以前BSフジの番組で著者が他のいわゆる「原理主義的護憲派」の学者といっしょに出ていて、番組中でその護憲派学者をボロクソに言っているのに驚きました。
元々著者のことを「リベラル」との認識しかなかったのでバリバリの「護憲派」かと思っていたのでリベラルにも著者のような考え方の人がいるのが一種驚きでした。
9条削除論は著者以外からはあまり聞こえて来ない論点だと思いますが、国民の民主的議論に委ねるべき安全保障を憲法で縛ることが間違いと言う主張は新鮮と言いますか、目からウロコ的なものでした。
それに関連して徴兵制の主張は、三浦瑠麗さんが出された「21世紀の戦争と平和」に通じるものがあると感じました。
私としては9条については、自衛隊容認の立場から、できれば改正した方が望ましいが、国民の大多数が自衛隊と日米安保を容認している現状からして敢えてここで国論を二分する論争を起こすことは得策ではない、また国民投票で万が一否決されたらどうなるのかとの考えでした。
著者は学者としての良心からそのような欺瞞を許せないのだと思いますが、まだ私として著者の理論に反論はできないまでも現実の選択肢として賛同はできかねると言うのが正直な感想です。
この商品をお持ちですか?
マーケットプレイスに出品する
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません 。詳細はこちら
Kindle Cloud Readerを使い、ブラウザですぐに読むことができます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
憲法の涙 リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください2 単行本 – 2016/3/16
購入を強化する
改憲派も、護憲派も、ウソばっかり!
立憲主義とは何か。民主主義とは何か。
日本を代表する法哲学者が吼える。
読書界震撼の「リベ・リベ」、第2弾!
[目次]
第1章 護憲派は何を守りたいのか
第2章 改憲とフェアプレー
第3章 憲法学を疑う
第4章 愚行の権利・民主主義の冒険
[本書の内容から]
【カルト化した憲法学】学問の中立性を捨て去り、特定政治勢力の広告塔となった憲法学。著名護憲派学者たちを徹底批判!
【愚かな安倍政権】集団的自衛権行使で米国にご奉仕する見返りはあるのか? 日米安保・沖縄問題など安全保障のあるべき姿を直言する。
【九条削除論再説】なぜ九条は削除すべきか。なぜ徴兵制か。著者の持論「九条削除論」への批判・疑問に応える。
【これこそが民主主義】反権力の独善に酔うな。クールな知性で考えよ。参院選を前に、立憲主義と批判的民主主義の真髄を語る。
[「あとがき」より]
本書は、前著『リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください――井上達夫の法哲学入門』(毎日新聞出版、二〇一五年六月刊行)の続編である。
(中略)
このたび、前著の続編を刊行することになったのは、特に反響の大きかった憲法・安全保障問題に関する私見について、誤解を解き、批判に応答することにより、その趣旨をさらに明確にして再擁護するためである。また前著で触れられなかった重要な論点について敷衍することも目的としている。前著刊行後、安保法制反対派による大規模な国会前デモなど、護憲派の巻き返しともいうべき政治状況も見られたので、この状況への応答として、私見を再擁護し敷衍する必要を感じたことも動機になっている。
本書の書名「憲法の涙」は、前著と同様、インタビューアーたる編集者、志摩和生氏の提案による。第1章の題辞に掲げた次のメッセージに相応しい書名だと思う。
「日本国憲法は、今、泣いています」
「憲法は、なぜ泣いているのでしょうか。改憲派の九六条改変の試みや、九条解釈改憲によって、いじめられているからですか」
「そうですね、それも辛いですね。でも、もっと辛いわけがあります」
「それは何でしょうか」
「憲法を守ると誓っているはずの護憲派によって、無残に裏切られているからです」
(後略)
立憲主義とは何か。民主主義とは何か。
日本を代表する法哲学者が吼える。
読書界震撼の「リベ・リベ」、第2弾!
[目次]
第1章 護憲派は何を守りたいのか
第2章 改憲とフェアプレー
第3章 憲法学を疑う
第4章 愚行の権利・民主主義の冒険
[本書の内容から]
【カルト化した憲法学】学問の中立性を捨て去り、特定政治勢力の広告塔となった憲法学。著名護憲派学者たちを徹底批判!
