「幻想と怪奇」Vol.10は、「イギリス怪奇紳士録」という事で私も相当期待していました。
英国怪談と言えば、やはりA・ブラックウッド、M・R・ジェイムズ、ロード・ダンセイニ
そしてA・マッケン等の作品は当然選択されるべきでしょう。
しかし、ブラックウッド以外は、幻想怪奇系のほぼすべての作品は、既にほぼ邦訳されていて、
このような本を購入される人は、当然読んでおられることと思います。
「栁」等は超が付くほど有名な作品で、たとえ新訳でもいまさらという感がします。
他のレビュアーの方も指摘されていますが、M・R・ジェイムズの「ポインター氏の日記帳」も
高名な作品でいまさらという感がします。
その他の作品は、初めて読む作品が殆どで結構面白く読ませてもらいました。
また本誌は、中短編の紹介が主で、長編の連載、評論、
ブック・ガイドなどは殆どと言っていいほどありませんが、
これらにももう少し力を入れて紹介して欲しいですね!!
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幻想と怪奇10 イギリス怪奇紳士録 英国怪談の二十世紀 単行本(ソフトカバー) – 2022/6/1
牧原 勝志(幻想と怪奇編集室)
(編集)
購入を強化する
20世紀も前半の、イギリスのアンソロジーを繙くと、地位も教養もある人々がこぞって怪奇小説を手がけ、読者を怖がらせようと筆を揮っているのが見てとれます。名門校の学長、聖職者、政治家、書誌学者……怪談話も紳士のたしなみなのでしょう。もちろん、その中に小説家が含まれるのは、言うまでもありません。
本書では、イギリスを代表する怪奇小説の書き手たちの中短編を集めました。古書あり骨董あり、謎めいた屋敷あり、そして趣味人も奇人もあり。西洋怪談の粋をじっくりお楽しみください。
本書では、イギリスを代表する怪奇小説の書き手たちの中短編を集めました。古書あり骨董あり、謎めいた屋敷あり、そして趣味人も奇人もあり。西洋怪談の粋をじっくりお楽しみください。
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社新紀元社
- 発売日2022/6/1
- 寸法14.8 x 1.7 x 21 cm
- ISBN-104775320122
- ISBN-13978-4775320129
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登録情報
- 出版社 : 新紀元社 (2022/6/1)
- 発売日 : 2022/6/1
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 288ページ
- ISBN-10 : 4775320122
- ISBN-13 : 978-4775320129
- 寸法 : 14.8 x 1.7 x 21 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 234,760位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 2,152位SF・ホラー・ファンタジー (本)
- カスタマーレビュー:
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ベスト100レビュアー
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2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2022年7月24日に日本でレビュー済み
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マニアには結構ありがたい作家作品が揃ってて嬉しい。
2022年6月12日に日本でレビュー済み
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私は平井呈一訳の古典怪奇小説が大好きなので、今号は楽しみに発売を待っていた。
そういう意味からは、少し残念だったのは①ブラックウッド「柳」②M・R・ジェイムス「ポインター氏の日記帳」が収録されていたこと。誤解のないようお願いしたいのは、作品としてはどちらも傑作中の傑作、それぞれの巨匠を代表するものであることは間違いないし、こういうアンソロジー的な雑誌で「前に読んだな」という作品があるだけで評価を下げるような心の狭いことをするつもりもない。
