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救急精神病棟 単行本 – 2003/10/2

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商品の説明

商品説明

   日本に1つしかない精神科救急に密着取材、その知られざる内部を丹念に探り、脳科学から精神疾患へのアプローチなどの最新の成果も取りこみ深く考察する。精神科医療の流れを知り、今後のより良いありようを模索するための良書だ。

 「社会は、それにふさわしい犯罪をもつ」という有名な言葉がある。精神疾患も同様に、その社会の負の側面を浮き彫りにするようなところがある。とりわけ価値観が多様化し、長期不況も追い討ちをかける現代日本では、鬱(うつ)状態や自殺は、もはや身近な話題だとすら言える。「人間社会の不可解さを突きつけてくるテーマに惹かれるのはジャーナリストの性(さが)のようなもので、逆に言えば、精神病や精神病院にまるで関心を示さないジャーナリストは、その資質に疑問が呈されてよい。」と、本書「プロローグ」でいう著者は、その信念に忠実に、誠実な取材姿勢を通じて精神科医療の世界に読者を深くいざなう。

   同じテーマの名著として、大熊一夫による『ルポ・精神病棟(旧・新)』が名高い。これは1960年代後半から70年代前半のいわば暗黒の領域だった精神病院に潜入取材した衝撃のルポだ。『新ルポ・精神病棟』で取り上げられている、80年代の新しい動きの中で準備中だった「千葉県精神科救急センター(現・千葉県精神科医療センター)」が、本書の舞台だ。偏見などの逆風に耐えてふんばりつつ、患者にとって最善の道を手探りでさがす医師と看護士らの奮闘が、臨場感ある記述を通して、ずばっと伝わってくる。特に、個性的な医師たちが現状や理想を語る肉声は印象に残る。

   医療行政の問題点と、その改善の方向にも果敢に斬り込んでゆく著者は、冷静に見つめた現実を、プライバシーに配慮しながら丁寧に記述してゆく。最後に著者は、精神病院の内と外の「地続き感」を、さらっと語っている。それを読むとき、読者もまた、問題意識を著者と共有し、地続きになり、さらに精神科医療以外のことへも思考を拡げてゆく。つぼの底にかすかに見える希望をのぞきこむのにも似た味のノンフィクションだ。(坂本成子)

内容紹介

24時間体制で病と闘う最前線を克明に描く日本で唯一、救急専門の精神科病院を長期取材。入院から治療・退院まで、生々しい現場の姿と精神科医療の可能性を追う。月刊現代誌上で注目の連載を単行本化。

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登録情報

  • 単行本: 342ページ
  • 出版社: 講談社 (2003/10/2)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4062109255
  • ISBN-13: 978-4062109253
  • 発売日: 2003/10/2
  • 商品パッケージの寸法: 19 x 13.2 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4 31件のカスタマーレビュー
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カスタマーレビュー

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形式: 単行本
 ショッキングな本だ。救急精神病棟というものの存在自体がまず衝撃的である。日本には一刻を争うほどの対応が必要な精神病患者が少なからずいるのだ。そのような患者を収容する日本唯一の施設が、千葉県精神科医療センターである。
 今、日本には140万人ほどの入院患者がいる。そのうち精神病院に入院しているのは約34万人だという。入院患者の4人に1人が精神病患者であるという事実を、ほとんどの日本人は知らない。その医療現場に飛び込み、3年の歳月をかけて完成させたのが本書である。
 24時間体制で精神科救急医療に取り組む公立病院の現場は壮絶である。妄想に取り付かれたエリートサラリーマン、神様モードの青年、自殺したい少女など、様々な事例がデフォルメされた上、臨場感溢れる筆致で紹介されている。この千葉県精神科医療センターには東南アジアの国々からの視察も多いが、その先端的・実験的な取り組みは全国的に広まってはいない。それは予算や人員配置、体制整備など、様々な難しさを抱えているためである。
 だが、そういう難しさを抱えながらも、千葉県精神科医療センターの存在意義は変わらない。
 本書のエピローグには、10条から成る「さわ病院」の「医療憲章」が載っており、1,2条に「その”ひと”はこころ病む”ひと”である前に”ひと”であると思うこと」「どのような症状でもそれはその”ひと”のせいではなく、病のためと思うこと」とある。精神病という重い課題を考える際の指針となる言葉である。
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形式: 単行本
私は知的・身体の障害者の方の生活を支援する仕事をしているので、精神障害についても興味があり、この一冊を手にしてみました。
読んでみると、本の厚さにも関わらず、一気読みしてしまうほどドラマチック。というより、ドラマ以上に衝撃的な精神病様を現す患者さんたちの記述が続きます。しかし、ルポタージュとしての作者はいたずらに衝撃をあおる目的で本書を書いたわけではなく、その真摯さは伝わります。精神病者を取り巻く社会の歴史、現在の医療の状況、今後の展望など、分かりやすく作者の言葉に書き換えて説明されていて、私たち素人が概観をざっと見渡すには最適。
全入院患者の4人に1人が精神病患者だという事実には驚愕しましたが、それだけ精神病が私達の世界を包んでいるんだということ。
この歪んだ世界を共有している仲間だという意識が芽生えました。
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投稿者 fukudash 投稿日 2003/10/30
形式: 単行本
ノンフィクションの体裁で、現代の精神科が抱えている問題が非常に明確に
列記されており、精神医療に対して、医学界・一般社会がどのような方向に
向かうべきであるかがきっちりと示されています。実際の千葉県精神科医療
センターの様子もさることながら、この救急病院ができあがった背景や今後の
問題など、説得力のある筆致で書き進められており、医療に携わる者だけで
なく、一般人にも必読のルポと言えるでしょう。
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形式: 文庫
この本は、千葉県精神科医療センターで3年間も取材されたものです。

精神科と聞くと、一般的には様々な偏見がありますが、精神病は病気であってその人本来のものではありません。
この本を読むと、医師と患者の奮闘、そして患者さん自身がどんなに苦しんでいるかがリアルに伝わってきます。
単なる興味で読まれた方は、内容の濃度やすさまじさに衝撃を受けると思います。そして、量のある本ですが、一気に読んでしまうと思います。

また、この本は第三者のライターからの視点だけでなく、看護師や医師からの視点から書かれている章もあります。
急性期の精神病の扱いの大変さが、さまざまの視点で描かれ、より精神科医療の苦渋が伝わります。

精神科医を目指している方は、ぜひ一読されることをおすすめします。
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形式: 単行本
 著者は本書の冒頭で「人間社会の不可解さを突きつけてくるテーマに惹かれるのはジャーナリストの性のようなもの」と述べている。私のような`ノンフィクション好き'も同感である。一般的に精神病は治りにくいものと思われているが、本書にでてくる「千葉県精神科医療センター」の取り組みは、その常識を覆してくれる。事例も豊富で臨場感もある。このジャンルに関心のある方には、ぜひ読んでいただきたい。
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形式: 単行本
作者は「コリアン世界の旅」でおなじみです。
舞台は千葉県の救急精神病院ですが、精神病院に救急のものがある事
自体知りませんでした。ノンフィクションでテーマがテーマだけに、
著者も書くのが相当難しかったようですが、できあがった作品は実に
すばらしいです。
精神病治療の実体を理解するのに最適の入門書だと思います。
それにこれほどしみじみとした読後感はめったに味わえないかも
知れません。とにかく、多くの人に読んでもらいたい本です。
筆者のハードワークに敬意を表して星は5つです。
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