朝日新聞の日曜日朝刊の三浦しおんの書評をいつも楽しんでいます。一か月ぐらい前になるけれどそこで紹介された、高野秀行「恋するソマリア」。本には、危険地域である南ソマリアの絶望的に美しい女性ジャ-ナリスト、ハムディの写真が何枚も載せられています。南ソマリアは私たちが報道で知るとおりのテロリストと海賊の温床になっていて世界の誰も手を出せない地域だけれど、北部のソマリランドは民主主義が行き届いた安全な生活を送れる地域だということを、まず、始めに知ります。えっ、ソマリアって二つの国?
1991年独裁政権が倒れたあとに、武装勢力が跋扈して無政府状態の中、独自に内線を終結させた謎の国「ソマリランド」、ただし国際的にはいっさい認められていない国、ソマリ人に魅せられ、その文化を日本に紹介したいと強くおもい、作者の高野はソマリランドに渡る。
抱腹絶倒! どんな戦争地域でも豊かな人の営みがあるし、その逆もあることは知っているけれど、このソマリア紀行は、そうしたしらじらしい社会学的な考察を全部ふっとばすほどに、危険と隣り合わせでも、人々の笑いあふれる日常が活き活きと描かれています。困った。これでは、ハムディに恋しそうになるではないか。
ソマリランドのジョ-クは、なんでも、例えば「どうしてうちの女房は文句ばっかり言うんだ」、答えはみな、「それはソマリランドが国際的に認められていないからだ」。だから、「知ってるか、タカノ、今ソマリランドが国際的に認められたら、うまくいかないことの言い訳がなくなってしまう」と、ワイヤップは爆笑する。やれやれ。
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恋するソマリア 単行本 – 2015/1/26
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アフリカ大陸の東端に広がる“世界一危険な地"ソマリア。
そこには、民主国家ソマリランドと海賊国家プントランド、内戦が続く南部ソマリアがひしめきあい、
現代のテクノロジーと氏族社会の伝統が融合した摩訶不思議なソマリ社会が広がっていた。
西欧民主主義国家とは全く異なる価値観で生きる世界最大の秘境民族=ソマリ人に夢中になった著者は、ベテランジャーナリストの
ワイヤッブやケーブルTV局の支局長を勤める剛腕美女ハムディらに導かれ、秘境のさらに奥深くへと足を踏み入れていく。
ある時はソマリランド初の広告代理店開業を夢想。
ある時は外国人男子にとって最大の秘境である一般家庭の台所へ潜入し、女子たちの家庭料理作りと美白トークに仲間入り。
ある時は紛争地帯に迷い込み、銃撃戦に巻きこまれ……。
もっと知りたい、近づきたい。その一心で台所から戦場まであらゆる場所に飛び込んだ、前人未到の片想い暴走ノンフィクション。
そこには、民主国家ソマリランドと海賊国家プントランド、内戦が続く南部ソマリアがひしめきあい、
現代のテクノロジーと氏族社会の伝統が融合した摩訶不思議なソマリ社会が広がっていた。
西欧民主主義国家とは全く異なる価値観で生きる世界最大の秘境民族=ソマリ人に夢中になった著者は、ベテランジャーナリストの
ワイヤッブやケーブルTV局の支局長を勤める剛腕美女ハムディらに導かれ、秘境のさらに奥深くへと足を踏み入れていく。
ある時はソマリランド初の広告代理店開業を夢想。
ある時は外国人男子にとって最大の秘境である一般家庭の台所へ潜入し、女子たちの家庭料理作りと美白トークに仲間入り。
ある時は紛争地帯に迷い込み、銃撃戦に巻きこまれ……。
もっと知りたい、近づきたい。その一心で台所から戦場まであらゆる場所に飛び込んだ、前人未到の片想い暴走ノンフィクション。
- 本の長さ316ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2015/1/26
- ISBN-104087715841
- ISBN-13978-4087715842
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
台所から戦場まで!世界一危険なエリアの正体見たり!!アフリカ、ソマリ社会に夢中になった著者を待ち受けていたのは、手料理とロケット弾だった…。『謎の独立国家ソマリランド』の著者が贈る、前人未踏の片想い暴走ノンフィクション。講談社ノンフィクション賞受賞第一作。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
高野/秀行
