男達の欲望を満たすために造られた、一見、華やかな異界――花街――に生きた【花魁】と呼ばれた女性たちのリアルな生き様を描いた物悲しくも、謎めいた物語。
エンディングに繋がる人間模様や色々な状況を考慮すると、何故そういう結果にならざるを得なかったのかが切実に理解できました。 刀城言耶のよい所は、変人物書き素人探偵として謎を解き明かしても、常に罪人を【裁くもの】ではないということ。 時には【真相】――悲しく、忌まわしい過去――をそっとそのまま忘却の彼方に埋もれされることを選び、物語を終える。 そういう思いやりも、このシリーズの大きな魅力の一つではないか、とこの作品を読んで思いました。
幽女の如き怨むもの (講談社文庫) (日本語) 文庫 – 2015/6/12
三津田 信三
(著)
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本の長さ736ページ
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言語日本語
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出版社講談社
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発売日2015/6/12
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寸法10.8 x 2.8 x 14.8 cm
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ISBN-104062930943
-
ISBN-13978-4062930949
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
十三歳で遊女となるべく売られた少女。“緋桜”と名付けられ、身を置いた世界は苦痛悲哀余りある生き地獄だった。戦前、戦中、戦後、三つの時代の謎の身投げの真相は“幽女”の仕業か、何者かの為せる業か。謎と怪異に満ちる地方の遊郭を舞台に、ミステリランキングを席巻した“刀城言耶”シリーズ第六長編、文庫降臨。
著者について
三津田 信三
編集者を経て二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』(講談社ノベルス、『忌館』と改題、講談社文庫)で作家デビュー。二〇一〇年『水魑の如き沈むもの』(原書房、講談社文庫)で第十回本格ミステリ大賞受賞。常にホラーとミステリの融合を試みる独自の作風を持ち、ミステリランキング等で注目を集める。近刊に『どこの家にも怖いものはいる』(中央公論新社)、『のぞきめ』(角川書店)、『五骨の刃』(角川ホラー文庫)、『七人の鬼ごっこ』(光文社文庫)がある。主な作品に『忌館』、『作者不詳』、『蛇棺葬』、『百蛇堂』(講談社文庫)と続く「作家三部作」、『厭魅の如き憑くもの』(原書房、講談社文庫)に始まる「刀城言耶」シリーズ、『禍家』(光文社文庫、角川ホラー文庫)に始まる「家」シリーズ、『十三の呪』(角川ホラー文庫)に始まる「死相学探偵」シリーズ等がある。
編集者を経て二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』(講談社ノベルス、『忌館』と改題、講談社文庫)で作家デビュー。二〇一〇年『水魑の如き沈むもの』(原書房、講談社文庫)で第十回本格ミステリ大賞受賞。常にホラーとミステリの融合を試みる独自の作風を持ち、ミステリランキング等で注目を集める。近刊に『どこの家にも怖いものはいる』(中央公論新社)、『のぞきめ』(角川書店)、『五骨の刃』(角川ホラー文庫)、『七人の鬼ごっこ』(光文社文庫)がある。主な作品に『忌館』、『作者不詳』、『蛇棺葬』、『百蛇堂』(講談社文庫)と続く「作家三部作」、『厭魅の如き憑くもの』(原書房、講談社文庫)に始まる「刀城言耶」シリーズ、『禍家』(光文社文庫、角川ホラー文庫)に始まる「家」シリーズ、『十三の呪』(角川ホラー文庫)に始まる「死相学探偵」シリーズ等がある。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
三津田/信三
編集者を経て2001年『ホラー作家の棲む家』(講談社ノベルス/『忌館』と改題、講談社文庫)で作家デビュー。2010年『水魑の如き沈むもの』(原書房/講談社文庫)で第10回本格ミステリ大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
編集者を経て2001年『ホラー作家の棲む家』(講談社ノベルス/『忌館』と改題、講談社文庫)で作家デビュー。2010年『水魑の如き沈むもの』(原書房/講談社文庫)で第10回本格ミステリ大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2015/6/12)
- 発売日 : 2015/6/12
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 736ページ
- ISBN-10 : 4062930943
