気鋭の若手評論家の初小説!

南部照一は、孤独な自営業者だった。茨城県取手市在住。猫と車を愛する27歳の平坦な人生は、ネット上のとある出会いによって狂っていく。

ひょんなことから保守系言論人の勉強会に参加し、中堅警備会社「シュトケイ」の懸賞論文に応募するや、入選。一躍、保守論壇の新星に祭り上げられ、日本唯一の右派系テレビ局「よもぎチャンネル」レギュラー出演者への道が拓けていく。

順風満帆の照一だったが、彼が足を踏み入れたのは、野心と嫉妬が渦巻き、裏切りや出し抜きが横行する下劣な世界だった。論客同士のパイの奪い合いから、思いも寄らぬ襲撃事件が発生した――。

◎気鋭の若手論客、古谷経衡氏による初小説。単行本発売時、ネット右翼を騒然とさせた話題作が早くも文庫化! 解説に元外務省主任分析官・佐藤優氏。

<小説の体裁を取っているが、右派の論壇人としてデビューした古谷経衡氏にしか書けない優れた社会人類学的作品だ。21世紀の日本で、愛国心を道具にして、排外主義的ナショナリズムが生成していく過程が見事に描かれている。>――解説/作家・佐藤優氏

【編集担当からのおすすめ情報】
あらかじめ断っておきますが、ヘイト本ではありません。著者が身を置いた保守論壇の世界が冷笑的に描かれています。日本がうまくいかない理由のほぼ全てを既存のマスコミに求める陰謀論者・波多野謙、韓国には一度も行った経験がないのにネットの断片的な嫌韓情報をもとに「韓国経済崩壊」をしきりに説く土井賢治ほか、「ネット右翼」に崇められるカリスマ論客たちの残念すぎる生態が詳らかになります。

本の長さ

443ページ
言語

日本語
出版社

小学館
発売日

2019/11/6
寸法

10.5 x 1.5 x 15 cm
ISBN-10

4094067175
ISBN-13

978-4094067170
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商品の説明

内容（「BOOK」データベースより）

南部照一は、孤独な自営業者だった。茨城県取手市在住。猫と車を愛する27歳の平坦な人生は、保守系言論人の勉強会に参加したことで狂っていく。警備会社「シュトケイ」の懸賞論文に応募し、入選。一躍、保守論壇の新星に祭り上げられ、右派系テレビ局「よもぎチャンネル」レギュラー出演者への道が拓けていった。順風満帆に見えたが、彼が足を踏み入れたのは野心と嫉妬が渦巻き、裏切りが横行する下劣な世界だった。論客同士のパイの奪い合いから思わぬ事件も発生する―。保守論壇からデビューした著者の実体験を基にした小説。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

古谷/経衡
1982年札幌市生まれ。文筆家。立命館大学文学部史学科(日本史)卒業。インターネット、ネット右翼、若者論などを中心に言論活動を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

出版社 : 小学館 (2019/11/6)
発売日 : 2019/11/6
言語 : 日本語
文庫 : 443ページ
ISBN-10 : 4094067175
ISBN-13 : 978-4094067170
寸法 : 10.5 x 1.5 x 15 cm

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ミスター・ディグ

ビジネス右翼の浅ましさ

2020年6月18日に日本でレビュー済み

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2度目の削除だが、再投稿。
本書は、著者による初めての小説である。小説という形式ではあるが、本書の内容は著者の実体験に基づいているので、多少は脚色されているけれども、非常に説得力があり、読む者を惹きつける。この本1冊だけでも、いわゆるビジネス右翼の姿を大体は把握できるだろう。、愛国商売にのめりこむ人々の浅ましさはもとより、何故そのような商売に手を染めてしまうのかが描かれているのが興味深い。所詮一部の極端な人々向けのニッチ戦略・産業ではあるのだが、金に困った学者やジャーナリストの受け皿として、いわゆる曲学阿世の徒を多数輩出している事は嘆かわしい限りである。

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KNKNO

ネットが生み出した魔物「ネトウヨ」の生態を上手くとらえている。

2019年11月27日に日本でレビュー済み

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作中に登場するよもぎチャンネルに出演している保守論客はお金儲けが得意な、保守層ピラミッドの中でも上位の存在であることは周知の事実である。彼らの対極として存在するのが、お金を貢ぎ、無給でせっせと保守言論人の宣伝や手伝いをする連中である。私は今作品でこのような存在に注目した。
作中の波多野や土井を無条件で信奉したり、北見主催の講演会で昭一に質問を浴びせた人間のような層。保守層の中で最下層に位置している者たちである。今のネット社会(リアル社会にも昨今の国際情勢の中、見かけるようにもなったが)はビジウヨの食い物にされているのに気づかず、日本を愛していると錯覚し、日々ネットで愛国活動をしている人間が多い。このような保守層ピラミッドの中で最底辺と呼ばれる層の描写が秀逸だった。「ネットで知った情報によると・・・」「文献は読んだことがないがネットの情報によると・・・」と、北見主催の講演会で昭一に質問した参加者がいたが、これがピラミッドの最底辺の人間の生態だと私も感じている。今は縁を切ったが数人知り合いにこのような思考の人間がいた。
ネットが現在のような無法地帯である限り、ビジネスが上手い保守言論人とリテラシー能力のない反知識層がいる限り、この構図は続き、そしてネットが生み出した魔物であるネトウヨが次々と生まれ続けるだろう。
古谷氏はネトウヨから「パヨク」、「売国商売」などと既に批判をされている。しかし、古谷氏が言う通り、商売をしたいなら「ウヨク」の方が楽なのは周知の事実である。
中国韓国を批判し(ソース不明瞭でも関係ない)、日本をヨイショすればどんなグロテスクな書籍でも売れる今の時代。
「サヨク」に転向しても何もいいことはないだろう。古谷氏は右翼でも左翼でもなく、中道の身で、一度保守界に身を置き、保守言論界の拝金主義、ネトウヨの反知性主義に辟易し今の立ち位置に、そして「愛国商売」を著したのであろう。

