この映画は、昭和20年4月、鈴木貫太郎に組閣の大命が降下したシーンで始まります。
そこに東條英機・陸軍大将がいて、「陸軍は組閣に協力できない」などと言うのですが・・・東條大将は前年、昭和19年7月に内閣総理大臣・陸軍大臣・参謀総長などの公職を全て退かざるを得ない状況に追い込まれ、予備役に編入されております。
予備役に編入されても陸軍大将であることは変わりありませんので、陸軍大将の軍服を着て宮中にいるのは許しましょう。しかし、画面の東條大将は参謀飾緒を佩用しております。この時点の東條大将は参謀飾緒を佩用する役職に就いておりませんでした。
この映画の製作者は、昭和20年4月には東條大将が「失脚」した予備役の陸軍大将に過ぎなかったことを知らなかったのでしょう。知っていればこのようなシーンは作りません。
こうした歴史映画では「判明している史実」は可能な限り映像に反映させなければなりません。フィクションは「判明している史実」の間に挟んでいかねばなりません。
この映画、映画館に見に行かないで本当に良かったと思いました。

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