- ISBN-13 : 978-4062930949
- 寸法 : 10.8 x 2.8 x 14.8 cm
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 217,301位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 4,320位講談社文庫
- - 4,829位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (本)
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
5つ星のうち4.0
星5つ中の4
29 件のグローバル評価
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年4月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
物語前半は怪異そのものより当時の遊郭の実態がいろいろと綴られており、そちらに惹きこまれてしまい花魁という職の裏事情を知るにつれ少し切ない気持ちになりました。
肝心の怪異と事件の真相(作中の言葉で言えばもっとも合理的な解釈というべきでしょうか)に関していえば少し無理がある気がしました。ネタバレになるので詳しくは書けませんが、真相の根幹部というべき部分に関してはいくらなんでも誰か気づくだろうと思いました。それに今回はシリーズ恒例の結末のどんでん返しがほとんどなく尻すぼみな感じでした。
事件の謎それ自体は非常に興味深かっただけに残念です。
肝心の怪異と事件の真相(作中の言葉で言えばもっとも合理的な解釈というべきでしょうか)に関していえば少し無理がある気がしました。ネタバレになるので詳しくは書けませんが、真相の根幹部というべき部分に関してはいくらなんでも誰か気づくだろうと思いました。それに今回はシリーズ恒例の結末のどんでん返しがほとんどなく尻すぼみな感じでした。
事件の謎それ自体は非常に興味深かっただけに残念です。
2012年4月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
発売がなかなかこなくて待ち遠しかった刀城言耶シリーズ長編の新作。
個人的に、とても残念な内容でした。
私がこのシリーズが好きなのは、ミステリー要素と怪異の混ざり具合が絶妙なところです。
ミステリーとして「おお!」というようなストーリーや、解決があるものの、なんとも言い知れぬ怪異が残る、その調整が良かった。
特に、どんでん返しが多いのが良いです。
Aでいけるんじゃない?
↓
実はB!
↓
本当はCでした
というような、作中でなんども練り直していく過程なんかが面白い。
マジモノ、クビナシは特に上記の点が見事で、本当にすばらしい。
ミズチは少し怪異に寄りすぎたので個人的にはあまり好きではないのですが。
で、今回のものですが、以上の点で残念です。
読んでる最中、たぶん10人中6人くらいは
「これ、アレってアレじゃない?」
みたいに感じると思います。
で、シリーズ愛好者ならこう思います。
「まあきっと、アレがアレという推理が出るけど、ぜんぜん違う大どんでん返しが待ってるんだろうな」
と。
結論から言うと、待ってません。
その推理のまま終わります。
しかも、本当に答えを言うだけ。刀城が、考えを練りに練ってる過程がない。
このシリーズはそこが面白いのに。
そして物語の大半を占める、遊女の日記。
これがあまり面白くない。(気分がよくない)
何より、怪異が微妙です。幽女。
一応はコイツが物語のメインなのに、ものすごく印象が薄い。
なんともボヤーっとしていて、ミステリーとしても、怪異としても、中途半端なものになっていると感じます。
個人的に、とても残念な内容でした。
私がこのシリーズが好きなのは、ミステリー要素と怪異の混ざり具合が絶妙なところです。
ミステリーとして「おお!」というようなストーリーや、解決があるものの、なんとも言い知れぬ怪異が残る、その調整が良かった。
特に、どんでん返しが多いのが良いです。
Aでいけるんじゃない?
↓
実はB!
↓
本当はCでした
というような、作中でなんども練り直していく過程なんかが面白い。
マジモノ、クビナシは特に上記の点が見事で、本当にすばらしい。
ミズチは少し怪異に寄りすぎたので個人的にはあまり好きではないのですが。
で、今回のものですが、以上の点で残念です。
読んでる最中、たぶん10人中6人くらいは
「これ、アレってアレじゃない?」
みたいに感じると思います。
で、シリーズ愛好者ならこう思います。
「まあきっと、アレがアレという推理が出るけど、ぜんぜん違う大どんでん返しが待ってるんだろうな」
と。
結論から言うと、待ってません。
その推理のまま終わります。
しかも、本当に答えを言うだけ。刀城が、考えを練りに練ってる過程がない。
このシリーズはそこが面白いのに。
そして物語の大半を占める、遊女の日記。
これがあまり面白くない。(気分がよくない)
何より、怪異が微妙です。幽女。
一応はコイツが物語のメインなのに、ものすごく印象が薄い。
なんともボヤーっとしていて、ミステリーとしても、怪異としても、中途半端なものになっていると感じます。