この本は邪悪な人を徹底的に分析しています。その本質はナルシシズムの闇の部分であり、責任感が薄いだけでなく自己愛的かつ責任転嫁を容易に行うため、体裁が保てないと分かると隠微ながらも破壊的な報復的行動に出てしまう人のことを指します。私はサイコパスも含まれるんじゃないかと思ってますが、関与しているのはナルシシズムだそうです。挙げられている具体例も強烈な人ばかりで、誕生日に子供の希望を無視して拳銃をあげてしまう親、子供に罪悪感を与えて支配しようとする親、筆者と愛し合いたいがためにあらゆる嘘を講じて手段を選ばない淑女など関わりたくない人ばかりですが、その特長として深いカウンセリングをしないと邪悪さが分からない(得てして被害者もその邪悪性に気づかず自分が悪いと思い込んでしまう)所が挙げられています。
こんな人たちに免疫なく出会ってしまうと確実に被害を被るため、邪悪な人たちの思考回路を学ぶ必要があります。この学問が発達してこなかった理由として邪悪さが軍事などに悪用されてしまうのではという懸念があったそうですが、知っておけば得な知識とも考えられます。この邪悪さを他者が変えるのは不可能に近いため如何に早く察知して避けるかに掛かっていると私は思いました。
サイコパスとは一味違ったnarcissismの闇である邪悪さについて学ぶならばとてもおすすめできる本です。
- 文庫: 478ページ
- 出版社: 草思社 (2011/8/5)
- 言語: 日本語
- ISBN-10: 4794218451
- ISBN-13: 978-4794218452
- 発売日: 2011/8/5
- 商品パッケージの寸法: 3 x 11 x 15 cm
- おすすめ度: 113件のカスタマーレビュー
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