”さかさまに降る雨は、私たちの記憶を少しずつ削りとるようにして天に運んでゆく。それはやがて雲に結するだろう・・・雲とは忘却の結晶である。雲とはわれわれの失われた夢であり、見知らぬ懐かしさなのである”本好きでも知られるでんぱ組.incの夢眠ねむさんが好きな事でも知られる本書はメタ小説として本筋は「不思議の国のアリス」や「オズの魔法使い」からイメージされるフィクションとしてリズミカルに進みつつ、語り部の存在により導入と結末はあり得なくもない話?と読み手に思わせる説得力の構成が素晴らしい。
また写真メインの98年度版、そして今回の「手帖版」と新たに編集された2004年発刊の本書。そして著者達が”いつかもう一度”とあとがきで述べている様に、またいつか。新たな形で本ができる時にはどんな姿になるのだろうか?そんな進行形の楽しみも感じさせてくれます。
大人になった絵本好きな誰か。ブックデザイナーを目指す誰かに。そして”夢を見ながら、二兎を追い続ける”誰かにもオススメ。
新版 クラウド・コレクター (ちくま文庫) 文庫 – 2004/4/8
クラフト・エヴィング商會
(著)
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本の長さ303ページ
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出版社筑摩書房
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発売日2004/4/8
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ISBN-104480039279
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ISBN-13978-4480039279
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
クラフト・エヴィング商会の先代である祖父が愛用していた古い皮トランク。その底から古ぼけた手帖がでてきた。そこには、不思議な国アゾットに関する、驚くべき旅行記が記されていた。読み進むうちに、孫にあたる三代目は、奇妙な物の数々に出会うことになる。得体の知れない機械、判読不能の書物やポスター、奇妙な譜面や小箱、そして酒の空壜らしきもの。壮大なスケールの冒険ファンタジー。1995年単行本版に加筆し、イラスト満載の手帖版。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
クラフト・エヴィング商會
吉田篤弘と吉田浩美による制作ユニット。テキストとイメージを組み合わせた、独創的な作品を多数発表している。『稲垣足穂全集』『らくだこぶ書房21世紀古書目録』で講談社出版文化賞ブックデザイン賞を受賞。『どこかにいってしまったものたち』、『クラウド・コレクター』、『じつは、わたくしこういうものです』など。また吉田篤弘の著作として『つむじ風食堂の夜』など、吉田浩美の著作として『a piece of cake』がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
吉田篤弘と吉田浩美による制作ユニット。テキストとイメージを組み合わせた、独創的な作品を多数発表している。『稲垣足穂全集』『らくだこぶ書房21世紀古書目録』で講談社出版文化賞ブックデザイン賞を受賞。『どこかにいってしまったものたち』、『クラウド・コレクター』、『じつは、わたくしこういうものです』など。また吉田篤弘の著作として『つむじ風食堂の夜』など、吉田浩美の著作として『a piece of cake』がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 筑摩書房; 手帖版 (2004/4/8)
- 発売日 : 2004/4/8
- 文庫 : 303ページ
- ISBN-10 : 4480039279
- ISBN-13 : 978-4480039279
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 332,845位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 1,242位ちくま文庫
- - 3,285位SF・ホラー・ファンタジー (本)
- - 10,595位日本文学
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
5つ星のうち3.9
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上位レビュー、対象国: 日本
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殿堂入りベスト10レビュアー
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2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2017年1月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
内容については他に良いレビューがありますので、
屋上屋を架すようなことはしません。
ひとことだけ言いたいのは、
ぜひハードカバー版を手に取ってみてほしいということ。
・心臓の木の実
・太陽王の暦
・完成したクラウドコレクション
せっかく作者がこさえた(笑)「実物(?)」があるのに、
これを見ないのはもったいないです
著者もあとがきで、
この文庫版はハードカバー版を単に文庫版にしたのではない
と語っています。
しかし、ハードカバー版には、
作中のアイテムの具体的な写真や、
より具体的な記述があります。
※文庫版の方が文章に制約を課さなかったとありますが、
ハードカバー版の方が、はっきりとした記述が多いです。
ハードカバー版を見て、
思わず「よく作りこまれた芸術作品だなぁ※」と思いました。
※あえて「本」ではなく「芸術作品」と呼びたい!