【愚かな安倍政権】集団的自衛権行使で米国にご奉仕する見返りはあるのか? 日米安保・沖縄問題など安全保障のあるべき姿を直言する。
【九条削除論再説】なぜ九条は削除すべきか。なぜ徴兵制か。著者の持論「九条削除論」への批判・疑問に応える。
【これこそが民主主義】反権力の独善に酔うな。クールな知性で考えよ。参院選を前に、立憲主義と批判的民主主義の真髄を語る。
[「あとがき」より]
本書は、前著『リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください――井上達夫の法哲学入門』(毎日新聞出版、二〇一五年六月刊行)の続編である。
(中略)
このたび、前著の続編を刊行することになったのは、特に反響の大きかった憲法・安全保障問題に関する私見について、誤解を解き、批判に応答することにより、その趣旨をさらに明確にして再擁護するためである。また前著で触れられなかった重要な論点について敷衍することも目的としている。前著刊行後、安保法制反対派による大規模な国会前デモなど、護憲派の巻き返しともいうべき政治状況も見られたので、この状況への応答として、私見を再擁護し敷衍する必要を感じたことも動機になっている。
本書の書名「憲法の涙」は、前著と同様、インタビューアーたる編集者、志摩和生氏の提案による。第1章の題辞に掲げた次のメッセージに相応しい書名だと思う。
「日本国憲法は、今、泣いています」
「憲法は、なぜ泣いているのでしょうか。改憲派の九六条改変の試みや、九条解釈改憲によって、いじめられているからですか」
「そうですね、それも辛いですね。でも、もっと辛いわけがあります」
「それは何でしょうか」
「憲法を守ると誓っているはずの護憲派によって、無残に裏切られているからです」
(後略)
- 本の長さ168ページ
- 言語日本語
- 出版社毎日新聞出版
- 発売日2016/3/16
- ISBN-104620323756
- ISBN-13978-4620323756
よく一緒に購入されている商品
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
改憲派も護憲派もウソばっかり!立憲主義とは何か。民主主義とは何か。日本を代表する法哲学者が吼える。読書界震撼の「リベ・リベ」、第2弾!
著者について
井上達夫(いのうえ・たつお)
1954年、大阪市生まれ。77年、東京大学法学部私法コース卒業。東京大学法学部・教養学部助手、千葉大学法経学部助教授、ハーバード大学哲学科客員研究員、東京大学法学部助教授を経て、95年より東京大学大学院法学政治学研究科教授。法哲学専攻。86年、『共生の作法――会話としての正義』で、(86年度)サントリー学芸賞(思想・歴史部門)受賞。2005年、『法という企て』で、第17回(04年度)和辻哲郎文化賞(学術部門)受賞。09~13年、日本法哲学会理事長。05~14年、日本学術会議会員。
1954年、大阪市生まれ。77年、東京大学法学部私法コース卒業。東京大学法学部・教養学部助手、千葉大学法経学部助教授、ハーバード大学哲学科客員研究員、東京大学法学部助教授を経て、95年より東京大学大学院法学政治学研究科教授。法哲学専攻。86年、『共生の作法――会話としての正義』で、(86年度)サントリー学芸賞(思想・歴史部門)受賞。2005年、『法という企て』で、第17回(04年度)和辻哲郎文化賞(学術部門)受賞。09~13年、日本法哲学会理事長。05~14年、日本学術会議会員。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
井上/達夫
1954年、大阪市生まれ。77年、東京大学法学部私法コース卒業。東京大学法学部・教養学部助手、千葉大学法経学部助教授、ハーバード大学哲学科客員研究員、東京大学法学部助教授を経て、95年より東京大学大学院法学政治学研究科教授。法哲学専攻。86年、『共生の作法―会話としての正義』で、(86年度)サントリー学芸賞(思想・歴史部門)受賞。2005年、『法という企て』で、第17回(04年度)和辻哲郎文化賞(学術部門)受賞。09~13年、日本法哲学会理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1954年、大阪市生まれ。77年、東京大学法学部私法コース卒業。東京大学法学部・教養学部助手、千葉大学法経学部助教授、ハーバード大学哲学科客員研究員、東京大学法学部助教授を経て、95年より東京大学大学院法学政治学研究科教授。法哲学専攻。86年、『共生の作法―会話としての正義』で、(86年度)サントリー学芸賞(思想・歴史部門)受賞。2005年、『法という企て』で、第17回(04年度)和辻哲郎文化賞(学術部門)受賞。09~13年、日本法哲学会理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1分以内にKindleで 憲法の涙 リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください2 をお読みいただけます。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
