まず脱線が多すぎる。読者に興味を持たせるためかもしれないが、そもそも関心のある人しか買わない本である。あまりに本題から逸れた話が連続で登場すると、結局何が言いたいのかわからなくなってしまう。
一部に独自のデータを引用してはいるが、肝心な部分に、根拠のないか検証不可能な主張が多く、意見を言っているだけという印象を拭えない。医学部の格差が教育格差ひいては地域格差を生じるという議論は明らかに言い過ぎである。いわゆる新設医大ができて30年以上経っている。著者の主張が正しければ、すでにそれ以前になかった地域格差が生じていてもいいはずと思うが、それに関する実証的記述は見当たらない。
医学部配置の地域差の原因は、戊辰の役にまで遡るという主張はその通りかもしれないが、その処方箋が医学部新設でいいのかという議論は全くない。コストは誰が負担する?東北地方ではすでに各医学部の定員の合計は医学部一つ分以上増えている。言い方は悪いが団塊の世代が死に絶えて医療需要が変わったらどうする?医学部新設というポジショントークしかできないと言われても仕方がないと思う。
著者は大学が大好きなようである。そもそも医師不足で問題提起しておいて、最後は大学教育(東大)が心配という展開は、「とりあえず言いたいことを言ってます」という印象で、「話者の誠実性」に大いに疑問を抱かせる。
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日本の医療格差は9倍 医師不足の真実 (光文社新書) 新書 – 2015/2/17
- Kindle版 (電子書籍)
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なぜ関東に医者は少ないのか?
なぜ医学部は西日本に多いのか?
なぜ金持ちの子どもしか医者になれないのか?
日本の医療は「なぜ?」「どうして?」ばっかりだ!
大学を見れば日本の「医療格差」が見えてくる。
医学部受験志望者も必読!
◎内容◎
●「日本の医療格差は9倍」の衝撃! ●
2013年(平成25年)1月、埼玉県在住の男性が、救急搬送の受け入れを合計36回も断られ、死亡するという事件があった。現在の日本において、医師の数は圧倒的な「西高東低」だ。
その原因を著者は、医学部が西日本に偏在していることだと喝破する。
人口約398万人の四国には4つの医学部があるが、人口約4260万人の関東には22の医学部しかない。人口当たりでいえば2倍近い差だ。
国立大学医学部に限れば、5つの医学部しかない関東と、すべて国立大学である四国との差は9倍近くになってしまう――。
日本の中に生まれたこの新しい「格差」は、戊辰戦争と明治政府、日本陸軍、そして田中角栄によって歴史的に作られてきた。
東京大学医科学研究所特任教授、報道ステーションなどテレビでコメンテーターとしても活躍する医師が、日本の医療と教育を斬る。
◎目次◎
はじめに――四国と関東の医療格差は9倍
第1章 野球と医師と西日本
第2章 日本「医学部」近現代史
第3章 大学を見れば「医師不足」がわかる
第4章 「医師不足」時代の医師たちへ
おわりに――大学の衰退は日本の没落である
◎著者プロフィール◎
上昌広(かみまさひろ)
東京大学医科学研究所特任教授(先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門)。医学博士。一九六八年兵庫県生まれ。一九九三年東京大学医学部医学科卒業。一九九九年東京大学大学院医学系研究科博士課程を修了し、虎の門病院血液科医員、二〇〇一年~〇五年国立がんセンター中央病院薬物療法部医員を務める。二〇〇五年より東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステムを主宰し、医療ガバナンス、メディカルネットワークを研究する。医療関係者など約5万人が購読するメールマガジン「MRIC」編集長。著書に、『医療詐欺』(講談社+α新書)、『復興は現場から動き出す』(東洋経済新報社)、『日本の医療 崩壊を招いた構造と再生への提言』(蕗書房)がある。
なぜ医学部は西日本に多いのか?
なぜ金持ちの子どもしか医者になれないのか?
日本の医療は「なぜ?」「どうして?」ばっかりだ!
大学を見れば日本の「医療格差」が見えてくる。
医学部受験志望者も必読!
