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息をひそめて 単行本 – 2002/4/1
- 本の長さ286ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2002/4/1
- ISBN-10415208409X
- ISBN-13978-4152084095
商品の説明
商品説明
彼女が生まれたとき、家族は貧しさと父親の暴力のなかで、崩壊寸前だった。父親のフランキーは家庭など顧みずに、借金を重ね博打にふけっていた。母親のメアリと6人の娘たちは、借金の取り立てと父親の暴力から逃れられず、おびえて暮らしていた。末娘のドロレスは誰にも面倒を見てもらえないばかりか、生まれて間もなく家族の不注意による火事で左手の指を失ってしまう。
すさんだ家族のなかで、ドロレスは唯一四女のフランにだけは心を許したが、彼女は放火の罪で矯正施設送りになる。そんなとき、突然長女チェレスタと金持ち商人との結婚話が舞い込む。その知らせは彼らにとって幸福の兆しとなるはずだった。だが結婚式の夜、家族はもろくも崩れ去る。
著者のデビュー作である本書は、いきなり2000年のイギリスのブッカー賞最終候補にノミネートされたという強兵。短めの文章が小気味よく続き、現在形の活用が過去の記憶を鮮やかに色づかせている。またさまざまに変化する文章の視点が、ストーリーに重層性を与えている。
家族を取り巻く状況はただ、悲惨である。だが、文章にはお涙ちょうだい的なこびがまったく見られない。主人公にしても失った左手の指のことでいじめられるのだが、それによる心の傷が明らかにされることはなく、内に秘めたドロレスの強さが見えてくる。
最後の1行を読んだとき、その強さこそが、彼女の密やかな願いを成就させる原動力になったのだと気づかされるだろう。(文月 達)
内容(「BOOK」データベースより)
内容(「MARC」データベースより)
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
カーディフ生まれ。イースト・アングリア大学の創作コースを修了。デビュー作である『息をひそめて』は、家族が暴力と貧困により崩壊していく様子を、静かな語り口で鮮烈に描き出し英文壇に衝撃を与えた。『息をひそめて』はまた、J・M・クッツェーなど、現代イギリスを代表する作家に与えられてきたジェフリー・フェイバー記念賞を受賞したほか、2000年ブッカー賞の最終候補、オレンジ賞候補にもなった。ノリッジ在住
川副/智子
早稲田大学文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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家族を顧みない父、崩壊する家庭、居場所のない子供とイギリスの息苦しさが横溢した感じの小説ですが、読後感はあまり悪くなかったです。偏に主人公が内省的なキャラのせいでしょうか。
似た様なイギリスの崩壊家庭を描いて著名な「ケス 鷹と少年」という小説がありますが、あれも確かウェールズの方が舞台で、この小説のカーディフも近い様な・・・(多分:違ったらすいません)。
白状すると、最後の一行で驚いたりはしなかったのですが、私の読み落としでしょうか。すいません。
第1作の本書でいきなり著名な賞の候補になったそうで、これ以降の活躍が気になります。まだ未訳の物があれば紹介して頂きたいです。
内省的な家族小説。機会があったら是非。
この作者はあるひとつの家庭の悲惨ともいえる状態を淡々と書き連ねています。
美しいと思っていた思い出の写真を箱の下の方から取り出してみると、そこに写っていた子供の自分の姿が、ぼろぼろの服を着て悲しげだった・・・それを見てショックを受けている大人の自分がいる。
うまくいえないのですが、そんな印象を持った本でした。
自分自身の子供時代が過酷であったと感じている方は、読むことによって癒される部分がたくさんあるはずです。
子供の頃は当たり前だと思っていた家族の姿が、このように残酷なものだったと気づくこともあるかもしれません。
どんなことがあっても自分次第で人生は築いていけるんだ、そんな希望の光も感じることができると思います。
私はこの本とめぐり会えてとてもよかったと感じています。