共感性欠如サイコパスの蓮見教諭が、自らの欲望を満たすために虚偽と犯罪を使いこなし、不都合な人間を次々と「パージ」していくというホラー小説。
貴志祐介さんといえばやっぱりホラー!僕は勝手にそう思っているので、今回も『天使の囀り』のようなゾクゾク感を求めて購読した。
……やはり面白い!
題材が題材だけにやや敬遠されがちだが、貴志さんお得意の息をつかせぬ展開や、不気味なほどリアルな心理描写が作品の随所に散りばめられている。
ひとつ衝撃が来たらすぐ次の衝撃がやってくる、そんなスリルを味わうにはもってこいの一品だ。
また、ハスミンこと蓮見教諭のキャラづくりも徹底されていて、怖いのに爽快感がある。
とにかく一切の同情や躊躇を見せない彼は、人の弱みとか隙を見つけたら即座に自分の利益にしようとする。どんな人間であろうと関係なく、彼にとっては捕食対象だ。
そう考えるとただの厄介な犯罪者だが、それだけにはとどまらない。
あまりにも非情で利口な彼は、常人をはるかに超越した「スーパーヒーロー」のように見えるときがある。むろんそれはサイコパス特有な偽物のカリスマだが、彼の魅力の一つとして説得力がついてきているのがニクい。
そんな感じに、全体的には面白く、貴志さんの色も十分に出ている。
ただ、強敵そうな釣井教諭があっさりと退場してしまったのはやや腑に落ちないところがある。難攻不落のライバルとしてハスミンに立ちはだかると思っていたので残念だ。
ともあれ、下巻でさらなる衝撃が来てくれれば、大好きな作品になるだろう。
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悪の教典(上) (文春文庫) Kindle版
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言語日本語
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出版社文藝春秋
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発売日2012/8/10
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ファイルサイズ798 KB
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
学校という閉鎖空間に放たれた殺人鬼は高いIQと好青年の貌を持っていた。ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー。
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
貴志/祐介
1959年大阪生まれ。京都大学経済学部卒。96年「ISOLA」が日本ホラー小説大賞長編賞佳作となり『十三番目の人格‐ISOLA‐』と改題して刊行される。97年『黒い家』で日本ホラー小説大賞、2005年『硝子のハンマー』で日推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、11年『ダークゾーン』で将棋ペンクラブ大賞特別賞を受賞する。10年刊行の『悪の教典』は山田風太郎賞を受賞し、同年、宝島社「このミステリーがすごい!2011」国内編第1位、週刊文春「2010年ミステリーベスト10」国内部門第1位に選ばれた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
1959年大阪生まれ。京都大学経済学部卒。96年「ISOLA」が日本ホラー小説大賞長編賞佳作となり『十三番目の人格‐ISOLA‐』と改題して刊行される。97年『黒い家』で日本ホラー小説大賞、2005年『硝子のハンマー』で日推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、11年『ダークゾーン』で将棋ペンクラブ大賞特別賞を受賞する。10年刊行の『悪の教典』は山田風太郎賞を受賞し、同年、宝島社「このミステリーがすごい!2011」国内編第1位、週刊文春「2010年ミステリーベスト10」国内部門第1位に選ばれた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B0099O0F4O
- 出版社 : 文藝春秋 (2012/8/10)
- 発売日 : 2012/8/10
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 798 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 467ページ
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 20,483位Kindleストア (の売れ筋ランキングを見るKindleストア)
- - 124位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (Kindleストア)
- - 233位文春文庫
- - 1,750位日本の小説・文芸
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2020年2月11日に日本でレビュー済み
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役に立った
ベスト500レビュアー
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スイスイ読めるし続きが気になる物語。
新しいことにチャレンジしようと、
著者様が自らに難問を与えているかのような、
とても凝った内容だと感じました。
ただ、少しジミといいますか、
貴志祐介さんに期待する盛り上がりには、
届いていないかなとも感じます。
楽しんで読んではいますが、
早くオチを読みたいなと急いでいる自分を、
正直に言うと否定できません。
上下巻合わせて900ページ以上ある、
まぁまぁのボリュームで、
『オチを待つ』というのは、
少しもったいないかなと。
貴志祐介さんは、
ミステリーも書かれてましたよね、たしか。
その技術を盛り込もうとしておられるのか、
ミステリー特有の『ため』を感じます。
ためてる間は待ってる時間なので、
ミステリーの苦手なぼくとしては、
この作品の流れから少し、ほんの少しだけ、
退屈な成分を検出しました。
オモシロイですし、
読みやすいですが、
その混入要素が小骨のように気になるので、
上巻は★をひとつ減らしました。
好みの問題ですし、
もともとあまり本を読まなかったぼくが、
昔からよく読ませていただいていた、
数少ないアーティストだからこそ、
もしこれが、
知らない作家の初めて読んだ作品だったなら、
おそらく満点にしていただろう、
そのくらいは楽しませてもらっているのに、
少し低めに評価させていただきました。
下巻で一気に盛り上げてくれることを期待し、
また続きを読もうと思います。
新しいことにチャレンジしようと、
著者様が自らに難問を与えているかのような、
とても凝った内容だと感じました。
ただ、少しジミといいますか、
貴志祐介さんに期待する盛り上がりには、
届いていないかなとも感じます。
楽しんで読んではいますが、
早くオチを読みたいなと急いでいる自分を、
正直に言うと否定できません。
上下巻合わせて900ページ以上ある、
まぁまぁのボリュームで、
『オチを待つ』というのは、
少しもったいないかなと。
貴志祐介さんは、
ミステリーも書かれてましたよね、たしか。
その技術を盛り込もうとしておられるのか、
ミステリー特有の『ため』を感じます。
ためてる間は待ってる時間なので、
ミステリーの苦手なぼくとしては、
この作品の流れから少し、ほんの少しだけ、
退屈な成分を検出しました。
オモシロイですし、
読みやすいですが、
その混入要素が小骨のように気になるので、
上巻は★をひとつ減らしました。
好みの問題ですし、
もともとあまり本を読まなかったぼくが、
昔からよく読ませていただいていた、
数少ないアーティストだからこそ、
もしこれが、
知らない作家の初めて読んだ作品だったなら、
おそらく満点にしていただろう、
そのくらいは楽しませてもらっているのに、
少し低めに評価させていただきました。
下巻で一気に盛り上げてくれることを期待し、
また続きを読もうと思います。
ベスト1000レビュアー
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この著者は作品によって多少文体を変えるのですが、本書は非常に読みやすいよう平易な文体を心がけているようです。おかげですらすらと読み進められます。
映画を観てしまったから、という人は勿体ないので小説の方をお読みになることをお勧めします。サイコパスである教師の内面から描いており、よくあるミステリの他者からの視点による化け物描写でないことが、この作品の緊張度を高めていると思います。教師間の人間関係も映画にあったようなチャチなドラマ調でなく、もっと社会人的で現実的です。こうした積み重ねがあるからこそ下巻のスリルに生きてくるのだと思います。
映画を観てしまったから、という人は勿体ないので小説の方をお読みになることをお勧めします。サイコパスである教師の内面から描いており、よくあるミステリの他者からの視点による化け物描写でないことが、この作品の緊張度を高めていると思います。教師間の人間関係も映画にあったようなチャチなドラマ調でなく、もっと社会人的で現実的です。こうした積み重ねがあるからこそ下巻のスリルに生きてくるのだと思います。
2020年7月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読みやすい!
怖いけど異常な程スッキリする作品。
貴志祐介は天才。
怖いけど異常な程スッキリする作品。
貴志祐介は天才。