5つ星のうち3.9
星5つ中の3.9
31 件のグローバル評価
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2020年5月6日に日本でレビュー済み
違反を報告する
Amazonで購入
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
ベスト500レビュアーVINEメンバー
Amazonで購入
著者が当たり前に使っている普段の言葉に私の語彙力がついていけていないのを深く感じる一冊。
それが心地いいくらいですね。
こんな経験あんまりないんですが、本当にそれを実感できますので一文1文をしっかりと読み込まねば理解できません。
前作でも紹介していた「徴兵制だからこそ戦争に慎重になる」は相変わらず説得力がある。
9条があるから歯止めが効かなくなっている、というのも確かにその通りですね。
「自分の権力性が一番怖い」というのはわれわれ皆が意識していなければいけないことですね。
権力主体としての自分がくるってしまう危険性への歯止めとしての徴兵制とはごもっとも。
安保の庇護と天恵のような政治的基盤(農地改革)も与えらえたことには今まで気が付きませんでしたね。
そこに触れないのは欺瞞でしょう、と。
みんな愚かだからこそ民主主義が必要、なんですね。
井上さんの著書をもっと読み込んでみたいと思いました。
それが心地いいくらいですね。
こんな経験あんまりないんですが、本当にそれを実感できますので一文1文をしっかりと読み込まねば理解できません。
前作でも紹介していた「徴兵制だからこそ戦争に慎重になる」は相変わらず説得力がある。
9条があるから歯止めが効かなくなっている、というのも確かにその通りですね。
「自分の権力性が一番怖い」というのはわれわれ皆が意識していなければいけないことですね。
権力主体としての自分がくるってしまう危険性への歯止めとしての徴兵制とはごもっとも。
安保の庇護と天恵のような政治的基盤(農地改革)も与えらえたことには今まで気が付きませんでしたね。
そこに触れないのは欺瞞でしょう、と。
みんな愚かだからこそ民主主義が必要、なんですね。
井上さんの著書をもっと読み込んでみたいと思いました。
2016年7月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
井上達夫先生はともかく論理が一貫していることをもっとも大切にしていて、しかもその理論が個人の生き方(というと卓越主義的な表現と批判されるかも知れませんが)や国家・社会の構成原理、そしてもちろん法哲学に至るまで終始一貫して整合的に説明し尽している点がとっても爽快な印象を研究者を含む読者に与えていると思います。
この本は憲法9条問題に特化した、やや時事的な内容ですが、井上哲学の核心である「普遍化不可能な差別の排除」とそこから帰結する「反転可能性要請(相手の立場に立ったときに認められないことは容認しない)」と「論議開放性(どんな構想も開かれた対話のなかで吟味され続けなければなならない)」に基づいた議論になっています。
ひとが自分の人生を誠実に生きようと思ったとき、ちゃんと考えて、きちんとした理念を持ちたいと願うものです。
そういう向学心をとっても刺激する本だと思います。
この本は憲法9条問題に特化した、やや時事的な内容ですが、井上哲学の核心である「普遍化不可能な差別の排除」とそこから帰結する「反転可能性要請(相手の立場に立ったときに認められないことは容認しない)」と「論議開放性(どんな構想も開かれた対話のなかで吟味され続けなければなならない)」に基づいた議論になっています。
ひとが自分の人生を誠実に生きようと思ったとき、ちゃんと考えて、きちんとした理念を持ちたいと願うものです。
そういう向学心をとっても刺激する本だと思います。
