些細な事にも伏線を張り、読者自身が回収できる物語でした。逆に言えば、読者が覚えていない心理描写などに関してはスルーされることになりますね。
私はアニメ版を見ており、なんとなく筋書きを知って読めた為そういった点に気付きやすかったのかもしれません。
まだ未読の方、ぜひこの本を読む際は気になった文章を頭の片隅にでも置いておきながら読んでみて下さい。もしくは、一度読み終えたあと時をおいてから再び読んでみるのも楽しめる秘訣かと思います。
愚者のエンドロール (角川文庫) (日本語) 文庫 – 2002/7/31
その他 の形式およびエディションを表示する
他の形式およびエディションを非表示にする
購入を強化する
-
本の長さ256ページ
-
言語日本語
-
出版社KADOKAWA
-
発売日2002/7/31
-
ISBN-10404427102X
-
ISBN-13978-4044271022
よく一緒に購入されている商品
こちらもおすすめ
ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
Kindle 端末は必要ありません。無料 Kindle アプリのいずれかをダウンロードすると、スマートフォン、タブレットPCで Kindle 本をお読みいただけます。
1分以内にKindleで 愚者のエンドロール 「古典部」シリーズ (角川文庫) をお読みいただけます。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
「折木さん、わたしとても気になります」文化祭に出展するクラス製作の自主映画を観て千反田えるが呟いた。その映画のラストでは、廃屋の鍵のかかった密室で少年が腕を切り落とされ死んでいた。誰が彼を殺したのか?その方法は?だが、全てが明かされぬまま映画は尻切れとんぼで終わっていた。続きが気になる千反田は、仲間の折木奉太郎たちと共に結末探しに乗り出した!さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリの傑作。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
米沢/穂信
1978年、鉱山街に生まれる。物語の想像を趣味の第一としているうち、それが高じて小説を書き始めた。2001年、第五回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を『氷菓』(角川スニーカー文庫)で受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1978年、鉱山街に生まれる。物語の想像を趣味の第一としているうち、それが高じて小説を書き始めた。2001年、第五回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を『氷菓』(角川スニーカー文庫)で受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2002/7/31)
- 発売日 : 2002/7/31
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 256ページ
- ISBN-10 : 404427102X
- ISBN-13 : 978-4044271022
-
Amazon 売れ筋ランキング:
- 72,092位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 1,391位角川文庫
- - 3,588位ライトノベル (本)
- カスタマーレビュー:
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.4
星5つ中の4.4
123 件のグローバル評価
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2017年1月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『氷菓』『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番』『遠まわりする雛』『ふたりの距離の概算』『いまさら翼といわれても』と<古典部シリーズ>を全作品読み終わりました。
本作品『愚者のエンドロール』では、主人公折木奉太郎が途中までしか完成しせず続きのシナリオが”失われた”自主制作映画の前半だけを観て、その中から犯人や犯行トリックの謎解きをして後半のシナリオ完成に貢献するというストーリーです。
折木は与えられた情報から脚本を書いた本郷の真意を読み解くのですが、その際「あなたは特別よ」「自分の才能を自覚するべき」だと依頼人の女帝こと入須先輩にたきつけられます。
しかし、これ以降ネタバレになるので詳細は伏せますが、彼は本質的に見落としてしまった部分があるのに後半の映画は完成し、
それを不満に思う同じ古典部の千反田えるが「私は映画の結末はどうなってもよかったんです」「でも、気になることがあって、それに折木さんの出した結論は応えてくれませんでした」「もし、私が不満に思っているようにみえるなら、それが原因だと思います」と更に謎めいたことをいいます。
だから、この作品の大半のページは入須先輩の依頼に応える折木という流れで進むのですが、最後のどんでん返しでやはり千反田の「わたし、どうしても気になるんです」が核心部分へと話を進めます。
僕は個人的にはこの自主制作映画の前半が好きになれませんでした。そして、千反田もあるシーンで「ひゃっ」と小さな悲鳴を上げ、折木が「よくそこまで(映画に)感情移入できるな」とぼっそっと思うのですが、
そのとき私が感じた違和感が、最後の最後にこのシナリオを書いた本郷の真意、更には千反田に「たぶん、私と本郷さんが似ていたからなんでしょうね」といって小説の最後を締めくくる台詞に関係があってとても泣かされました。
そして、この最後の台詞はなぜ<古典部シリーズ>の作者がこうした日常生活のミステリーを書き続けているのか、という根本的動機ともつながっていて、読者でファンの一人である私の胸に滲みるのでした。
とても余韻の残るいい小説だと思います。
本作品『愚者のエンドロール』では、主人公折木奉太郎が途中までしか完成しせず続きのシナリオが”失われた”自主制作映画の前半だけを観て、その中から犯人や犯行トリックの謎解きをして後半のシナリオ完成に貢献するというストーリーです。