◎内容◎
●「日本の医療格差は9倍」の衝撃! ●
2013年(平成25年)1月、埼玉県在住の男性が、救急搬送の受け入れを合計36回も断られ、死亡するという事件があった。現在の日本において、医師の数は圧倒的な「西高東低」だ。
その原因を著者は、医学部が西日本に偏在していることだと喝破する。
人口約398万人の四国には4つの医学部があるが、人口約4260万人の関東には22の医学部しかない。人口当たりでいえば2倍近い差だ。
国立大学医学部に限れば、5つの医学部しかない関東と、すべて国立大学である四国との差は9倍近くになってしまう――。
日本の中に生まれたこの新しい「格差」は、戊辰戦争と明治政府、日本陸軍、そして田中角栄によって歴史的に作られてきた。
東京大学医科学研究所特任教授、報道ステーションなどテレビでコメンテーターとしても活躍する医師が、日本の医療と教育を斬る。
◎目次◎
はじめに――四国と関東の医療格差は9倍
第1章 野球と医師と西日本
第2章 日本「医学部」近現代史
第3章 大学を見れば「医師不足」がわかる
第4章 「医師不足」時代の医師たちへ
おわりに――大学の衰退は日本の没落である
◎著者プロフィール◎
上昌広(かみまさひろ)
東京大学医科学研究所特任教授(先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門)。医学博士。一九六八年兵庫県生まれ。一九九三年東京大学医学部医学科卒業。一九九九年東京大学大学院医学系研究科博士課程を修了し、虎の門病院血液科医員、二〇〇一年~〇五年国立がんセンター中央病院薬物療法部医員を務める。二〇〇五年より東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステムを主宰し、医療ガバナンス、メディカルネットワークを研究する。医療関係者など約5万人が購読するメールマガジン「MRIC」編集長。著書に、『医療詐欺』(講談社+α新書)、『復興は現場から動き出す』(東洋経済新報社)、『日本の医療 崩壊を招いた構造と再生への提言』(蕗書房)がある。
- 本の長さ266ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2015/2/17
- ISBN-104334038425
- ISBN-13978-4334038427
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
医者の数は圧倒的な「西高東低」だ。日本の中に生まれた新しい「格差」は、戊辰戦争と明治政府、日本陸軍、そして田中角栄によって歴史的に作られてきた―。なぜ関東に医者は少ないのか?なぜ医学部は西日本に多いのか?なぜ金持ちの子どもしか医者になれないのか?素朴な疑問から、現代社会の「格差」を見出した東京大学医科学研究所特任教授が、日本医療と教育へ提言する。医学部受験生も必読!
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
上/昌広
東京大学医科学研究所特任教授。医学博士。1968年兵庫県生まれ。1993年東京大学医学部医学科卒業、1999年東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。虎の門病院血液科医員、国立がんセンター中央病院薬物療法部医員を経て、2005年より東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステムを主宰し、医療ガバナンス、メディカルネットワークを研究する。医療関係者など約5万人が講読するメールマガジン「MRIC」編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
東京大学医科学研究所特任教授。医学博士。1968年兵庫県生まれ。1993年東京大学医学部医学科卒業、1999年東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。虎の門病院血液科医員、国立がんセンター中央病院薬物療法部医員を経て、2005年より東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステムを主宰し、医療ガバナンス、メディカルネットワークを研究する。医療関係者など約5万人が講読するメールマガジン「MRIC」編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 光文社 (2015/2/17)
- 発売日 : 2015/2/17
- 言語 : 日本語
- 新書 : 266ページ
- ISBN-10 : 4334038425
- ISBN-13 : 978-4334038427
- Amazon 売れ筋ランキング: - 450,438位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- カスタマーレビュー:
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2015年5月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人口あたり医師数をマップにすると、関東東北が特に医師不足であり、中国四国九州はむしろ恵まれていることがわかる。直接的理由は、医学部の偏在によるものである。著者はこれを「戊辰戦争の後遺症」と考えている。
その真偽はともかく、よくわからないのは、進学時にも、卒業後も、医学部志願者あるいは医師が、ほとんど移動しないことである。関東地方の高校生は、圧倒的に関東地方の医学部を志向するため、激戦になり、むやみに難易度が高くなったり、学費が高い私大に進学せざるをえなくなる。また、医師数が相対的に多い地域は、賃金も低い。
医学部志願者が、東西に移動しない理由がわからない。学生は自宅通学に固執しているわけではなく、ただ、遠くに進学したくないだけらしいのである。
医療僻地に医師が移動しない理由もはっきりしない。賃金が低いといっても、贅沢を言わなければ暮らせるので、わざわざ賃金につられて移動する必要がないからなのかもしれない。
結局、「なぜ移動しないか」をきちんと調査しないと、医師の地域格差を是正することはできないと思う。著者は東北地方に医学部を増設する計画に参加しているので、「医師の移動度をあげる」対策は考えていないようである。
その真偽はともかく、よくわからないのは、進学時にも、卒業後も、医学部志願者あるいは医師が、ほとんど移動しないことである。関東地方の高校生は、圧倒的に関東地方の医学部を志向するため、激戦になり、むやみに難易度が高くなったり、学費が高い私大に進学せざるをえなくなる。また、医師数が相対的に多い地域は、賃金も低い。
医学部志願者が、東西に移動しない理由がわからない。学生は自宅通学に固執しているわけではなく、ただ、遠くに進学したくないだけらしいのである。
医療僻地に医師が移動しない理由もはっきりしない。賃金が低いといっても、贅沢を言わなければ暮らせるので、わざわざ賃金につられて移動する必要がないからなのかもしれない。
結局、「なぜ移動しないか」をきちんと調査しないと、医師の地域格差を是正することはできないと思う。著者は東北地方に医学部を増設する計画に参加しているので、「医師の移動度をあげる」対策は考えていないようである。
2016年3月23日に日本でレビュー済み
医療格差は9倍というのは、人口当たりの医師数の格差である。
著者はその理由を地域の国公立大学医学部の存在に求める。
ここまでは納得のいく話だ。
ところが、その医学部の格差が、明治維新で官軍になった藩と賊軍になった藩との格差であり、それがいまだに尾をひいているという話になる。
なるほど、そうかもしれない。しかし、それだけですべてを説明するのは承服できない。
もっといろいろ理由があるだろうに、ひたすら歴史の話ばかりを並べている。
そして、ほとんど関係ない高校野球の話と、著者の出身高校の話が挿入される。
おもわず「なんじゃこりゃ」と著者プロフィールを二度見してしまった。
医師には変わった人が多いというが本当かもしれない。
著者はその理由を地域の国公立大学医学部の存在に求める。
ここまでは納得のいく話だ。
ところが、その医学部の格差が、明治維新で官軍になった藩と賊軍になった藩との格差であり、それがいまだに尾をひいているという話になる。
なるほど、そうかもしれない。しかし、それだけですべてを説明するのは承服できない。
もっといろいろ理由があるだろうに、ひたすら歴史の話ばかりを並べている。
そして、ほとんど関係ない高校野球の話と、著者の出身高校の話が挿入される。
おもわず「なんじゃこりゃ」と著者プロフィールを二度見してしまった。
医師には変わった人が多いというが本当かもしれない。
2017年7月8日に日本でレビュー済み
40年の長きにわたる私にとっての疑問であり、原因もわからずに政府の施策に憤りを感じてきたが、、、、、
私は医療関係者になってから、かれこれ40年以上経過している。たしか高校卒業時には、静岡県は人口十万人あたりの医師数は鮮明に覚えているが、全国から最低の沖縄に次いで2番目であった。当時沖縄は返還前で沖縄は本土に留学生の枠で入学在籍していた。
当時静岡県は、気候も温暖で、経済力もあり豊な県でもあった。移住したい県名でも常に3-5番目をキープしていたはずである。他県で静岡県出身ですと言うとほぼ間違いなく、豊かで自然があり、温暖でうらやましいですと言われたものであった。因みに現在は県民所得は全国から上位3番目である(一位東京、二位愛知)。今でもあまり周りに失業している人に出会ったり、噂を聞くことは少ない。
なのになぜその当時からの課題として、医療関係者、特に医者の数が少ないのか疑問に思ってきた。温暖で豊かな県なのに移住する医者がなぜ少ないのかと。
まもなく1970年代、田中内閣が政権につき、医大の無い県を解消するという日本列島改造論で一県一医大構想が実現することになる。浜松医大が初めて静岡県にできたのである。さらに雨後の竹の子のように沢山の私立医大が大都市部を中心に設立され、国立医大の新設を上回る数が設立された。
さて40年経過した。どう変わっただろうか。40年前の医師数は全国で約10万人あったが、9年前の2008年、全国の届出医師数は28万6699人とほぼ3倍に増加した。今2017年はもっと多いだろう。
