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投資型医療 医療費で国が潰れる前に (ディスカヴァー携書) 新書 – 2017/9/14
- Kindle版 (電子書籍)
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糖尿病に1.2兆円。人工透析に1.6兆円。骨粗鬆症骨折に1兆円―。
じつは、健康なあなたも払っています。
自分も家族も健康そのもので、医療の世話になることはほとんどないーーそうした人たちにとっても、医療の「これから」は他人事ではない。
皆保険という制度では、医療を使う使わないに関係なく、保険料を支払わなくてはならないのだ。つまり社会全体の負担はあなたの肩に、いや財布に重くのしかかっている。
医療は病気があるから生まれたのではなく、健康を損なわないために生まれた。医療が病気を治すためにあるのか、病気から守るためにあるのか、この違いは大きい。
本書を読んで、ぜひ健康のケアそのものを目的とする「投資型医療」への転換を考えてほしい。それが必ず大きな力となって、やがて社会を変えていくのだ。
※本書は『僕らが元気で長く生きるのに本当はそんなにお金はかからない』(2013年小社より刊行)を改題・再編集したものです。
じつは、健康なあなたも払っています。
自分も家族も健康そのもので、医療の世話になることはほとんどないーーそうした人たちにとっても、医療の「これから」は他人事ではない。
皆保険という制度では、医療を使う使わないに関係なく、保険料を支払わなくてはならないのだ。つまり社会全体の負担はあなたの肩に、いや財布に重くのしかかっている。
医療は病気があるから生まれたのではなく、健康を損なわないために生まれた。医療が病気を治すためにあるのか、病気から守るためにあるのか、この違いは大きい。
本書を読んで、ぜひ健康のケアそのものを目的とする「投資型医療」への転換を考えてほしい。それが必ず大きな力となって、やがて社会を変えていくのだ。
※本書は『僕らが元気で長く生きるのに本当はそんなにお金はかからない』(2013年小社より刊行)を改題・再編集したものです。
- 本の長さ287ページ
- 言語日本語
- 出版社ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日2017/9/14
- 寸法18.2 x 11.3 x 2 cm
- ISBN-104799321625
- ISBN-13978-4799321621
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商品の説明
出版社からのコメント
このまま持ちこたえることができるのか─この問題意識から、「投資型医療」というこの本のコンセプトを掲げることとした。
つまり、医療界を構成するさまざまなプレイヤーが、互いの責任を自覚し、緊張感を持って、能動的な役割を果たすことが、今こそ必要なのだ、と。
もとより、医療のテーマは難しい。
コストカット論の餌食にすることや、数少ない「成長分野」として、流行もののように祭り上げることは簡単だ。
しかし、医療の中心には人の命、生活という不可逆的な要素が厳然と存在している。軽快な議論よりむしろ重心の低い、長い目の議論が必要である。
他方で、本文中にもあったが、医療改革を叫ぶ人々はおもに健康な人々で、実際に医療の力で生きている人々は声を挙げる余裕がないことも多い。
高名な医学部の教授は政策決定に参加することができても、24時間めいっぱい、地域の医療をからだを張って守っている医療提供者たちは、声を挙げる余裕すらないことも忘れてはならない。
こうしたアンビバレンスに満ちた医療のテーマを、少しでも未来志向のものとして考える嚆矢になればと、本書が企画された。
ここで私たちが伝えたかったことは、単に予防に力を入れようとか、財源配分を適正化しようといったことにとどまらない。
より本質的に、私たち一人ひとりが、医療界に直接関わる方も、そうでない方も、
自分のこととして医療の問題を考え、自分のできる範囲で自分の健康を守り、心身とも健やかに毎日を送ることで、
それぞれの人生を能動的にデザインし、潜在的な可能性を十分発揮できる、すなわち「自分の足で立つ」ことのできる社会の基盤をつくっていこう、ということだ。
それが、私たち一人ひとりの“尊厳"を大事にし、どんな境遇にあってもプライドを持って一生を生き抜くことができる、その基盤になると信じているからである。
(「あとがき」より)
つまり、医療界を構成するさまざまなプレイヤーが、互いの責任を自覚し、緊張感を持って、能動的な役割を果たすことが、今こそ必要なのだ、と。
もとより、医療のテーマは難しい。
コストカット論の餌食にすることや、数少ない「成長分野」として、流行もののように祭り上げることは簡単だ。
しかし、医療の中心には人の命、生活という不可逆的な要素が厳然と存在している。軽快な議論よりむしろ重心の低い、長い目の議論が必要である。
