力戦だ」ということを理解していない。日露戦争の記憶にとらわれており、局地的な勝利でよいと認識している。これに対し本気で腹をたてている。
・日本軍が国益を顧みず、組織の論理を振りかざし、合理的な戦争をやらなかったことを強く批判している
・失敗の責任をとらない日本軍上層部の体質を嫌悪している
などは、まさにその通りだと膝を打ちました。
これらの点は、党派を問わず、おおよそすべての読者が賛成するでしょう。
百田氏が織田信長や田沼意次の合理性や先見性を高く評価してるところなども、面白いなぁと思いました。
私は百田氏のことを、単なる頑迷な極右だと誤解していたのですが、今は「百田氏は教条主義的なカルト右翼というより、近代合理主義や経済、テクノロジーを重視する、合理的なリアリストとしての側面を持った人物なのだろう」と、認識を改めました。
◇ちょっとそれは違うんじゃないかな、と思ったところ
第一次世界大戦を過ぎたあたりから、本書は「ちょっとどうなんだろう」と思うところが増えてきました。
たとえば356ページあたりで、蒋介石が日本をいじめ始めた、中国人が排日行為やテロをやり始めた、みたいな趣旨の記述があります。
これ、私はけっこう一方的な見方だと思うんですよ。
百田氏も指摘する通り、事実として、20世紀初頭のあたりでは、日本のみならず列強が中国を切り取っていました。
第一次世界大戦のあたりから、各国で民族自決の機運が高まりました。
中国でも五四運動が始まり、「中国を切り取っている列強を排除しよう」というムーブメントが起きます。
その流れで、日本も攻撃されたと。
日本に対する中国人の攻撃も、排日とかいじめとかそういうものではなく、自国を支配する列強たちへの抵抗運動という大きな流れ、文脈の中で起きたと捉えたほうが良いと思うんですよね(なお「それらの攻撃に対し、日本も他の列強国のように鎮圧すべきだったか否か」という論点は、当時の文脈とか常識とかもあるので、とりあえず置いておきます。個人的にはやったほうがよかった気もするのですが、所詮それは後付けの理屈ですし。)
たとえば、仮に今、中国とロシアが日本に対し戦争を仕掛けてきたとします。その結果、自衛隊は壊滅し、日本は中国とロシアによって共同統治されてしまったと仮定しましょう。
そして、中国とロシアは割と寛大で、日本に投資し、日本の経済を大発展させてくれたとします。
とはいえ、政治的な実権は日本人には存在せず、中国人とロシア人が全て決めてます。中国人とロシア人は、日本人を見下したり横暴なこともします。
が、それでも経済的には良いことをしてくれたと仮定します。
そのとき、その状態が続くことを望む日本人って、あまりいないんじゃないですかね。
「なんか嫌だな」みたいな気持ちになるんじゃないでしょうか。中国人やロシア人のことを恨んだり、もしかしたらテロくらいやる日本人が出てきてもおかしくないかもしれない。
民族自決って、金の問題だけではないんですよね。
あと、百田氏は391ページで「日本はアジアの人々と戦争はしていない」と書いていますが、中国人と戦争をしています。
425ページでは「大東亜戦争は侵略戦争ではなかった。日本には中国を占領する意思はなかった」と書いています。
「日本が戦闘を行ったのは、自国民への暴挙への対処にすぎない」「中華民国を侵略する意図はなかった」ということなのでしょう。
ですが、仮に百歩譲って「意思としては侵略するつもりはなかった」としても、やった行為が中国に軍をすすめ領土を占領し人々をぶっ殺しまくった以上、侵略そのものだと判断していいんじゃないですかね。
「これが侵略じゃないとなると、いったい何が侵略なんですか?」と聞きたくなります。
たとえば、仮に習近平率いる今の中国政府が「意図としては侵略するつもりはなかった」とか言いながら沖縄や九州あたりに人民解放軍を進めてきたり、そのあたりに住んでる日本人に機銃掃射とかして殺しまくったりしたら、もうそれは中国による日本の侵略なんじゃないでしょうか。
百田氏にはこのあたりを伺ってみたいです。
それと、東南アジアでも、たしかに当初は現地から歓迎されたものの、次第に反日運動が激化していったわけです。
一部の地域を除き、日本軍の占領政策がいい加減すぎたので、現地の人から「欧米からの解放とかお題目言ってるけど、お前らがやってることも侵略じゃねえか」と反感かったわけですね。
参考までに、いまでは親日国となっているマレーシア、シンガポール、インドネシア、ベトナムなどの東南アジアの国ですら、歴史博物館に行くと、日本の占領期のエグさを展示してあります。