静岡県の医師不足は解消したろうか。本書によれば、2010年代には埼玉県(149人)、茨城県(167人)、千葉県(170人)、静岡県(190人)、福島県(191人)と静岡県は関東地方の最下位県と肩を並べるほどの少ない医師数のままだ。全国最低であった沖縄県はとうの昔に静岡県を追い抜き今は全国上位23番目である。
私は心の中ではどうも西日本の医師の数や学会レベルも東に比較して高いのではないかと、いろいろな場面ではうすうす気づいていた。しかし周りにはそのようなことを言うのは禁句であり、密かに私の心にしまっていた。
以前から今日にいたるまで、なぜ静岡県には医師が少ないのかいくら考えてもわからなかった。地方自治体や静岡県では奨学金を出して懸命に医師を集めていたにも関わらずにだ。一方、社会福祉関係諸団体や革新政党からは、医師不足を解消するためにもっと医大を造り、医師を増やすべきだというキャンペーンも盛んであった。
本書は統計的資料をあげて、長い日本の歴史なかで医師の養成や医大の設立の変遷に関して初めて光を当てた良書である。また、卒後の医師の勤務地、移動状況を明らかにし、なぜ静岡県を含め関東地方などで医師数が少ないのかを明らかにしている。
アマゾン批評では批判者もいるが、この著者が医者不足、特に偏在の原因を歴史的に解明した点ではおそらく初めてであり具体的に述べた点で、価値ある貴重な本だと思っている。この点だけでも読んでみてほしい。枝葉の批評はどうでもよいし、豊かな県になぜ医師がいないのか、別の説明があれば、提示してほしいと思う。
著者は解決策も提案しているが、もっともな意見で費用対効果の点でも是非政府や厚生労働省に耳を傾けてもらいたいと思う。仙台の東北薬科大学に医学部をつくることがどんなにナンセンスで、医者の偏在に寄与しないかがわかると思う。
なお、医師数の多い東京であっても救急などをはじめとして医師不足で大変な事態になっていることは別の要因があるが、ここでは省略したい。
私は医療関係者になってから、かれこれ40年以上経過している。たしか高校卒業時には、静岡県は人口十万人あたりの医師数は鮮明に覚えているが、全国から最低の沖縄に次いで2番目であった。当時沖縄は返還前で沖縄は本土に留学生の枠で入学在籍していた。
当時静岡県は、気候も温暖で、経済力もあり豊な県でもあった。移住したい県名でも常に3-5番目をキープしていたはずである。他県で静岡県出身ですと言うとほぼ間違いなく、豊かで自然があり、温暖でうらやましいですと言われたものであった。因みに現在は県民所得は全国から上位3番目である(一位東京、二位愛知)。今でもあまり周りに失業している人に出会ったり、噂を聞くことは少ない。
なのになぜその当時からの課題として、医療関係者、特に医者の数が少ないのか疑問に思ってきた。温暖で豊かな県なのに移住する医者がなぜ少ないのかと。
まもなく1970年代、田中内閣が政権につき、医大の無い県を解消するという日本列島改造論で一県一医大構想が実現することになる。浜松医大が初めて静岡県にできたのである。さらに雨後の竹の子のように沢山の私立医大が大都市部を中心に設立され、国立医大の新設を上回る数が設立された。
さて40年経過した。どう変わっただろうか。40年前の医師数は全国で約10万人あったが、9年前の2008年、全国の届出医師数は28万6699人とほぼ3倍に増加した。今2017年はもっと多いだろう。
静岡県の医師不足は解消したろうか。本書によれば、2010年代には埼玉県(149人)、茨城県(167人)、千葉県(170人)、静岡県(190人)、福島県(191人)と静岡県は関東地方の最下位県と肩を並べるほどの少ない医師数のままだ。全国最低であった沖縄県はとうの昔に静岡県を追い抜き今は全国上位23番目である。
私は心の中ではどうも西日本の医師の数や学会レベルも東に比較して高いのではないかと、いろいろな場面ではうすうす気づいていた。しかし周りにはそのようなことを言うのは禁句であり、密かに私の心にしまっていた。
以前から今日にいたるまで、なぜ静岡県には医師が少ないのかいくら考えてもわからなかった。地方自治体や静岡県では奨学金を出して懸命に医師を集めていたにも関わらずにだ。一方、社会福祉関係諸団体や革新政党からは、医師不足を解消するためにもっと医大を造り、医師を増やすべきだというキャンペーンも盛んであった。
本書は統計的資料をあげて、長い日本の歴史なかで医師の養成や医大の設立の変遷に関して初めて光を当てた良書である。また、卒後の医師の勤務地、移動状況を明らかにし、なぜ静岡県を含め関東地方などで医師数が少ないのかを明らかにしている。
アマゾン批評では批判者もいるが、この著者が医者不足、特に偏在の原因を歴史的に解明した点ではおそらく初めてであり具体的に述べた点で、価値ある貴重な本だと思っている。この点だけでも読んでみてほしい。枝葉の批評はどうでもよいし、豊かな県になぜ医師がいないのか、別の説明があれば、提示してほしいと思う。
著者は解決策も提案しているが、もっともな意見で費用対効果の点でも是非政府や厚生労働省に耳を傾けてもらいたいと思う。仙台の東北薬科大学に医学部をつくることがどんなにナンセンスで、医者の偏在に寄与しないかがわかると思う。
なお、医師数の多い東京であっても救急などをはじめとして医師不足で大変な事態になっていることは別の要因があるが、ここでは省略したい。