2016年9月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
集団的自衛権に関する考えこそ自分とは違うものの、その考え方、意見は、一つの選択肢として、スンナリ入ってきました。世の中のリベラルを自称する人達の考え方にウンザリしていたところ、この本に出会い、「本物のリベラルというのはこういう考え方なのか」と好感を持つことが出来ました。また昨年の国会中継などで「憲法は権力(国)を縛るもの」という言質が良く出てきて、「確かにそうなんだけど、何か少し違うような気がするな~」と思っていたのですが、作者も同じ考えを持っていて、それに対する答えを示していたので、理解が深まりました。
憲法のことをおさらいしたくて、この本と同時に「新進気鋭の若手憲法学者」と称される方の本を先に読みましたが、こちらの方は「どこが新進気鋭なんだ?」と首を捻りながらモヤモヤした気分で読んだのですが、その後にこの本を読んだことで、非常にスッキリすることが出来ました。自分は保守の考えに近いのですが、リベラルがこの作者の様な方達ばかりであれば、更に議論が深まり祖国がより良い方向に向かうと思います。
憲法のことをおさらいしたくて、この本と同時に「新進気鋭の若手憲法学者」と称される方の本を先に読みましたが、こちらの方は「どこが新進気鋭なんだ?」と首を捻りながらモヤモヤした気分で読んだのですが、その後にこの本を読んだことで、非常にスッキリすることが出来ました。自分は保守の考えに近いのですが、リベラルがこの作者の様な方達ばかりであれば、更に議論が深まり祖国がより良い方向に向かうと思います。
2017年4月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
リベラルの原点はフェアネスつまり公正さであるとする著者のスタンスは極めて明快だ。
自分ができないことを他人に押し付けてはならない。
自分がベネフィットを受けているなら、応分の責任を負わなければならない。
つねに、フェアネスの原則に立ち戻る著者の議論は、議論のお手本のような切れ味で、多くの若者に読んでほしい一冊。
安倍内閣が解釈改憲で容認しようとしている集団的自衛権を否定しながら、戦力の保持を禁じた現行憲法9条を解釈改憲し自衛隊の存在と個別的自衛権だけを容認している護憲派の矛盾を、本書では(前著でもだが)クリアに論じる。
「護憲」と言いながら、自分たちの解釈改憲だけは認めて、自分たちの気に入らない解釈改憲は認められないとするフェアではない態度は著者にとって我慢ならない。それは、憲法を国民から乖離した存在に貶めようとする「護憲」とは程遠い立場に他ならない。
その不誠実さは、日米安保による平和を享受しながらその責任を沖縄にだけ集中的に押し付けている態度や、同じく命を賭けて国防にあたる自衛隊員を条文通り読めば違憲状態に置いたままにする態度に等しい。それを、「欺瞞」だと断じる著者の論理は痛快だ。
「法律の現実を形作っているのは法律家共同体のコンセンサスです。国民一般が法律の解釈をするわけにいかないでしょう」という法学コミュニティの独善を平然と述べる長谷部恭男の傲慢、かつて改憲派だったが突然護憲派になり選挙にまで立候補した小林節の変節。
朝日新聞なども加担した、集団的自衛権容認反対の矛盾と欺瞞を明らかにする。
「護憲派は、憲法を守ると言いながら、憲法違反の自衛隊・安保の現実を専守防衛の枠内ならOKと政治的に是認している。しかも、この矛盾を解消するために必要な専守防衛明記の新九条制定を求める改憲運動も拒否している。護憲と言いながら、その実、違憲事態を存続させようとしている。憲法を裏切っているという点では護憲派のほうが罪が重いでしょう」
だが、著者は集団的自衛権を容認するもちろん護憲派の欺瞞を突く一方で、安倍政権への手厳しい論評もある。
著者ただひたすら、真のリベラルが体現するフェアネスを追求している。政治的立場とも憲法学者に色濃い学閥とも無縁であろう。
だからこそメディアが使う「改憲」「護憲」「立憲主義」といった一見もっともらしいレッテルを盲目的に受け入れる前に、本書をお勧めしたい。
自分ができないことを他人に押し付けてはならない。
自分がベネフィットを受けているなら、応分の責任を負わなければならない。
つねに、フェアネスの原則に立ち戻る著者の議論は、議論のお手本のような切れ味で、多くの若者に読んでほしい一冊。
安倍内閣が解釈改憲で容認しようとしている集団的自衛権を否定しながら、戦力の保持を禁じた現行憲法9条を解釈改憲し自衛隊の存在と個別的自衛権だけを容認している護憲派の矛盾を、本書では(前著でもだが)クリアに論じる。