他方で、本文中にもあったが、医療改革を叫ぶ人々はおもに健康な人々で、実際に医療の力で生きている人々は声を挙げる余裕がないことも多い。
高名な医学部の教授は政策決定に参加することができても、24時間めいっぱい、地域の医療をからだを張って守っている医療提供者たちは、声を挙げる余裕すらないことも忘れてはならない。
こうしたアンビバレンスに満ちた医療のテーマを、少しでも未来志向のものとして考える嚆矢になればと、本書が企画された。
ここで私たちが伝えたかったことは、単に予防に力を入れようとか、財源配分を適正化しようといったことにとどまらない。
より本質的に、私たち一人ひとりが、医療界に直接関わる方も、そうでない方も、
自分のこととして医療の問題を考え、自分のできる範囲で自分の健康を守り、心身とも健やかに毎日を送ることで、
それぞれの人生を能動的にデザインし、潜在的な可能性を十分発揮できる、すなわち「自分の足で立つ」ことのできる社会の基盤をつくっていこう、ということだ。
それが、私たち一人ひとりの“尊厳"を大事にし、どんな境遇にあってもプライドを持って一生を生き抜くことができる、その基盤になると信じているからである。
(「あとがき」より)
内容(「BOOK」データベースより)
自分も家族も健康そのもので、医療の世話になることはほとんどない―そうした人たちにとっても、医療の「これから」は他人事ではない。皆保険という制度では、医療を使う使わないに関係なく、保険料を支払わなくてはならないのだ。つまり社会全体の負担はあなたの肩に、いや財布に重くのしかかっている。医療は病気があるから生まれたのではなく、健康を損なわないために生まれた。医療が病気を治すためにあるのか、病気から守るためにあるのか、この違いは大きい。本書を読んで、ぜひ健康のケアそのものを目的とする「投資型医療」への転換を考えてほしい。それが必ず大きな力となって、やがて社会を変えていくのだ。
著者について
武内和久(たけうち かずひさ)
1971年福島県生まれ。94年東京大学法学部卒業後、厚生省(現 厚生労働省)に入省して以降、医療・福祉・年金など社会保障政策の企画立案に携わる。厚生労働省大臣官房、政策統括官、医政局、在英国に翻刻大使館一等書記官等を経て、現在、民間企業に在籍中。共著書に『公平・無料・国営を貫く英国の医療改革』(集英社)。
山本雄士(やまもと ゆうじ)
1974年札幌市生まれ。99年東京大学医学部を卒業後、同付属病院、都立病院などで循環器内科、救急医療などに従事。07年Harvard Business School修了。現在、株式会社ミナケア代表取締役、ソニーコンピュータサイエンス研究所リサーチャー、厚生労働省参与などを兼任。14年日本起業家賞受賞。教育活動として山本雄士ゼミを主宰。訳書に「医療戦略の本質」(マイケル・E・ポーターら、日経BP社)、「医療イノベーションの本質」(クレイトン・M・クリステンセンら、碩学舎)など。山本雄士公式ウェブサイトhttp://yujiyamamoto.com/
1971年福島県生まれ。94年東京大学法学部卒業後、厚生省(現 厚生労働省)に入省して以降、医療・福祉・年金など社会保障政策の企画立案に携わる。厚生労働省大臣官房、政策統括官、医政局、在英国に翻刻大使館一等書記官等を経て、現在、民間企業に在籍中。共著書に『公平・無料・国営を貫く英国の医療改革』(集英社)。
山本雄士(やまもと ゆうじ)
1974年札幌市生まれ。99年東京大学医学部を卒業後、同付属病院、都立病院などで循環器内科、救急医療などに従事。07年Harvard Business School修了。現在、株式会社ミナケア代表取締役、ソニーコンピュータサイエンス研究所リサーチャー、厚生労働省参与などを兼任。14年日本起業家賞受賞。教育活動として山本雄士ゼミを主宰。訳書に「医療戦略の本質」(マイケル・E・ポーターら、日経BP社)、「医療イノベーションの本質」(クレイトン・M・クリステンセンら、碩学舎)など。山本雄士公式ウェブサイトhttp://yujiyamamoto.com/
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
武内/和久
1971年福岡県生まれ。94年東京大学法学部卒業後、厚生省(現厚生労働省)に入省して以降、医療・福祉・年金など社会保障政策の企画立案に携わる。厚生労働省大臣官房、政策統括官、医政局、在英国日本国大使館一等書記官等を経て、現在、民間企業に在籍中
山本/雄士
1974年札幌市生まれ。99年東京大学医学部を卒業後、同付属病院、都立病院などで循環器内科、救急医療などに従事。07年Harvard Business School修了。現在、株式会社ミナケア代表取締役、ソニーコンピュータサイエンス研究所リサーチャー、厚生労働省参与などを兼任。14年日本起業家賞受賞。教育活動として山本雄士ゼミを主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1971年福岡県生まれ。94年東京大学法学部卒業後、厚生省(現厚生労働省)に入省して以降、医療・福祉・年金など社会保障政策の企画立案に携わる。厚生労働省大臣官房、政策統括官、医政局、在英国日本国大使館一等書記官等を経て、現在、民間企業に在籍中
