けやき坂46の結成から始まる日向坂46の歴史(新3期生加入前まで)のドキュメンタリー本です。
週刊プレイボーイで連載され、おひさま(同グループのファン)の間で書籍化が待ち望まれていた作品です。
グループが直面した状況と、その折々のメンバーやスタッフの心境がまとめられています。
このグループが経験してきた様々な困難を知るごとに、強いお酒が喉の奥を灼いていくような気持ちになります。
事あるごとにほぼ全メンバーが滅茶苦茶泣いていた事がわかります。空色の蒸留酒として仮に、アルコール度数47度のジントニック、ボンベイサファイアで例えてみます。47度のかなりキツいエピソードが目白押しです。さらに、このお酒のアルコール成分を希釈する53%は、全てメンバーの涙です。しかも、嬉し涙より圧倒的に不安や悔しさによる、苦しく辛い涙が多いです。重度のおひさまほど読んでいて切なく苦しくなると思います。それでも頑張って乗り越えてきたことは周知の事実ですが、ずいぶん隠れた涙があったのだなと思いました。
アイドルの涙なんか見たくない、可愛い女の子がにこにこ笑って元気にパフォーマンスする姿だけ見ていたい、というおひさまも当然いていいわけですし、そういう人向けに日向坂46はライブや握手会、冠番組等を提供してくれています。日向坂46ストーリーをお酒に例えるならば、アイドル全開のこれらのコンテンツは美味しい盛り合わせ料理の一皿に例えられるでしょう。料理だけでも十分に満足できるし、お酒だけでも(キツいですが)美味しいコンテンツです。
私は、日向坂46ストーリーを含めたアイドルドキュメンタリーの楽しみ方は、料理とお酒のマリアージュにあると思います。
例えば、最近松田好花さんはグラビアの仕事をよくしています。料理として楽しむなら、ああ可愛いな奇麗だな、という感想に終始するでしょう。ですが、この本には、2期生加入当初になかなか外仕事に呼ばれず涙する松田さんの言葉が載っていました。その思いをふまえてグラビアを見ると、推しでなくても心に刺さるものがあります。これはマリアージュだなあと感じます。
また、柿崎芽実さんと井口眞緒さんの奮闘が現役メンバーとして記述されていますが、この本を読む読者には2人が卒業してもういない事がわかっています。私にとって2人の卒業はとても悲しい結末でした。悲しい結末がわかっているのに、本の中では2人を含めグループがアイドルとして坂道を駆け上がっていきます。夢の残り火ともいうべきか、ほろ苦いとも切ないとも言い切れない感情が読みながら湧いてきて、これもまた味わい深いマリアージュだなあと思います。
最期に、この本を読む注意点として悪酔いに注意すべきだと思います。
まずこの本の内容が、けやき坂46~日向坂46の100%の真実のはずがないです。
芥川龍之介の『藪の中』のように、筆者であれ読者であれ、取材対象となった運営スタッフやメンバーであってすら、起こった出来事の100%の真実には到達できないと考えた方がいいと思います。文章を読むと、どうも筆者はおひさまになっており取材対象に冷静ではいられなくなっています。さらに、色々都合悪い事を省略したり薄めたりは当然なされていると思います。
また、節目節目で発表した歌の歌詞が記載されており、あたかもその時のメンバーの気持ちを紡いだりもやもやを表現したのがこの歌のこの歌詞です、と言わんばかりです(帯にもそんなことが書いてあります)が、後付けでどうとでも言える事で真実性を何も担保してないです。
自戒をこめてですが、この本を含むドキュメンタリーものでメンバーの気持ちをわかりつくしたとけして思ってはいけないと思います。推しメンの本当の想いがわかるのは自分だけだ、自分こそが彼女にふさわしい、彼女を自分だけのものにしなければ、という間違った考えは容易にストーカーを生む危険思想であり、厳に慎むべきと思います。おひさまであれば、この事の取り返しのつかなさががよくわかると思います。用法・用量を守って楽しみたいと思います。
日向坂46ストーリー (日本語) 単行本 – 2020/3/25
西中 賢治
(著)
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本の長さ368ページ
-
言語日本語
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出版社集英社
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発売日2020/3/25
-
寸法12.8 x 2 x 18.8 cm
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ISBN-104087900053
