他の方のレビューにもあるとおり、とても怖いです。構成として大きく2つの話に別れていますが、どちらも禍々しい内容で、一見バラバラに見える怪異が次第につながり、およそ人の力でどうにかできるとは思えない災いが姿を現すという物語になっています。
見え隠れする怪異は、その存在が一体何なのか判然としないものの、底知れない悪意と怨念、生きている人間を狂わせ、死に至らしめるほどの力を持ってます。実話とのことですが、本当かと思うくらい出てくる存在は規格外で、貞子や伽椰子に近いくらいのモンスターです。そこらの怪談話に出てくる幽霊など比較にならないくらいの化物です。
さらに人外の怪異のみならず、浅ましく醜い、悪意の塊のような人間も多く登場します。なので、本当に怖い。そして腹も立ちます。
ただ、個人的にこの物語が素晴らしい傑作だと感じるのは、著者を始めとした幾人かの人達の優しさや潔さ、そしてそれを受け止め、思いを受け継ぐようにして怪異と対峙していく著者の矜持や信念が描かれているからだと思います。もちろん、そんな綺麗事が通用するような甘い物語ではなく、そこには漫画に出てくるような都合のいい解決策も、起死回生の必殺技もないのですが、無様に震え、恐怖におののき、ときに逃げ出しながらも、他人の身を案じる優しさや、恐怖を押して闇に向かう勇気がしっかりと描かれています。
物語の最終盤で、そんな著者の信念とおぞましい怪異が正面から激突します。その結果がどうなるかは実際に読んでいただくとして、作品全体から、「人間を舐めるな!」と言わんばかりの著者の意地のようなものを私は感じました。
Kindle 端末は必要ありません。無料 Kindle アプリのいずれかをダウンロードすると、スマートフォン、タブレットPCで Kindle 本をお読みいただけます。
無料アプリを入手するには、Eメールアドレスを入力してください。

1分以内にKindleで 拝み屋郷内 花嫁の家 (MF文庫ダ・ヴィンチ) をお読みいただけます。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。