■内容
女子高校生が戦国時代にタイムスリップ。織田信長に拾われて現代知識を武器に生き抜いていく物語です。
一読してもっとも印象に残るのは、とにかく「ご都合主義」の強烈さ。
主人公は品種改良された現代の野菜やらなにやらの種をたまたま複数持った状態でタイムスリップするのですが…それ、どんな状況だよと。
偶然「サバイバルキットと百科事典と三日分の食料を偶然持ってる状態で無人島にワープ」みたいな、いくらなんでもと思わされる好条件が、主人公の危機を劇中、何度も救います。
作者もご都合主義は認めてるし、むしろ確信犯的にやっているようなのですが、物には限度があるというもの。
たまたま狩猟の知識があって、獣を解体した経験があって、たまたま歴史大好きで、たまたま初っぱなに信長に出会って……
この作品はその限度を初っぱなから全開でぶっちぎり過ぎです。バランス調整がまったくなされてない。
■うんちく要素
本書のウリは、戦国時代のトリビアや農業、狩猟などの豆知識の披露にあると思います。
しょっぱなから「この時代、武将とかの名前は複雑で、時代劇みたいに織田信長をノブナガ様とか部下が呼ぶことはあり得なかった」といった話から入ってますし、そういうのが好きなタイプの作者なのでしょう。
ただ、何というか知識や情報の出し方が、ただの羅列になっていて物語に馴染んでません。
ここは著者の地力がダイレクトに出てしまっている部分です。
つまり、ウィキペディアに書いてあることを丸写ししたような情報の提示であって、描写ではないんですよね。
例えば馬に詳しく、技術のある小説家なら「馬が草の根元付近を食いちぎる独特の音を聞きながら…」とか、情景描写やさりげないシーンに知識や情報を巧みに混ぜて、いかにも「うんちく垂れ流してます」という匂いを消してきます。
なんて言うんでしょう。
どの業界でも、少し慣れてきたレベルの人が初心者相手に業界事情やら技術論やらを得意げに喋りたがるのってあるあるだと思います。
この小説からは個人的にはそれを感じるのです。
経験を詰んだベテランのどっしりとした一言に重みや深みのある感じとは、なんか確実に違う。
それでも知識は知識として楽しめるのですが、本の価格を考えるとレベルが見合っていないように思えました。
■著者の技術
これは明らかに素人です。
フラフラして定まらない主観からしてそうですが、基本的に文章の拙さが目立ちます。
既に述べたように描写ではなく情報やスペックの羅列で物を説明しようという悪癖しかり、基礎のない人が書いているとことは読了まで待つまでもなく、多くの人がすぐに気づくことでしょう。
それからキャラクターですね。
主人公の造形がまず酷い。人間味がない。リアリティが圧倒的に欠如しています。
特殊な能力や経験を持つなら、それに相応しい人物像を描き出し、説得力を持たせなければならないのですが、著者は「自分がそう設定したならそうなのだ」とでも言わんばかりに、読者の理解や共感に無関心です。
だから感情移入ができないし、むしろ「こんな女子高校生がいるか」と気持ちがどんどん冷めていく。
脇を固めるキャラクターもマネキン感が強く、読了して3日も経てば全員忘れてしまうような存在ばかり。
これでは物語は動きません。
総じて、素人が書いた同人どまりの作品だったと思います。千円以上も取れるクオリティでは全くありません。
戦国小町苦労譚 一、邂逅の刻 (アース・スターノベル) (日本語) 単行本(ソフトカバー) – 2016/1/15
夾竹桃
(著)
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本の長さ302ページ
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言語日本語
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出版社泰文堂
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発売日2016/1/15
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ISBN-104803008590
-
ISBN-13978-4803008593
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商品の説明
出版社からのコメント
イラストレーターは、あの「村上海賊の娘」のイラストを描かれた平沢下戸さん!
本作がデビュー作とは思えない完成度の高さを誇る夾竹桃さんの文章と、平沢下戸さんのコラボは必見です。
担当編集T
多くの方々からご好評いただき、発売からわずか1週間で重版決定です!
ありがとうございます! ! !
本作がデビュー作とは思えない完成度の高さを誇る夾竹桃さんの文章と、平沢下戸さんのコラボは必見です。
担当編集T
多くの方々からご好評いただき、発売からわずか1週間で重版決定です!
ありがとうございます! ! !
内容(「BOOK」データベースより)
平々凡々な農業高校生、綾小路静子。祖父の農作業を手伝った帰り道、突然世界が反転。目の前には、憧れの織田信長!?出で立ちから怪しまれるも、静子はとっさに「農業で才を示す」約束をしてしまう。寂れた農村を丸ごと一つ与えられ、来る日も来る日も農業に明け暮れる静子だったが、やがて本人も気づかないうちに、尾張国の「富国強兵」の担い手として大抜擢。激動の歴史に巻き込まれることに―。こんなライトノベル今までになかった!知人に言いたくなる「豆知識」ふんだん系時代小説。「小説家になろう」でも期待されていた作品がついに書籍化!
