この本の前半は日本政治の専門家として有名な著者の自伝、後半はおおむね日本の政治に関するエッセイです。将来ミュージシャンになるつもりだった普通の高校生がいろんな人との出会いを経て政治学の道に入ってゆくところは大変興味深く読みました。進路を柔軟に選び、ときに変更することが許されるアメリカ社会の特徴がよく出ていると思います。また著者がいかに人脈を作る才能にあふれているかがよくわかりました。日本の数多くの首相経験者と知己があることからもわかるように、著者の研究スタイルは外から眺めたり二次資料を読んだりして調べるのに留まらず、自分で対象に直接入り込んで自分の目で確かめる、という点を重視していて、それゆえ説得力があるのでしょう。
最近の日本文化の変化や日米関係の変化には憂慮を述べています。昔と比べて謙虚な日本人が減った、とか、日米の議員交流がめっきり少なくなった(アメリカは日本に興味をあまり持たないし日本の政治家はゴールデンウィークしか外国に来ない)とか、かつての中選挙区制の方が小選挙区比例代表並立制よりも日本には適している、といった指摘にはなるほどと思うと同時に日本の将来が心配になりました。日本の政治家や官僚は改革、改革と言ってアメリカのやり方を日本にもコピーするだけです。著者の言うように、もっと日本の本来の強さを再認識したらいいのに、と思います。
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