「護憲」と言いながら、自分たちの解釈改憲だけは認めて、自分たちの気に入らない解釈改憲は認められないとするフェアではない態度は著者にとって我慢ならない。それは、憲法を国民から乖離した存在に貶めようとする「護憲」とは程遠い立場に他ならない。
その不誠実さは、日米安保による平和を享受しながらその責任を沖縄にだけ集中的に押し付けている態度や、同じく命を賭けて国防にあたる自衛隊員を条文通り読めば違憲状態に置いたままにする態度に等しい。それを、「欺瞞」だと断じる著者の論理は痛快だ。
「法律の現実を形作っているのは法律家共同体のコンセンサスです。国民一般が法律の解釈をするわけにいかないでしょう」という法学コミュニティの独善を平然と述べる長谷部恭男の傲慢、かつて改憲派だったが突然護憲派になり選挙にまで立候補した小林節の変節。
朝日新聞なども加担した、集団的自衛権容認反対の矛盾と欺瞞を明らかにする。
「護憲派は、憲法を守ると言いながら、憲法違反の自衛隊・安保の現実を専守防衛の枠内ならOKと政治的に是認している。しかも、この矛盾を解消するために必要な専守防衛明記の新九条制定を求める改憲運動も拒否している。護憲と言いながら、その実、違憲事態を存続させようとしている。憲法を裏切っているという点では護憲派のほうが罪が重いでしょう」
だが、著者は集団的自衛権を容認するもちろん護憲派の欺瞞を突く一方で、安倍政権への手厳しい論評もある。
著者ただひたすら、真のリベラルが体現するフェアネスを追求している。政治的立場とも憲法学者に色濃い学閥とも無縁であろう。
だからこそメディアが使う「改憲」「護憲」「立憲主義」といった一見もっともらしいレッテルを盲目的に受け入れる前に、本書をお勧めしたい。
2016年7月3日に日本でレビュー済み
護憲派の矛盾を鋭く衝く。憲法9条を素直に読めば、自衛戦争を禁じ、非武装中立を命じているとしか考えられない。集団的自衛権行使はもとより、個別的自衛権行使も認められないはずと著者は正しく指摘する。
つまり自衛隊と日米安保条約は存在自体が憲法違反である。これはかつて主流派、今も多数派の原理主義的護憲派憲法学者の主張で、9条解釈としては正しい。彼らは、自衛隊と安保を合憲とする内閣法制局見解を批判してきた。
ところが長谷部恭男早大教授ら最近の修正主義的護憲派憲法学者は、集団的自衛権は違憲と批判しつつ、個別的自衛権とその範囲での自衛隊、日米安保は合憲と言う。これは詭弁であり解釈改憲であると著者は批判する。
旧来の原理主義的護憲派は政治的配慮からか、自衛隊・安保合憲論を批判しなくなった。樋口陽一東大名誉教授のように、自説を変えたわけでもないのに、個別的自衛権肯定の声明に名を連ねた人さえいる。学問的良心に反すると著者は批判する。
リバタリアン的解釈では、9条は政府の武力を禁じるが、民間の武力は禁じていないと考えられる。9条を守ると非暴力抵抗しかできないという著者はそこを見落としている。著者の持論である徴兵制導入にも賛同できない。だが護憲派批判は的を射る。
前著『リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください』は、リベラル派の国家主義的発想が強すぎて辟易したが、今回の続編で的を絞ってていねいに述べられた護憲派批判は説得力がある。
つまり自衛隊と日米安保条約は存在自体が憲法違反である。これはかつて主流派、今も多数派の原理主義的護憲派憲法学者の主張で、9条解釈としては正しい。彼らは、自衛隊と安保を合憲とする内閣法制局見解を批判してきた。
ところが長谷部恭男早大教授ら最近の修正主義的護憲派憲法学者は、集団的自衛権は違憲と批判しつつ、個別的自衛権とその範囲での自衛隊、日米安保は合憲と言う。これは詭弁であり解釈改憲であると著者は批判する。
旧来の原理主義的護憲派は政治的配慮からか、自衛隊・安保合憲論を批判しなくなった。樋口陽一東大名誉教授のように、自説を変えたわけでもないのに、個別的自衛権肯定の声明に名を連ねた人さえいる。学問的良心に反すると著者は批判する。
リバタリアン的解釈では、9条は政府の武力を禁じるが、民間の武力は禁じていないと考えられる。9条を守ると非暴力抵抗しかできないという著者はそこを見落としている。著者の持論である徴兵制導入にも賛同できない。だが護憲派批判は的を射る。
前著『リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください』は、リベラル派の国家主義的発想が強すぎて辟易したが、今回の続編で的を絞ってていねいに述べられた護憲派批判は説得力がある。