著者について
夾竹桃
夾竹桃と申します。
普段は社畜なので戦国時代のスローライフに憧れます。
存分にオオカミをもふもふしたいです。
平沢下戸
平沢と申します。
動物は描くのも見るのも好きですが、
子どものころに文鳥を飼ったことがあるきりなので、
オオカミ飼うなんて羨ましいですね。
夾竹桃と申します。
普段は社畜なので戦国時代のスローライフに憧れます。
存分にオオカミをもふもふしたいです。
平沢下戸
平沢と申します。
動物は描くのも見るのも好きですが、
子どものころに文鳥を飼ったことがあるきりなので、
オオカミ飼うなんて羨ましいですね。
登録情報
- 出版社 : 泰文堂 (2016/1/15)
- 発売日 : 2016/1/15
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 302ページ
- ISBN-10 : 4803008590
- ISBN-13 : 978-4803008593
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 98,552位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 5,474位ライトノベル (本)
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
5つ星のうち4.3
星5つ中の4.3
77 件のグローバル評価
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年11月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
架空戦国物は好きですが、気になる点が多すぎて1にしました。
・うんちく多すぎてテンポが悪い
・後付チートが多い、実はこんな事も勉強していましたとか
・作ったものはほとんど投げっぱなし 作る場面は数ページ、使う場面は数行
・主人公の性格が安定しない4重人格
・内面描写が少なくて何を考えているのかわからない
・歴史知識を活用した策の多くが意味なしあるいはスルー
・史実キャラがアホ
・パクリセリフが多い
特に最後のはすごい
実在の偉人の言葉はまだしも小説や漫画の表現も多い
作中でいいセリフと思ったら是非検索してみてください
・うんちく多すぎてテンポが悪い
・後付チートが多い、実はこんな事も勉強していましたとか
・作ったものはほとんど投げっぱなし 作る場面は数ページ、使う場面は数行
・主人公の性格が安定しない4重人格
・内面描写が少なくて何を考えているのかわからない
・歴史知識を活用した策の多くが意味なしあるいはスルー
・史実キャラがアホ
・パクリセリフが多い
特に最後のはすごい
実在の偉人の言葉はまだしも小説や漫画の表現も多い
作中でいいセリフと思ったら是非検索してみてください
2018年6月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最初はコミックスを読み、面白かったので小説も購入。
小説は最新の8巻まで読んだが、物語の部分だけ抜き出すと、ボリュームは4巻分くらいしかないかもしれない。あとの半分は蘊蓄なので、そこをうざいと感じるか、世の中知らないことが沢山あると楽しめるかが評価の分かれ目になる。
文中に出てくる専門用語に注の番号が小さく付され、章末に解説の付いている小説がたまにある。また読んでいて知らない単語や事象が出てくると、スマホで検索した経験もあると思うが、その解説類が本文として物語とともに描かれているのが本書の特徴で、主人公の静子は農業高校の生徒だから最初の頃は農業関連の記述がメインとなる。だが巻が進むにつれて醸造や畜産、工業製品にまで手を広げ、対象となる生産物や製品についての基本的な知識が語られる。
蘊蓄の精度については、著者が「得意は農業系」と明言しているように、他分野についてはいささか怪しい記述がなくもないが、この程度の誤記や勘違いは「専門書」でも散見するから、それをもって本書の重大な瑕疵とするのはフェアではない。むしろ静子の広範囲でチートすぎる知識の源の方が気になるが、タイムスリップ前にスマホに大量のデータをダウンロードしていたようだから、それを適宜参考にしている、と解釈した。
ちなみに物語のスタート時点で静子は「貧乳の女子高生」という設定だが、8巻の時点では7年が経過しており、筋力体力が必須の戦国時代で健康的な日々を過ごした結果、胸も立派に育っている。
小説は最新の8巻まで読んだが、物語の部分だけ抜き出すと、ボリュームは4巻分くらいしかないかもしれない。あとの半分は蘊蓄なので、そこをうざいと感じるか、世の中知らないことが沢山あると楽しめるかが評価の分かれ目になる。
文中に出てくる専門用語に注の番号が小さく付され、章末に解説の付いている小説がたまにある。また読んでいて知らない単語や事象が出てくると、スマホで検索した経験もあると思うが、その解説類が本文として物語とともに描かれているのが本書の特徴で、主人公の静子は農業高校の生徒だから最初の頃は農業関連の記述がメインとなる。だが巻が進むにつれて醸造や畜産、工業製品にまで手を広げ、対象となる生産物や製品についての基本的な知識が語られる。
蘊蓄の精度については、著者が「得意は農業系」と明言しているように、他分野についてはいささか怪しい記述がなくもないが、この程度の誤記や勘違いは「専門書」でも散見するから、それをもって本書の重大な瑕疵とするのはフェアではない。むしろ静子の広範囲でチートすぎる知識の源の方が気になるが、タイムスリップ前にスマホに大量のデータをダウンロードしていたようだから、それを適宜参考にしている、と解釈した。
ちなみに物語のスタート時点で静子は「貧乳の女子高生」という設定だが、8巻の時点では7年が経過しており、筋力体力が必須の戦国時代で健康的な日々を過ごした結果、胸も立派に育っている。
2021年4月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本の前半分分はかなり読むのがきつかったです。中学生が書いた日記のような物が延々と綴られていました。。。。。
物語性はほぼ無く、淡々と出来事が書いてあるような感じでした。
過去に転移したのにも関わらず全く動揺していないとか、村を開発していくという内容なのに前半では村人の名前すらでてこないとか、疑問点がつきまくる内容でした。
後半になってやっと村人と会話するシーンとか出てきて、人の血が通っているのかと安堵したくらいです。
内容は面白い気もしますが、前半部分があまりにも酷かったです。
物語性はほぼ無く、淡々と出来事が書いてあるような感じでした。
過去に転移したのにも関わらず全く動揺していないとか、村を開発していくという内容なのに前半では村人の名前すらでてこないとか、疑問点がつきまくる内容でした。
後半になってやっと村人と会話するシーンとか出てきて、人の血が通っているのかと安堵したくらいです。
内容は面白い気もしますが、前半部分があまりにも酷かったです。