虚実の剣客たちの、時に滑稽で、時に哀しい生きざまを描く剣客短編集であります。剣豪ではなく、剣客なのがミソ。
巻頭「秘伝」は諸岡一羽斎の弟子たちの、三人三様の剣術観と人生を描くもので、武芸者として誰が一番満ち足りた生き方をしたかと問いかけます。根岸兎角が真っ当な武芸者として登場するのは珍しいかも。
太平の世の剣客たちを描いた五編はいずれも短めながら、滑稽さ、哀しさを凝縮した逸品揃い。
「ごろんぼ佐之助」「ごめんよ」の巻末二編はやや長めで、時代の流れに翻弄された剣客の生涯が語られますが、他六編に比べると散漫な印象なのが残念。
クオリティはたいへん高いのですが、下ネタが多いのでその点は御注意を。
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