山本/雄士
1974年札幌市生まれ。99年東京大学医学部を卒業後、同付属病院、都立病院などで循環器内科、救急医療などに従事。07年Harvard Business School修了。現在、株式会社ミナケア代表取締役、ソニーコンピュータサイエンス研究所リサーチャー、厚生労働省参与などを兼任。14年日本起業家賞受賞。教育活動として山本雄士ゼミを主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
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2019年5月26日に日本でレビュー済み
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少子高齢化で医療費が高騰している昨今の状況において、この本の提言は「病気が重症になってからだと治療費がかさむから、病気が軽いうちに治療する、あるいは病気にならないようにすることで医療費を抑制しよう」ということだ。この本の読者になるような人はおそらく健康に対する意識が高く、読めば納得する内容であるとは思うが、問題は健康診断で異常を指摘されているにも関わらず病院を受診しないような人達だ。生活習慣病の多くは、初期には自覚症状はほとんどないことが多く、実際に生活習慣病が原因で大きな病気になるのは何十年も先のことなので、健康意識が低い人たちに行動変容を起こすのは非常に難しい。終身雇用制度が崩れてきている現代において、保険者である企業も、結果が見えにくい投資型医療を積極的に実践しようというところはなかなか少ないのではないだろうか。投資型医療を実現するには、国がトップダウンで医療のシステムを変える以外に方法はないと思うが、こういった抜本的な改革は、中国のような独裁システムならともかく、数年おきの選挙でいかに生き残るかを考えなければいけない日本の政治家が実行するのは非常に難しい。
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2018年11月7日に日本でレビュー済み
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医療の専門的な論ではなく、そもそも医療とは何か、というシンプルな問いから論をスタートし、問題点を大局的に整理している点でとても明解である。殊更、医療問題に限らずだが、議論する際に、木を見て森を見ない議論が横行しがちであるが、常に、ビジョン、ゴールを意識しながら論を展開してきっちりとファシリテートしているゆえ、分かりやすい。
細かいテクニック論はやや少ない面もあるが、医療にも通常用いられるようなツールを導入して、改革を図るという主旨と私は解釈した。俗に言われている事でもあるが、本書は課題に対しての解決策とそれをいう背景が実に明確で、最後まで、ファシリテーターとしての機能があり、ブレない論調が素晴らしい。大いに参考になる本である。
細かいテクニック論はやや少ない面もあるが、医療にも通常用いられるようなツールを導入して、改革を図るという主旨と私は解釈した。俗に言われている事でもあるが、本書は課題に対しての解決策とそれをいう背景が実に明確で、最後まで、ファシリテーターとしての機能があり、ブレない論調が素晴らしい。大いに参考になる本である。
2019年5月1日に日本でレビュー済み
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病気の治療費より予防費のほうが安いのは当然で、本書で提唱する投資型医療という概念は予防型医療とほぼイコールに思えた。しかしインセンティブ制度を導入するなど、実施に当たっていくつか具体的な方法が述べられていたのが良かった。一方費用対効果を評価するのはなかなか難しく、医療行為によって査定の仕方が異なってくる。比例的に効果が表れる医療行為もあれば、対数増殖的に医療効果が表れるのもある、効果がすぐ表れるのもあれば、何十年たってから現れるのもある。そのあたりが投資型医療実施に当たる課題だろう。
2018年12月17日に日本でレビュー済み
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現行の医療制度は“病気を治す“ことに焦点が当てられており、すなわち病気を前提として成り立っている。また、かさむ医療費は国の財政を圧迫し続けており、今後それを負担するのは我々自身であるのだが、その事実を自覚している一般人はあまりにも少ない。
著者は、”いかに健康を維持するか“に焦点を当て予め病気を予防する医療を社会の構成要員全員が目標とする、また、単価あたりの医療の価値を高めることで医療費を大幅に削減する、現在の医療の問題点を根本的に変容させる可能性を秘める、”投資型医療“を提唱している。
本書は、医療が抱えている難解な問題点とその解決策を、具体的かつ平易に説明している点で優れている。著者も主張する通り、非医療従事者でも理解に窮することなく読み進めることができるだろう。
