戦争中に成島達を見殺しにした道彦。しかし、道彦には助ける権限はなかった。補給などの基本事項を徹底せず、多くの人を犬死にさせた旧日本軍の中で、道彦は自分に責任がないはずの死までを自分の責任として引き受ける。
道彦が悪いと思っていた成島が、道彦にもどうしようもなかったこと、それなのに道彦は潔く罪を引き受けたことに気づいていく過程が、重い。そして、成島に憎まれることにしか存在意義を見いだせなっていく、道彦の人生の中の喪失。
現実ではこの話には多分ハッピーエンドはあり得なくて、恋愛小説の「恋さえ実れば全てハッピー」という回路でしか、ハッピーエンドは導けない。
そう考えると、題材に合ったジャンルを選んだなという感じがする。それに、BLというジャンルとはいえ、旧日本軍の悲劇にまともに向き合っている小説を書いたことが凄い。文学方面でもここまで徹底したのは少ないのではないだろうか。
まあ普通に、以前と立場が逆転した復讐ものBLとして読んでも充分に面白いけど。
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