79年発表の5作目。全8曲中の半数の4曲(3.4.5.7.)をオリジナルで固めた充実作で、そのオリジナルの中から5.がヒットしている。ラルフ・ハンフリー(dr)、アブラハム・ラボリエル(b)、スコット・エドワーズ(b) らリズム隊を中心とした多数の外部ミュージシャンが加わっており、今までのほとんどを自身で手掛けた手作り路線から一歩進んだ作品となっている。本作の聞き物の本道はもちろんテニールのヴォーカルだが、ダリルの操るアープ、ムーグ、オーバーハイムなどの各種シンセサイザーのサウンドも聞き物の一つだと思う。
1.はソウル/ゴスペル路線のテニールの資質を活かした曲で、そのスケールの大きさに圧倒するが、いきなりシンセ・ドラムがビョコビョコ登場するなど遊び心を見せており、それが適度の空気抜きとなって暑苦しさを感じさせない。2.はシンセ・ベースが導入されたファンク/ディスコ風味の曲で、次作に通じる仕上がりである。涼し気なストリングス・アンサンブル系のサウンドも今となっては懐かしい。3.は重厚なソウル・バラード。オリジナルだが既にスタンダードのような説得力を感じる曲である。4.はクラヴィを中心に置いたディスコ調の曲だが、シンセの使用もあって同時代のブラコン/フュージョン的な雰囲気も強い。4つ打のベードラやきらびやかなシンセのトーンを聞いていると初期のYMOを思い出す人も多いだろう。両者ともにハービー・ハンコックあたりの影響ということで共通点もあるのかもしれない。5.はカーペンターズのソウル風とも言うべき初期の彼らを思い出させる必殺のバラード。ヒットも当然だろう。8.は「トウキョー」「オハヨー」などの日本語も語呂合わせ的に導入して余裕を見せている。
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