-
ISBN-13978-4087900057
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
東京ドーム公演も決定し、勢いに乗るアイドルグループ「日向坂46」。そんな彼女たちのストーリーは、たったひとりの少女から始まった―。誰も予測しえない道を歩みながら、「けやき坂46」から「日向坂46」へと名前を変え、夢を叶えた少女たちの数奇な運命を描く。エンターテインメントの世界で生きる人々の内面に迫った長篇ノンフィクション。
登録情報
- 出版社 : 集英社 (2020/3/25)
- 発売日 : 2020/3/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 368ページ
- ISBN-10 : 4087900053
- ISBN-13 : 978-4087900057
- 寸法 : 12.8 x 2 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 7,235位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2020年3月26日に日本でレビュー済み
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72人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2020年4月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
けやき坂46(後の日向坂46)は長濱ねるから始まるところから、ひなくり2019までのドキュメンタリー小説です。
おすすめポイント
①.本の初めに現役メンバー・休止中のメンバー・卒業メンバーのプロフィールが紹介されていて、生年月日、出身地、身長などのことが書かれています。
②プロフィールの次のページに今までのライブやイベントやドラマなどけやき坂46が行った出来事の写真が短い文章とともに紹介されています。
③本編は22ページ~347ページというもので僕は読書が苦手で最初は少し抵抗ありましたが、22ページ~347ページの間に1話~最終話まで合計36話に分けられ読書が苦手な僕でも最後までよむことが出来ました。(ちなみに1話あたりだいたい約10ページくらいあります。)
④本の最後の364ページからは『日向坂46年表』となっていてひらがな時代~日向坂までの出来事が年表形式で書かれています。
おすすめポイント
①.本の初めに現役メンバー・休止中のメンバー・卒業メンバーのプロフィールが紹介されていて、生年月日、出身地、身長などのことが書かれています。
②プロフィールの次のページに今までのライブやイベントやドラマなどけやき坂46が行った出来事の写真が短い文章とともに紹介されています。
③本編は22ページ~347ページというもので僕は読書が苦手で最初は少し抵抗ありましたが、22ページ~347ページの間に1話~最終話まで合計36話に分けられ読書が苦手な僕でも最後までよむことが出来ました。(ちなみに1話あたりだいたい約10ページくらいあります。)
④本の最後の364ページからは『日向坂46年表』となっていてひらがな時代~日向坂までの出来事が年表形式で書かれています。
2020年3月31日に日本でレビュー済み
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けやき坂46時代からの、日向坂46の歴史が詰まった一冊。
長濱ねるたった1人から始まった、乃木坂46や欅坂46とは全く違う結成の経緯から、メンバー達の数えきれない程の辛かった事や苦労と涙の数。
幾多の試練をメンバーみんなで一緒に乗り越えて来た、メンバー同士の絆。
などなど、今まで明かされる事のなかったことが、赤裸々に書いてある。
TVの画面越しからも伝わって来る、一期・二期・三期の先輩後輩の枠を越えた、メンバー同士の凄く仲が良い理由、とてつもなく強い絆で結ばれている理由が分かる一冊!
おひさまなら誰しもが涙なしには読めません!
長濱ねるたった1人から始まった、乃木坂46や欅坂46とは全く違う結成の経緯から、メンバー達の数えきれない程の辛かった事や苦労と涙の数。
幾多の試練をメンバーみんなで一緒に乗り越えて来た、メンバー同士の絆。
などなど、今まで明かされる事のなかったことが、赤裸々に書いてある。
TVの画面越しからも伝わって来る、一期・二期・三期の先輩後輩の枠を越えた、メンバー同士の凄く仲が良い理由、とてつもなく強い絆で結ばれている理由が分かる一冊!