1966年東京都生まれ。早稲田大学探検部時代に書いた『幻獣ムベンベを追え』でデビュー。タイ国立チェンマイ大学日本語講師を経て、ノンフィクション作家となる。2006年『ワセダ三畳青春記』で第1回酒飲み書店員大賞、2013年『謎の独立国家ソマリランドそして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア』で第35回講談社ノンフィクション賞、2014年同作で第3回梅棹忠夫・山と探検文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1966年東京都生まれ。早稲田大学探検部時代に書いた『幻獣ムベンベを追え』でデビュー。タイ国立チェンマイ大学日本語講師を経て、ノンフィクション作家となる。2006年『ワセダ三畳青春記』で第1回酒飲み書店員大賞、2013年『謎の独立国家ソマリランドそして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア』で第35回講談社ノンフィクション賞、2014年同作で第3回梅棹忠夫・山と探検文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2015/1/26)
- 発売日 : 2015/1/26
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 316ページ
- ISBN-10 : 4087715841
- ISBN-13 : 978-4087715842
- Amazon 売れ筋ランキング: - 467,871位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 18,040位社会学概論
- - 48,138位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1966年、東京都八王子市生まれ。ノンフィクション作家。
早稲田大学探検部在籍時に書いた『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)をきっかけに文筆活動を開始。
「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」がモットー。アジア、アフリカなどの辺境地をテーマとしたノンフィクションや旅行記のほか、東京を舞台にしたエッセイや小説も多数発表している。
1992-93年にはタイ国立チェンマイ大学日本語科で、2008-09年には上智大学外国語学部で、それぞれ講師を務める。
主な著書に『アヘン王国潜入記』『巨流アマゾンを遡れ』『ミャンマーの柳生一族』『異国トーキョー漂流記』『アジア新聞屋台村』『腰痛探検家』(以上、集英社文庫)、『西南シルクロードは密林に消える』『怪獣記』(講談社文庫)、『イスラム飲酒紀行』(扶桑社)、『未来国家ブータン』(集英社)など。
『ワセダ三畳青春記』(集英社文庫)で第一回酒飲み書店員大賞を受賞。
『謎の独立国家ソマリランド』(本の雑誌社)で第35回講談社ノンフィクション賞を受賞。
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.7
星5つ中の4.7
40 件のグローバル評価
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年5月15日に日本でレビュー済み
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9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2017年3月13日に日本でレビュー済み
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前作『謎の独立国家 ソマリランド』では、紛争などを中心にソマリアとソマリランドを解き明かしていった高野氏。今回は、その日常に迫った作品が本書。ソマリ人のお宅訪問やお料理教室。そして、やはり出てくる父の仇の娘を嫁にもらった男というソマリア独自の氏族の紛争、和解の話。とっておきは、ソマリランドを訪れて誰もが思った、日本の中古車を直接ソマリランドに輸入できないのかという問いかけに高野氏が応える話が出てきます。私もソマリランドに行った時にドバイ経由だと高くなるので、直接日本から仕入れたいと言われたことはありますが、結末はいかに!?
2015年5月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
前作『謎の独立国家ソマリランド』がとても面白く、その流れで近作も読みました。エンターテイメント性が高く、「氏族」なんていう日本人には馴染みの薄い社会制度すらさえ拒否反応を示さず読み進めることができる。まるで著者が隣で喋っているかのような、親近感のある一冊だと思う。
それにしても高野さん、よくぞご無事で、といつも思う。高野さんの名を耳にするのが、海外での訃報でないことを祈ります。
それにしても高野さん、よくぞご無事で、といつも思う。高野さんの名を耳にするのが、海外での訃報でないことを祈ります。