屋上屋を架すようなことはしません。
ひとことだけ言いたいのは、
ぜひハードカバー版を手に取ってみてほしいということ。
・心臓の木の実
・太陽王の暦
・完成したクラウドコレクション
せっかく作者がこさえた(笑)「実物(?)」があるのに、
これを見ないのはもったいないです
著者もあとがきで、
この文庫版はハードカバー版を単に文庫版にしたのではない
と語っています。
しかし、ハードカバー版には、
作中のアイテムの具体的な写真や、
より具体的な記述があります。
※文庫版の方が文章に制約を課さなかったとありますが、
ハードカバー版の方が、はっきりとした記述が多いです。
ハードカバー版を見て、
思わず「よく作りこまれた芸術作品だなぁ※」と思いました。
※あえて「本」ではなく「芸術作品」と呼びたい!
2019年2月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
知人にオススメされたのが、購入動機。タイトルからして、てっきり コンピュータの話かなって思って読むと、全く違う内容で
面食らいました。とてもユニークな発想の連続で、面白かったです。ネタバレになるといけないので、内容は一切書けませんが、こんな場所やこんな物が 本当にあったら 素敵だなって思っているうちに 読了しました。残念なことは、あとがきに 自著の宣伝が してあったことです。その分 星 マイナス 一個にしました。
面食らいました。とてもユニークな発想の連続で、面白かったです。ネタバレになるといけないので、内容は一切書けませんが、こんな場所やこんな物が 本当にあったら 素敵だなって思っているうちに 読了しました。残念なことは、あとがきに 自著の宣伝が してあったことです。その分 星 マイナス 一個にしました。
2011年1月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読後はなぜか哀しい感じになりました。
祖父が残した不思議な国を旅した旅行記を読み解いていくという内容ですが
その旅行記は実は・・・ということが途中からわかると素直にアゾットの世界に
入り込むことができませんでした。
旅行記の背景にあの太平洋戦争というのがあるのかと思うと読めば読むほど
そのようなものを残した祖父・吉田傳次郎氏のその当時の境遇というものを
考えずにはいられなくなります。
ほのぼの系のファンタジーを期待するとちょっと違うような気がします。
感じとしてはサン=テグジュペリが「星の王子さま」をなぜ書いたのかというの
を読み解いていくというような感じの話です。
「その旅行記は実は・・・」ってところがない方が「アゾットという不思議な国は本
当にあるのだろうか?」とワクワク・ドキドキで楽しめるのにあえてそのような
背景があるということにした意図はなんだろうかと考えてしまいます。
そのため姉妹本の「すぐそこの遠い場所」も単なるアゾット事典としては読め
ませんでした。
ただ、哀しいからといって面白くないわけではありません。
それを含めて小説としては面白く読めますので興味のある方は一読をオスス
メします。
祖父が残した不思議な国を旅した旅行記を読み解いていくという内容ですが
その旅行記は実は・・・ということが途中からわかると素直にアゾットの世界に
入り込むことができませんでした。
旅行記の背景にあの太平洋戦争というのがあるのかと思うと読めば読むほど
そのようなものを残した祖父・吉田傳次郎氏のその当時の境遇というものを
考えずにはいられなくなります。
ほのぼの系のファンタジーを期待するとちょっと違うような気がします。
感じとしてはサン=テグジュペリが「星の王子さま」をなぜ書いたのかというの
を読み解いていくというような感じの話です。
「その旅行記は実は・・・」ってところがない方が「アゾットという不思議な国は本
当にあるのだろうか?」とワクワク・ドキドキで楽しめるのにあえてそのような
背景があるということにした意図はなんだろうかと考えてしまいます。
そのため姉妹本の「すぐそこの遠い場所」も単なるアゾット事典としては読め
ませんでした。
ただ、哀しいからといって面白くないわけではありません。
それを含めて小説としては面白く読めますので興味のある方は一読をオスス
メします。
2013年9月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1995年の単行本とは、別のもの、ということで購入しました。
加筆により、物語性が明確になったところがよかったと思います。
とにかく、よく考えられている本です。
クラフト・エヴィング商會は、ブックデザインも、文章も、すてきですね。
こういう空気感を作るセンスを、私も身につけたい、と思った一冊でした。
加筆により、物語性が明確になったところがよかったと思います。
とにかく、よく考えられている本です。
クラフト・エヴィング商會は、ブックデザインも、文章も、すてきですね。
こういう空気感を作るセンスを、私も身につけたい、と思った一冊でした。