聖獣の言葉がわかるのはヒロインだけ。まるで、ドリトル先生ですが。
登場する5匹の聖獣たちにも、ちゃんと性格付けがあり、そこは読んでて楽しかったです。
彼女の危機に、聖獣たちが騒ぐシーンとか、とてもかわいいし。
ただ、ヒロインって伯爵令嬢ですよね? それが聖獣たちのお世話係になるという設定に、とても違和感がありました。
自力で水くみをする? 筋肉痛が辛いみたいな描写がありましたけど、その理由が引きこもりで体力がないのに肉体労働したから、というのは無理があると感じました。引きこもりじゃなくても、伯爵令嬢なら水くみなんて慣れているわけがないと思ってしまいます。
ようするに、ヒロインがするのは下女みたいな仕事です。それを、伯爵令嬢にさせることに、疑問を持たないヒーローは、王弟殿下の身分をお持ちで。王族といったら、貴族社会の頂点ですよね? 身分社会の上方にいるからこそ、たとえ位が下でもあっても肩書きを持つ者へはそれなりの敬意は持つはずなのに、それがない。
つまり、このお話は、突然下女の仕事を割り振られても数日でその労働ができるようになる伯爵令嬢と、高位貴族令嬢にそんな仕事をさせることに疑問を感じない王族の物語。
と、こういう感じで、ヒロインの身分設定がお話のおもしろさやかわいらしさの足をひどく引っ張ってしまっています。単純に、ヒーローが王弟殿下だからという理由で、身分的に釣り合いが取れそうな伯爵令嬢にしただけという感がありまくりです。
ヒーローの身分は王弟殿下である必要はないと思うし、ならばヒロインも高位貴族令嬢である必要はないと思います。
その点がとても残念でした。話の展開も、聖獣たちのかわいらしさもよかっただけに。
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