おひさまなら誰しもが涙なしには読めません!
2020年12月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者の西中賢治氏はこの本の中で自からを表に出す事無く、最後まで自らを主張しない。アイドルを引き立てるためなのか? 否、著者は誇張も阿りも礼賛も無く淡々と事実だけを記述していく。
しかし、お涙頂戴のし掛けがある訳では無いのに、読みながら何度も泣いてしまう。
文章に全く嫌味がない。ドキュメンタリーのナレーターにさえ語り手の存在を大きく感じるのに、この語り手の気配を消したStoryによって、素直に登場人物であるピュアな娘さんたちの心に寄り添う事ができる。
少し気になるのは一つ一つの章の最後に(AKB48や欅坂46の総合プロデューサーである)秋元ワールドの歌詞が書かれていることだが、AKB48や欅坂46のような思春期の女性の心を玩具のように取り扱った歌詞は無い。(もちろん歌詞は歌詞として独立して存在するものだが、それらを歌唱する少女達に与える影響は計りしれずあるだろう。)秋元氏はここで、坂道グループの全方位外交をしているようにみえるが、いづれにしても日向坂46も、秋元氏にとっては賞味期限のある1つの商品である事に変わりはない。
本を読みながら感動的であるのは、日向坂46 がその提示された世界をいつも何かでOver Flow させてくるところである。それは作詞者の想定が及ばない日向坂46のメンバーの優しさであるとか、チーム力とかそれを支持する人々(Staffs、Fans)の総和から成り立っているのだろう。
本を読み進めながら、youtubeで同名の楽曲を聞きながら、その楽曲を味わう事ができるのも楽しみ方の1つだ。
日向坂46 は明るく元気が良いとイメージされる方が多いだろうが、ひらがなけやきの頃からの楽曲を含め、バラードをこれだけ情感を込めて歌い上げる事ができるアイドルが他にいるだろうか?若くして辛い思いをしつつ、懸命の努力をしてきた娘さんたちだからこそ歌える歌のバックグラウンドもこの本は明らかにしてくれる。
この本を読んで年末の紅白を見れば、贅沢で極上の舞台を味わう事ができるだろう。
若い方だけでなく、お父さんお母さんにも是非読んで頂きたい1冊である。
日向坂46はいい方達に恵まれている。西中賢治氏もその一人だ。
しかし、お涙頂戴のし掛けがある訳では無いのに、読みながら何度も泣いてしまう。
文章に全く嫌味がない。ドキュメンタリーのナレーターにさえ語り手の存在を大きく感じるのに、この語り手の気配を消したStoryによって、素直に登場人物であるピュアな娘さんたちの心に寄り添う事ができる。
少し気になるのは一つ一つの章の最後に(AKB48や欅坂46の総合プロデューサーである)秋元ワールドの歌詞が書かれていることだが、AKB48や欅坂46のような思春期の女性の心を玩具のように取り扱った歌詞は無い。(もちろん歌詞は歌詞として独立して存在するものだが、それらを歌唱する少女達に与える影響は計りしれずあるだろう。)秋元氏はここで、坂道グループの全方位外交をしているようにみえるが、いづれにしても日向坂46も、秋元氏にとっては賞味期限のある1つの商品である事に変わりはない。
本を読みながら感動的であるのは、日向坂46 がその提示された世界をいつも何かでOver Flow させてくるところである。それは作詞者の想定が及ばない日向坂46のメンバーの優しさであるとか、チーム力とかそれを支持する人々(Staffs、Fans)の総和から成り立っているのだろう。
本を読み進めながら、youtubeで同名の楽曲を聞きながら、その楽曲を味わう事ができるのも楽しみ方の1つだ。
日向坂46 は明るく元気が良いとイメージされる方が多いだろうが、ひらがなけやきの頃からの楽曲を含め、バラードをこれだけ情感を込めて歌い上げる事ができるアイドルが他にいるだろうか?若くして辛い思いをしつつ、懸命の努力をしてきた娘さんたちだからこそ歌える歌のバックグラウンドもこの本は明らかにしてくれる。
