ネットでの話題からこの本にたどり着いた.
読んでみると,具体的かつ実証的に論証されていて興味深い.旧来からの常識を疑うことは難しい.おそらくいまだに本書の論考を疑う研究者も多いだろう.しかし,納得する人はもっと多いに違いない.私自身,今までの常識では,腑に落ちないところは多々あった.特に関東ローム層の層相と成因である.それが,この本で解消された.
ただ一つ,縄文人の野焼きの理由が,食用の植物,ゼンマイなどを取るためだったということには,その説得性には不十分さを感じる.直感的には,住居の周りを草原にして野獣から身を守るためという理由もあったのではないかと思う.もう一つは焼畑農業をしていたのではないかということだ.
しかしいずれにしても,町田洋さんの「火山灰は語る」,藤田和夫さんの「日本の山地形成論」などと並ぶ名著だと思う.
なお,まだ誤字脱字と思われる箇所がいくつかのある.気が付いたのは以下の箇所だ.
P80,L12 誤「基盤礎」→正「基盤礫」
P97,L9 誤?「表土中の」→正?「旧表土の」or「ローム層中の」
P102,L9 誤「259万年」→正「259万年前」 誤「1万年」→正「1万年前」
P191,L9 誤「粒微炭」→正「微粒炭」
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