上製本を並製にし、最後に宇田川幸洋による、その後のキン・フーにふれた「新装版後記に代えて」(8ページ)が付されている。
その新あとがきでツァイ・ミンリャンの『楽日』にふれており、そうだったと思い再見した。私の好きな映画、好きな監督だが、その監督がキン・フーの『龍門客桟』に愛着をもっていることが嬉しい。この映画がかかっている映画館が舞台の映画だが、出演した石雋と苗天が映画を観ている。
本書の冒頭で本人がしっかりと1932年生まれと言っているのに、IMDb、オールシネマ、ウィキペディアがすべて1931年生まれとしている。ただし英語版や中国版のウィキペディアは1932年生まれ。本書を参考にしたのか不明だが、日本版ウィキペディアを含め訂正がなされていないのは、残念ながらキン・フーのネーム・バリューがファンの思うほどにないせいかもしれない。
新あとがきの最初のところで、『山中傳奇』の3時間版がNHKBSで放映されたとある。調べてみると、確かにかつて私自身VHSに録画した記録があった(ずっと前に処分して今はないが)。そのほか『空山霊雨』『天下第一』、そして二年前WOWOWで放映した四本、計七本のキン・フー映画が20世紀に(たぶん)NHKBS中心にテレビで放映されたようだ。
もちろんできるなら、より状態のいいヴァージョンで映画を観たい。WOWOW放映のものは『龍門客桟』も『侠女』も近年の修復ヴァージョンであり、甦った美しい画面の録画を、今回、本を読みつつ堪能できた。
本書の内容だが、長時間のインタビューを行なった二人は事前によくキン・フーとその映画をよく調べており、行き届いた掘り下げである。だがそれ以上によいのは、インタビューの臨場感を生かした言葉の整理のしかたであろう。即興的な面白いやりとりが生かされている。
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