私自身は医学部生として医療を目指す立場にあるが、医療従事者にとっても非常に示唆に富む一冊であると考える。将来の進路を考察する上で、また医療の構成を一歩引いた立場からmeta-cognitionする上で大変役に立った。全医学科生に薦めたい。
著者は、”いかに健康を維持するか“に焦点を当て予め病気を予防する医療を社会の構成要員全員が目標とする、また、単価あたりの医療の価値を高めることで医療費を大幅に削減する、現在の医療の問題点を根本的に変容させる可能性を秘める、”投資型医療“を提唱している。
本書は、医療が抱えている難解な問題点とその解決策を、具体的かつ平易に説明している点で優れている。著者も主張する通り、非医療従事者でも理解に窮することなく読み進めることができるだろう。
私自身は医学部生として医療を目指す立場にあるが、医療従事者にとっても非常に示唆に富む一冊であると考える。将来の進路を考察する上で、また医療の構成を一歩引いた立場からmeta-cognitionする上で大変役に立った。全医学科生に薦めたい。
2018年1月3日に日本でレビュー済み
2017年度、年収600万円の勤労者1人につき、平均59万円の健康保険料が払われている。通常は雇用主と私たち勤労者が折半して払う。この金額は2009年以降20%以上値上げされている。今後は高齢化によって、この医療費がまだまだ上昇する。
「そう言われても、それは人口動態と国家財政の問題だから、どうしようもないよねー。自分は健康だし。」
と考えてしまいがちな自分は、この本を年初に読んで本当に良かったと思う。自分のような生活者が、勤労者が、社会投資家が、やるべきことがたくさんあると痛感した。また同時に、私が教員として勤めるグロービスに通っているような経営を志す人たちにとって、従業員の「健康」への投資という分野は明るい機会に満ちあふれているとも感じた。
本書はその投資対効果について、こう紹介している。
「企業にとっては、なんらかの理由で欠勤している従業員をかかえるコストも膨大だが、実は、出勤しているにもかかわらず体調不良のために効率が上がらない従業員をかかえる、いわゆるプレゼンティズムによるコストはその1.5~3倍とも言われている。欠勤とプレゼンティズムの双方を減らすことで、企業はコスト削減だけではなく、生産性や競争力の向上にも大きな力を持つことになるのだ。そして、その投資対効果はおよそ3~10倍(注)。つまり、1万円を投資すれば3~10万円以上のリターンがあると言われている。」
さらに、米ピツニーボウズ社が食堂のメニュー見直し、職場診療サービスの充実、社員向け健康教育の実施、より価値の高い(従業員の健康を促す)支払者(民間医療保険)との提携などの対応を行った結果、2007年には3980万ドル相当の効果を上げたという実績を紹介している。
企業だけではない。国全体で、健康に対する先行投資に力を入れていく。それによって多くの人が元気に働き、経済的にもメリットがあるとしたら、これはなんと魅力的な投資だろう。
経営者、経営を志す人、そして人事労務の専門家にお勧めしたい一冊。また住民の医療・健康に携わる行政職員と健康保険組合など支払者の方々に、とっては今後進むべき方向性を提案する「必読」の一冊。
「そう言われても、それは人口動態と国家財政の問題だから、どうしようもないよねー。自分は健康だし。」
と考えてしまいがちな自分は、この本を年初に読んで本当に良かったと思う。自分のような生活者が、勤労者が、社会投資家が、やるべきことがたくさんあると痛感した。また同時に、私が教員として勤めるグロービスに通っているような経営を志す人たちにとって、従業員の「健康」への投資という分野は明るい機会に満ちあふれているとも感じた。
本書はその投資対効果について、こう紹介している。
「企業にとっては、なんらかの理由で欠勤している従業員をかかえるコストも膨大だが、実は、出勤しているにもかかわらず体調不良のために効率が上がらない従業員をかかえる、いわゆるプレゼンティズムによるコストはその1.5~3倍とも言われている。欠勤とプレゼンティズムの双方を減らすことで、企業はコスト削減だけではなく、生産性や競争力の向上にも大きな力を持つことになるのだ。そして、その投資対効果はおよそ3~10倍(注)。つまり、1万円を投資すれば3~10万円以上のリターンがあると言われている。」
さらに、米ピツニーボウズ社が食堂のメニュー見直し、職場診療サービスの充実、社員向け健康教育の実施、より価値の高い(従業員の健康を促す)支払者(民間医療保険)との提携などの対応を行った結果、2007年には3980万ドル相当の効果を上げたという実績を紹介している。
企業だけではない。国全体で、健康に対する先行投資に力を入れていく。それによって多くの人が元気に働き、経済的にもメリットがあるとしたら、これはなんと魅力的な投資だろう。
経営者、経営を志す人、そして人事労務の専門家にお勧めしたい一冊。また住民の医療・健康に携わる行政職員と健康保険組合など支払者の方々に、とっては今後進むべき方向性を提案する「必読」の一冊。