折木は与えられた情報から脚本を書いた本郷の真意を読み解くのですが、その際「あなたは特別よ」「自分の才能を自覚するべき」だと依頼人の女帝こと入須先輩にたきつけられます。
しかし、これ以降ネタバレになるので詳細は伏せますが、彼は本質的に見落としてしまった部分があるのに後半の映画は完成し、
それを不満に思う同じ古典部の千反田えるが「私は映画の結末はどうなってもよかったんです」「でも、気になることがあって、それに折木さんの出した結論は応えてくれませんでした」「もし、私が不満に思っているようにみえるなら、それが原因だと思います」と更に謎めいたことをいいます。
だから、この作品の大半のページは入須先輩の依頼に応える折木という流れで進むのですが、最後のどんでん返しでやはり千反田の「わたし、どうしても気になるんです」が核心部分へと話を進めます。
僕は個人的にはこの自主制作映画の前半が好きになれませんでした。そして、千反田もあるシーンで「ひゃっ」と小さな悲鳴を上げ、折木が「よくそこまで(映画に)感情移入できるな」とぼっそっと思うのですが、
そのとき私が感じた違和感が、最後の最後にこのシナリオを書いた本郷の真意、更には千反田に「たぶん、私と本郷さんが似ていたからなんでしょうね」といって小説の最後を締めくくる台詞に関係があってとても泣かされました。
そして、この最後の台詞はなぜ<古典部シリーズ>の作者がこうした日常生活のミステリーを書き続けているのか、という根本的動機ともつながっていて、読者でファンの一人である私の胸に滲みるのでした。
とても余韻の残るいい小説だと思います。
2012年7月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は、未完成のミステリー映画の結末を推理するという話である。
詳細はネタバレになるので記載しないが、本書のテーマを一言で言えば「ミステリーを客観化して見るとどうなるか?」という点であろう。
結末の無いミステリー映画の結末を推理するという主題が、そもそもミステリーを客観化して見るということなのだが、その結果何が起こったかを知りたければ、実際に読んでみることをお勧めする。
しかし、本書に出てくる入須先輩、高校2年でここまで人を使うことになれた人間は普通いないだろうという才媛ぶりだ。もはや老獪の域である。
ちょっと、高校生の周りで起きる出来事としては人が暗躍しすぎであるが、まあ、あまり普通に書くと本当にただの高校生の日常生活になってしまうので、落としどころとしては悪くない。
この辺、好みが分かれると思うので、一巻目『氷菓』で違和感の無かった人にはお勧めできる。
詳細はネタバレになるので記載しないが、本書のテーマを一言で言えば「ミステリーを客観化して見るとどうなるか?」という点であろう。
結末の無いミステリー映画の結末を推理するという主題が、そもそもミステリーを客観化して見るということなのだが、その結果何が起こったかを知りたければ、実際に読んでみることをお勧めする。
しかし、本書に出てくる入須先輩、高校2年でここまで人を使うことになれた人間は普通いないだろうという才媛ぶりだ。もはや老獪の域である。
ちょっと、高校生の周りで起きる出来事としては人が暗躍しすぎであるが、まあ、あまり普通に書くと本当にただの高校生の日常生活になってしまうので、落としどころとしては悪くない。
この辺、好みが分かれると思うので、一巻目『氷菓』で違和感の無かった人にはお勧めできる。
2012年4月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
おもしろかったです。氷菓をうけてのシリーズ第二作目。古典部inミステリ。
たぶん注目点は入須嬢との関係とラストの台詞でしょうか。
ふくちゃんとのやりとりも地味に重要。タロットの解釈には笑いましたよ。
くわしい知識は必要ないが、ミステリー通にはより楽しめるか。最後に奉太郎にエールを。
必ず君ならできるさ。超がんばれ、まかせたよ。覚悟を決めなさい。
絶対君は逃げないで、真実を受け止めて。今後も期待しています。
たぶん注目点は入須嬢との関係とラストの台詞でしょうか。
ふくちゃんとのやりとりも地味に重要。タロットの解釈には笑いましたよ。
くわしい知識は必要ないが、ミステリー通にはより楽しめるか。最後に奉太郎にエールを。
必ず君ならできるさ。超がんばれ、まかせたよ。覚悟を決めなさい。
絶対君は逃げないで、真実を受け止めて。今後も期待しています。
2012年8月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大沢在昌氏の近著によると、ミステリーは小説の中でも最も書くのが難しいらしい上に、
ミステリーを書くには、古典や現代のもの問わず、かなりの数の著作
(本格推理小説やハードボイルド、スパイもの、法廷もの、警察ものと多岐にわたる)を
読み込み、基本的な知識を身につける必要があるとのことだが、
本作はまさにそれを地で行くおはなし。
二年F組有志が、後のことを考えずにシャーロック・ホームズだけを参考に、
脚本の本郷以外が軽い気持ちでビデオ映画の作成に取り掛かってしまったために
内容がグダグダかつ未完成の作品となってしまい、
それを如何にして古典部(特に奉太郎)が『尻拭い』していくかが本作の簡単なあらすじ。
読了後の感想を一言で言うならば、矛盾した言い方ですが、
"Better is better than the best."かと。
最後の最後で、TVアニメーション版を一回観ただけでは分からなかったあることが
暗喩されています。ああ、なるほどね。とんだ食わせ者だ。
ミステリーを書くには、古典や現代のもの問わず、かなりの数の著作
(本格推理小説やハードボイルド、スパイもの、法廷もの、警察ものと多岐にわたる)を
読み込み、基本的な知識を身につける必要があるとのことだが、
本作はまさにそれを地で行くおはなし。
二年F組有志が、後のことを考えずにシャーロック・ホームズだけを参考に、
脚本の本郷以外が軽い気持ちでビデオ映画の作成に取り掛かってしまったために
内容がグダグダかつ未完成の作品となってしまい、
それを如何にして古典部(特に奉太郎)が『尻拭い』していくかが本作の簡単なあらすじ。
読了後の感想を一言で言うならば、矛盾した言い方ですが、
"Better is better than the best."かと。
最後の最後で、TVアニメーション版を一回観ただけでは分からなかったあることが
暗喩されています。ああ、なるほどね。とんだ食わせ者だ。