この本を読んで年末の紅白を見れば、贅沢で極上の舞台を味わう事ができるだろう。
若い方だけでなく、お父さんお母さんにも是非読んで頂きたい1冊である。
日向坂46はいい方達に恵まれている。西中賢治氏もその一人だ。
2020年4月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読み応え 星5
コストパフォーマンス 星5
理解しやすさ 星4.5
単純な面白さ 星4.8
感動 星5
平均でも軽く5近いです。(あくまで個人の感想ですけど)
日向坂から知った私からしてもひらがな時代の苦悩はしっかり伝わってくる。しかし、良くも悪くもまとまっていなく同じ話が2章先に出てきたりします。
いい点としては本当におひさまを泣かせようとしてきてます。ひらがな時代では軽く10回ほど泣きました。東村芽衣さんとは同郷なので感情移入してしまい、彼女の泣きやすい性格からかもらい泣きを何度したことか。あと途中で歌詞をいれるのもよかったです。そのときそのときの彼女たちの考えや出来事からできた曲は歌詞を見ただけで泣いてしまいます。
時系列を頭の中で整理しにくく、「あれ?今いつの話をしてるんだ?」ってなります。後ろにツアーなどの時系列は書いていますが少しわかりにくいのも事実です。
残念な点をもう一つ上げると日向時代が少ない気がします。まあ一年だけだからと言われればそこまでですが、日向からのファンはもう少しSSAやひなくり、1thシングルや新三期の裏側を書いてほしかったです。柿崎さんの卒業はもうちょっと詳しく知りたかったです(したくてした卒業だとは言いきれないからかもしれませんが)
まとめると、
良い点 ひらがな時代の苦悩、ひらがな日向での出来事がわかりやすいとは言えませんがしっかり伝わってきます。所々でその章に関係する曲の歌詞がでてき、感情移入しやすいです。
悪い点 あまり本を読まない人からすると内容が多いため少し読みづらくあまり内容を理解しにくいかもしれません。日向時代を詳しく知りたい方は少し物足りないかもしれません。
中学生の拙い分で申し訳ありません。
コストパフォーマンス 星5
理解しやすさ 星4.5
単純な面白さ 星4.8
感動 星5
平均でも軽く5近いです。(あくまで個人の感想ですけど)
日向坂から知った私からしてもひらがな時代の苦悩はしっかり伝わってくる。しかし、良くも悪くもまとまっていなく同じ話が2章先に出てきたりします。
いい点としては本当におひさまを泣かせようとしてきてます。ひらがな時代では軽く10回ほど泣きました。東村芽衣さんとは同郷なので感情移入してしまい、彼女の泣きやすい性格からかもらい泣きを何度したことか。あと途中で歌詞をいれるのもよかったです。そのときそのときの彼女たちの考えや出来事からできた曲は歌詞を見ただけで泣いてしまいます。
時系列を頭の中で整理しにくく、「あれ?今いつの話をしてるんだ?」ってなります。後ろにツアーなどの時系列は書いていますが少しわかりにくいのも事実です。
残念な点をもう一つ上げると日向時代が少ない気がします。まあ一年だけだからと言われればそこまでですが、日向からのファンはもう少しSSAやひなくり、1thシングルや新三期の裏側を書いてほしかったです。柿崎さんの卒業はもうちょっと詳しく知りたかったです(したくてした卒業だとは言いきれないからかもしれませんが)
まとめると、
良い点 ひらがな時代の苦悩、ひらがな日向での出来事がわかりやすいとは言えませんがしっかり伝わってきます。所々でその章に関係する曲の歌詞がでてき、感情移入しやすいです。
悪い点 あまり本を読まない人からすると内容が多いため少し読みづらくあまり内容を理解しにくいかもしれません。日向時代を詳しく知りたい方は少し物足りないかもしれません。
中学生の拙い分で申し訳ありません。