日本未公開ながらも傑作として名高いオカルトスリラー。
リチャード・バートンの眼力が強烈な印象を残す本作だが、バートン以外にもイギリスの名優陣が大挙出演しているのが楽しい。
「スーパーマン」や「空軍大戦略」など頑迷なお偉いさん役のイメージが強いハリー・アンドリュースが副総監役で出演。本作では部下に理解を示し協力する美味しい役どころ。
シャーロック・ホームズことジェレミー・ブレット(チョイ役ながら若くてハンサム)。
占い師役のマイケル・ホーダーン(「荒鷲の要塞」でバートンの上官を演じている)。
医師役のゴードン・ジャクソン(「大脱走」の脱走計画組織参謀マクドナルド)。
裁判官役にアラン・バデル(「ジャッカルの日」の内務大臣)
フランスから名優リノ・ヴァンチュラ、アメリカからは「オーメン」のリー・レミックが出演。ヴァンチュラは刑事役がよく似合う。
マイケル・J・ルイスのサントラが緊迫感を大いに盛り上げる。
日本国内版ブルーレイは高品質と信頼を誇る(そしてお値段高め)スティングレイがリリース。充実の内容である。
付属品のブックレットは岩本克也氏が執筆。
原作はピーター・ヴァン・グリーナウェイ(同名の映画監督とは無関係)のチェリー警部シリーズの1作目。全6作のうち映像化されたのはメドゥーサ・タッチのみ。
原作と映画の違いの解説、謎の言葉「L」に関する考察など貴重な情報満載で満足。
画質は良好。シャープな画調ではないが精細感は十分感じられる。オープニングのクレジットはクッキリ見える。発色は淡い色彩で控えめ。78年の映画としては妥当な水準。
イマジカから出ていたDVDはPALの早回し版だったがBDは正常なランタイムなのが有難い。
TV録画と比較してみるとBDは上下が削られている。本作はスタンダード撮影のマスクビスタである事がわかる。ただし画面左右の情報はTV放送より広くて多い。放送版は画面の横が若干削られている。
特典類は監督のコメンタリーが特に良い。
ヴァンチュラの英語は商業レベルに達してなかったので英国人俳優による吹替、昏睡状態のモーラーは別俳優のダブル、航空機墜落現場は取壊し中の発電所に本物の飛行機の残骸を持ち込んだとの事。
911テロやチャレンジャー号爆発事故、「羊たちの沈黙」(レクター博士は信者の上に教会の天井が崩落する惨事を大変に好む)などに言及しているのが興味深い。
寺院崩壊シーンのメイキングはニュープリントのHD映像。それほど面白くはないが極めて貴重。よくこんな素材が残っていたと感心する。
本作は国内版ビデオが出なかった事もあり、吹替によるテレビ放送版に親しんでいる方々が多いと思われる。やっと吹替収録が実現したことを喜びたい。
コジャック刑事の声で喋るブリュネル警部は格好良いし、ファロン少佐の声のモーラーは渋い。バートンはダミ声なので吹替のほうが男前度が上がる。
問題点は吹替の欠落部分が多いこと。代役を立てて(森川氏・武藤氏・納谷氏は故人)補完吹替を行って欲しかった。スティングレイは新録や補完吹替に熱心な会社なだけに今回の音声仕様は残念。
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