1976年12月某日、部屋には二枚のレコードがありました。夕暮れの中に時代ものの建物が写る遠景のジャケットとあまり上手いとは言えない飛行船の絵が青い焔を出してBOSTONと書いてあるジャケット、いったいどんな音楽が入っているのか解らないレコードに針を落とすと重なる音の厚みが心地よい確かにスペーシーだなという第一印象です。始めはそんなに良いと思いませんが聞くたびに耳に残るメロディーと特徴あるギターの響きは癖になります。まだ知名度が無かったBOSTONの1st はこれからのアメリカンロックに新風を吹き込む新しさがありました。あれから30年以上経過してこのバンドがスタンダードとなることは予測できませんでした。「Hotel California」は偉大なアメリカのバンドが辿り着いた頂点で傑作ですがここから先に進めない予感も含んでいました。二つのバンドは歴史も音楽性も違いますが1976年12月に発売が重なったアルバムがアメリカンロックの違う方向を示す時期だったのでしょうか。
しかし、この二枚は自分のライブラリーで同じ時に聴いた作品として刻まれています。