クリステンセンの『イノベーションのジレンマ』や続編の『イノベーションへの解』に続けて本書を手に取ったが、主要な論旨は漏れなく押さえている。一方で、元々の著作も(翻訳も含めて)難解ということはないと思う。『〜ジレンマ』はハードディスク業界などを定量的手法も含めて詳細に調べて示したのがポイントだった。本書はその結論だけを紹介している印象だ。
本書には日本企業を緻密に分析した議論を期待していた。原著でもいくつも日本企業が挙げられているので、その一部でも深く掘り下げることはできなかったか。事例も、消費者寄りの目線に偏り、製造技術など経営者が本来悩む次元までは踏み込んでいない。
著者はクリステンセンの議論に加えて、ニーズを発想の源泉とする手法「デザイン思考」やブランド戦略論と関わる「メンタルモデル・イノベーション」の概念も紹介している。確かに深い関係があるとは思う(特に前者)。ただ、クリステンセンのキーコンセプトの「破壊的イノベーション」「継続的イノベーション」を理解する上ではやや拡散しすぎてしまったのではないか。
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