もちろん一部の人は、日本軍が東南アジアに来てくれたことを歓迎したでしょう。「独立に貢献してくれた」とリップサービスもしたかもしれませんし、日本軍の貢献はある程度あるのは事実です。
しかし同時にかなりきついこともやったと。
東南アジアでいまは親日国である国の政府が公式に作った歴史博物館で、日本占領時代をどう表現しているかということは、その国が当時の日本軍のことをどう認識しているかという、おおよその指標になるんじゃないですかね。一部の人だけじゃなくて。
東南アジアで日本軍がやった行為は、もちろん間接的に独立に貢献するなどの功はあったものの、それのみならず、かなりまずいこともやってしまったということです。
少なくとも百田氏が言うような、そんなに手放しで称賛される話ではないのは確かです。
上記のような点が、百田氏と私とで考えが違うところです。
(なお、以下は枝葉末節な指摘ですが、気になったので、いちおう書いておきます。おそらく百田氏の単なる認識ミスだと思います。)
・十七条憲法のところで、「何事も話し合いで決めよう」というのを「民主主義」だと言い換えているのは少し違うのでは?と思いました。
そもそも十七条憲法は、いわゆる国家の権力を制限するという目的で作られた近代憲法とは根本的に違うものです。
同じ憲法という名前を用いているので、とても紛らわしいのはたしかではあるものの、両者を直接比較しているように読める部分があるのは、少し微妙だなと思いました。
・64ページで「民衆の大虐殺はまったくない」と書いていますが、これはちょっと違うと思いました。
言葉の定義をどうするかは微妙なのかもしれませんが、権力者が民衆を殺害する行為は、特に鎌倉時代以降はよくあったことです。
百田氏自身、141ページで信長が仏教勢力の大虐殺をしたと書いています。
とはいえ、たいていの国の歴史には起きたことですし、仕方のないことだとも思います(もちろん悲しいことですが)
以上、長々と書いてきました。
本書は良い点と悪い点の両方があると思います。
ただ、私は本書に☆3をつけます。
(一時期はもう少し☆を少なくつけていましたが、考え直しました。)
この理由は、現代の日本が最も重視するべきなのは安全保障であり、本書の内容で多少微妙なところがあったとしても、本書の提示するような行動をとることは日本の長期的な生存において重要であること、本書が売れてそのような考えが広まることこそいまの日本にとっては望ましい、と判断したからです。
詳しい理由は『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』のレビューに書きましたので、そちらをご覧ください。
殿堂入りNo1レビュアーベスト50レビュアーVINEメンバー
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昨日のレビューが何故か消されてしまい悲しいです。
何か問題でもあったのでしょうか?
日本は悪い国だと教育を受け、大東亜戦争がどんな戦争だったかを習うことも無い戦後生まれには
この本が本当の「歴史教科書」だと思います。
古代から大和政権、朝鮮半島との関係、興味を持って色々な本を読んだ戦国時代、時代劇でお馴染みの江戸時代から
明治維新から大正、昭和初期まではそんなに変わっていないと思います(昔のことですから記憶が!?)
大東亜戦争から敗戦、連合国軍による統治、日本の復興から沖縄復帰など、教科書では習わない事実が
書かれていて、日本を守るために戦った英霊、そして戦前から戦後を生き抜き、日本が先進国になるまで
死に物狂いで働いてこられた方々にあらためて感謝しています。
この素晴らしい日本を咎める人達がまだ多くいることが悲しいですが、少しずつ変わってきたように思います。
明るい未来を信じてこの本を読みました。
何か問題でもあったのでしょうか?
日本は悪い国だと教育を受け、大東亜戦争がどんな戦争だったかを習うことも無い戦後生まれには
この本が本当の「歴史教科書」だと思います。
古代から大和政権、朝鮮半島との関係、興味を持って色々な本を読んだ戦国時代、時代劇でお馴染みの江戸時代から
明治維新から大正、昭和初期まではそんなに変わっていないと思います(昔のことですから記憶が!?)
大東亜戦争から敗戦、連合国軍による統治、日本の復興から沖縄復帰など、教科書では習わない事実が
書かれていて、日本を守るために戦った英霊、そして戦前から戦後を生き抜き、日本が先進国になるまで
死に物狂いで働いてこられた方々にあらためて感謝しています。
この素晴らしい日本を咎める人達がまだ多くいることが悲しいですが、少しずつ変わってきたように思います。
明るい未来を信じてこの本を読みました。