「森林」の危機は、誰もが知っていることかもしれない。
しかし、どういう危機が起きているのか、明確に認識されていることは稀である。森林には、消失と劣化、という危機があり、地球上では消失の危機、国内では劣化の危機が起きている。
著者は、国内に焦点をあて、歴史的背景を説いた上で、日本の森育成は世界で最も成功した例であるとし、現在の危機は木材を売って製品を作るノウハウ不足、間伐・下刈りなど手間暇のかかる農業発想の育林による高コスト等、「林業」の衰退が大きな要因であると論じている。
又、近年盛んに行われる森林ボランティアは、役立つどころか、林業従事者にとってははた迷惑なものになっているという。実は、殆んど役立っていないらしいのだ。都市生活者は伐採や下刈りなどではなく、森林保護に貢献できることは他にあるはずだ、と著者は考えている。
後半では、著者の様々な森林経営の為のアイデアが列挙され、非常に参考になる。
「森林」の危機を闇雲に訴えるものではなく、森林と人とのかかわりをトータルに捉えている視点が非常に良いと思う。
森林危機に心を痛めている方や森林ボランティア等に参加している方にはとても参考になると思います。
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