あなたは自分の「志」について考えたことがありますか?
著者・島岡由美子が、学生時代に夏の北海道旅行で知り合った島岡強は、志の重要さと「先憂後楽」「一期一会」を説く「カクメイジ(革命児)」だった。
彼が発する強力な磁力にひきつけられて、結婚。島岡強とともにアフリカに渡った島岡由美子が身を持って体験したのは、異文化の厳しい現実。そしてなによりも、「自分は何のために生きているのか」という根源的な問いかけと直面せざるをえない試練だった。
タンザニアのザンジバルで、1987年から、漁業、運送業、輸出産業育成、柔道指南などさまざまな現実的実践を行っている島岡強の活動と、その根源をなす強靭な思想を、妻・同伴者の立場から、クールにそしてホットに描き切ったノンフィクションの秀作に、新たに60点を超える写真を加えて「新版」として出版する。
発想力と行動力の衰退と、硬直した内向き志向が目立つ現代日本人にとって、遠いアフリカの地に根づいて、「志」を説き続ける日本人夫婦の姿は、新鮮な衝撃をもたらすものである。
口先だけで空疎な「扇動屋」とも、ただ壊すことだけが目的の「戦争屋」とも異なり、アフリカの人々の生活を変え、意識を変えようと、独力で地道な努力を重ね、成果を生み出している彼らの軌跡は、私たちの現在と将来について改めて考えるきっかけを与えてくれる。
1987年からザンジバルに暮らす日本人の軌跡は、人間存在の本質について考えさせる。
たゆみない実践と日々の喜怒哀楽とを心やさしいまなざしで描くノンフィクションの秀作に、写真ページを加えた新版。
2003年朝日新聞社より刊行された「我が志アフリカにあり」が、2012年9月、写真ページを加えて装い新たに新版発刊!