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心を操る寄生生物 : 感情から文化・社会まで (日本語) 単行本 – 2017/4/15

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商品の説明

メディア掲載レビューほか

寄生虫があなたの行動を決めるとしたら

「風邪をひいても世界観は変わる。故に、世界観とは風邪の症状に過ぎない」と看破したのは、ロシアの劇作家・チェホフである。チェホフの言葉にニンマリする人も、しかし、世界観に限らず、政治的立場や嫌悪感情なども、我々の体に入り込んだ寄生生物に操られていると聞いたら、驚くに違いない。

ウイルス、細菌、原虫、寄生虫といった、いわゆる寄生生物は我々の体の健康を脅かすばかりでなく、精神にも甚大な影響を及ぼす。心は脳の機能であり、脳は体の一部であるから、寄生生物が脳に影響を与えるのは、考えてみれば当然であるが、大方の現代人は、自分の心は自分だけがコントロールできると信じている。動物の行動ならいざ知らず、ヒトの心が寄生生物に操られるわけがない、と思っているに違いない。

しかし、ヒトも動物の一種である以上、進化の基本法則から逃れることはできない。寄生生物は自らの種の生き残り確率を最大化するように進化する。トキソプラズマという原虫はネコが最終宿主で、ネコの腸内で有性生殖をおこなって、糞便中にオーシストと呼ばれる胞子状の子虫を放出する。これがネズミの体内に入ると、シストと呼ばれる厚い殻に囲まれた子虫の集合体になり、筋肉や脳に入り込む。ネコがこのネズミを食べると、シストが取り込まれ、ネコの腸内で有性生殖が行われ、トキソプラズマの生活環が完成する。

ネズミの脳内に入ったトキソプラズマはネズミの行動を操作して、ネコに食われやすいように、ネズミの行動を活発に大胆にする。トキソプラズマはネコを飼っている人間にも感染し、全世界の人口の30%が脳にトキソプラズマを住まわせている。トキソプラズマにはヒトの脳とネズミの脳の区別がつかないから、感染した人間は恐怖心や注意力が薄れ、交通事故に遭いやすくなるという。本当かしらと思う人は、是非本書を読んでみてほしい。これに類した話がてんこ盛りだ。

評者:池田 清彦

(週刊文春 2017.06.22号掲載)

内容(「BOOK」データベースより)

寄生生物が脳を操るワザはアッと驚くほど巧妙だ!気分や体臭、人格・認知能力を変えたり、空腹感もコントロール。ネコやイヌからうつる寄生生物が、交通事故や学習力低下の要因になりうることも明らかに。人々の嫌悪感に働きかけ、道徳や文化・社会の相違にもかかわる。この分野(神経寄生生物学)の先端科学者たちに取材、複雑精緻なからくりに迫っていく。

登録情報

  • 出版社 : インターシフト (2017/4/15)
  • 発売日 : 2017/4/15
  • 言語 : 日本語
  • 単行本 : 328ページ
  • ISBN-10 : 4772695559
  • ISBN-13 : 978-4772695558
  • 寸法 : 19 x 13 x 2 cm
  • カスタマーレビュー:
    5つ星のうち3.8 23個の評価

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