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Amazon カスタマー

ネット右翼を自覚している人にはとてもお薦めです(勿論、自覚していないネット右翼にも)。

2019年11月15日に日本でレビュー済み

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非常に面白かったです。いわゆる保守ビジネスの実態が分かりやすく記載されており、また皮肉に満ちたネット右翼の表現も、実態を的確に表していると思いました。また文体も読みやすく、ストーリーとしても面白いものに仕上がっているので、単純に小説としても楽しめます。ネット右翼と自覚している人、ネット右翼とは何ぞやと思っている人には勿論、保守ビジネスに嵌っている人には是非読んでいただきたい本だと思いました。

56人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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Amazon カスタマー

小説としては…

2019年12月3日に日本でレビュー済み

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「保守」論壇という一般の読者が知らない業界のあまりにもお粗末な実情が、実際にこの世界の住人であった作者ならではの視点から面白おかしく描かれている。日頃から露骨なヘイトをネット上でまき散らす輩に辟易としていた自分としては、留飲の下がる思いがした。
　一方で、主人公の一貫して冷めた姿勢から自称「保守」の人々を見つめる態度は、小説としてはいかがなものかとも思った。実際に作者が初めからこの業界に違和感を感じていたのでそうなっているのかもしれないが、主人公は彼らとの交流を通して、内的になんらかの変化があったわけでも、精神的に成長したわけでもない。保守系のテレビ局から若手のホープとして祭り上げられたときに、主人公は（あるいは作者）は本当に自分を保てていたのだろうか。人格的な歪みが生じなかったのだろうか。有名になるにつれ放埓になる女性関係などについては、何の反省も書かれていない。また、主人公は自分の性生活を誇示する一方で、「保守」の人々がいかに身体的魅力に欠けるかを強調し、バカにする癖がある。美人の恋人をうだつの上がらない活動家にひけらかし、優越感を得る結末のくだりは不快にさえ感じられ、結局のところヘイトを繰り返した結果、しかるべき罰を受ける波多野某の方がかわいげあるように見えてしまう。
　確かにネット右翼の醜い正体を知る上では興味深く、痛快な作品であった。しかし、主人公が作者の分身であるとするならば、この業界に足を踏み入れてしまった過去の自分に対する内省はあってしかるべきなのではなかろうか。その辺が、この作品に星５つをつけられない理由である。

33人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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たっくん

保守論壇は保守ではない

2019年11月26日に日本でレビュー済み

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いくつか妄想で補いつつも、要点は押さえているように思いました。
私もかねがね思っていた韓国に対して差別発言を繰り返す連中はなぜその矛先にアメリカに向けないのかということを筆者も思っているのでしょう。
中国韓国差別はあまりにワンパターンですが、10年はそれで飯を食えているというのは正直これを読みながら驚いたもんです。

24人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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Amazon カスタマー

小説としてはかなりの駄作だな。

2020年2月23日に日本でレビュー済み

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作家には敬意を持っている。
小説は必ず買うようにしているし、中古も求めない。図書館も利用しない。
印税等により作家の生活が安定し、創作意欲がわいて欲しいと思っている。
論客としては注目していたが、かなり残念は気分だ。
久しぶりに読んで不快極まりない作品だった。
子供に自慢話を聞かされた気分だった。女遍歴はこのストーリーに要らないだろと思うし、老人を小バカにた表現はかなりの違和感がある。　そういう奥の深い作品もたくさんある事は承知しているが、これはそうではないだろう。　

25人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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Amazon Customer

著者の実体験に基づいた右翼ジャーナリズムの実情描く

2019年12月5日に日本でレビュー済み

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　文化放送のラジオ番組「大竹まことゴールデンラジオ」に著者の古谷経衡氏が出演し、この本について語っていたのを聞き、興味を持ったため電子書籍版を買い求めて読んでみました。右翼系の「桜チャンネル」の周辺でうごめく評論家たちの生態がよく描かれていると思います。私自身は産経新聞や読売新聞、桜チャンネル、「WILL」、「HANADA」といった保守派のメディアには興味がなく、購読することはありませんが、安倍政権が長期化する中、体制寄りのコメンテーター同士の派閥争いなどはリアリティーがあり、モデルとなったであろう人物をあれこれ想像して楽しませてもらいました。

17人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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yawara

岩尾徹

2019年11月17日に日本でレビュー済み

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面白かったです。小説としては初めてだということで次回作を期待したいです。で。私、筒井康隆のファンでして。筒井康隆ももう先が短いと思うんですよね。最近とみに老け込んでいる。そこで是非古谷経衡さんには頑張っていただきたい。そこでですね。ひとつ注文があります。作中でドッハーと笑える部分も作っていただけると私としては満足です。もうひとついいですか。作品の後半に出てくる人物紹介はなるべく簡単にしてストーリー展開を重視して頂けると嬉しいです。では、うざいなぁーと思ったら無視してください。

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