教師は何かと批判されるけれども、現場の先生方は、生徒のためにほんとうに一生懸命働いている人が多い。しかし、日々、さまざまな問題が教師に押し寄せ、留まることを知らない。
誠実な先生ほど、その状況に疲れ、心と体を病んでいく。
なぜ、そうなってしまうのか。
その理由をこの本は、教育の使命、教師の仕事の本質と現代社会とのギャップから、みごとに分析してくれる。その卓見にいちいちうなずくと同時に、現場で考え続ける筆者の姿勢に共感する。
筆者は都立高校の現役教員であり、自らの理想を実現するために、管理職として働いた経験ももちながら、あえて一教員に戻り、現場で生徒たちと関わりながら教育問題への考察を発信し続けている。
学校を外から見ている人には、ここに描かれた都立高校の教育現場のありさまは、奇異に映るかもしれない。しかし、それが実態であり、その原因は学校を取り巻く社会の変化、それによる保護者の意識の変化、そして、改悪された教育行政にある。
現場で苦しむ先生方には、自分の立ち位置を客観的に確認し、泥沼に陥らないため、そしてよりよい職場をつくっていくための道しるべになる。
学校の外の方々、とくに子どもを学校に預ける保護者の皆さんには、子どもたちの健全な成長のために、自分たちが先生方とどう関わったらよいのか、考えるヒントになると思う。
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