1章は▲5五歩を早く突いた場合の対策がコンパクト(20P)にまとまっている。なお、端角や左美濃でない変化も多い。相手が知らなければ▲5五歩早突きの方が多いと思うので、正直、居飛車党の方はここだけ読めばかなり勝てそうだ。
2、3章は題名の通り、そしてカバーの局面図(2章)の通りの戦型で、端角+左美濃。△6四歩・△7三桂型が本筋。△6四銀・△7三桂型がダメな理由も書いてある。駒組みから攻めの方針までは分かりやすい。ただ、具体的な手順はかなり難解。局面も形勢判断が甲乙つけ難いところで終わっているところも多く(elmoにも聞いた)、もう少し解説が欲しい箇所もいくつかあった。かなりハイレベルな内容。こちらは居飛車党だけでなく、中飛車党の方も読むべき内容だと思う。
4章は実戦編だが、藤井聡太六段の棋譜が2局載っているのが注目ポイント。そして筆者が中飛車側のことが多いので、中飛車目線でも語っているところも良い。負けた棋譜を5局中3局挙げているところには感服する。
対象棋力としては完全に有段者向け。居飛車党の方はもちろんだが、中飛車党の方も読む価値が十分にあると思う。
内容紹介にもあるが、中飛車側で初見で正確に受けきるのは無理。居飛車側がほぼ先攻できる戦法なので、攻め好きなら指してみると楽しいだろう。ハマれば格上にも勝てそうだ。
2、3章の解説は詳しいとは言えないが、要点は理解できたように感じた。読破は有段者でもかなり苦労するかもしれない。しかし、1章、4章の内容が素晴らしかったのと、読めば勝てそうなので☆5にしました。
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