だが①については最近BOOKS桜鈴堂から新訳が出たばかりだし、②については怪奇小説分野では基本図書とすら言える創元推理文庫の怪奇小説傑作集に「ポインター氏の日録」という題名で収録されている。あまりにもポピュラーすぎて、今さらセレクトする意味があるのかな、ということだ。(しかも②の方は現在発売中のM・R・ジェイムス全集からの再録で、新訳ですらない)
逆に収穫だったと思えたのは、荒俣宏氏の著書で名前だけは知っていた「インゴルズビー伝説」からの2編。
なにしろ成立が1840年代なので怪奇小説というより地方伝承の小噺といったものだからホラーとして優れているとは言えないが、滑稽な面白話の中にどこか不気味さが混じりこむマザーグースの唄に通じる味わいがある。
もともとが韻文なのでフラットに現代語訳しても興ざめだろうが、1919年(大正8年)に蘆谷重常という児童文学者が物語風に訳したものを現代かなづかいに直したものを収録している。イギリスの話なのに登場人物がべらんめえ口調だったり、地の文で滝沢馬琴の名前があったりと、翻訳と言うより黒岩涙香の"翻案"に近い感覚だが、落語に通じる面白さがあって楽しめた。
インゴルズビー伝説を怪奇小説成立以前の「英国怪談」と考えると、他の収録作も古典怪奇小説の代表作家から現在まだ存命の作家の「怪奇小説」作品まで幅広くとられており、英米の”怪奇の流れ”を通観することができる号になっている。
以下、特に気に入ったものをいくつか挙げてみる。
●ウィリアム・F・ハーヴィー「ミセス・イーガンの腕」
パニック映画では定番とも言える「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか?」というありふれたセリフが恐るべき悪意を秘めて迫ってくる魔女もの。魔女と言えばどうしても常人とは見るからに異なる雰囲気を持つ人を想像するが、本作の魔女は「機知に富んだ快活な話し手」で「悪意にはどう考えてもそぐわないユーモア感覚を備え」、それなのに復讐の呪いはそこまでやるか、という凄みを発揮する。
●ウェイクフィールド「中古車」
映画では「クリスティーン」や「ザ・カー」のような自動車が生き物のように迫ってくる物が多いが、本作のそれは車に取り憑いた地縛霊といった感じ。主人公が成金的なハイソサイエティーで、真の上流とは言えない一家の虚飾の毎日に突然最下層の犯罪者の悪意を突き付けられる恐怖が、日常に忍び込む怪異に重ねられているのがいい。家族の全員が正面から怪異を受け止めて解決しようとする意思がなく、終始一貫まるで座席シートについた染みをふき取るように「なかったことにしよう」とするのである。
●ベイジル・コッパー「灰色の家」
2013年という最近まで存命だった作家の描く幽霊屋敷もの。
いかにもなゴシックテイストから始まってしだいに状況がエスカレートしていき、ラストには事態の解決に軍まで動員される。
古典怪奇小説とモダンホラーをつなぐような作品。
そういう意味からは、少し残念だったのは①ブラックウッド「柳」②M・R・ジェイムス「ポインター氏の日記帳」が収録されていたこと。誤解のないようお願いしたいのは、作品としてはどちらも傑作中の傑作、それぞれの巨匠を代表するものであることは間違いないし、こういうアンソロジー的な雑誌で「前に読んだな」という作品があるだけで評価を下げるような心の狭いことをするつもりもない。
だが①については最近BOOKS桜鈴堂から新訳が出たばかりだし、②については怪奇小説分野では基本図書とすら言える創元推理文庫の怪奇小説傑作集に「ポインター氏の日録」という題名で収録されている。あまりにもポピュラーすぎて、今さらセレクトする意味があるのかな、ということだ。(しかも②の方は現在発売中のM・R・ジェイムス全集からの再録で、新訳ですらない)
逆に収穫だったと思えたのは、荒俣宏氏の著書で名前だけは知っていた「インゴルズビー伝説」からの2編。
なにしろ成立が1840年代なので怪奇小説というより地方伝承の小噺といったものだからホラーとして優れているとは言えないが、滑稽な面白話の中にどこか不気味さが混じりこむマザーグースの唄に通じる味わいがある。
もともとが韻文なのでフラットに現代語訳しても興ざめだろうが、1919年(大正8年)に蘆谷重常という児童文学者が物語風に訳したものを現代かなづかいに直したものを収録している。イギリスの話なのに登場人物がべらんめえ口調だったり、地の文で滝沢馬琴の名前があったりと、翻訳と言うより黒岩涙香の"翻案"に近い感覚だが、落語に通じる面白さがあって楽しめた。
インゴルズビー伝説を怪奇小説成立以前の「英国怪談」と考えると、他の収録作も古典怪奇小説の代表作家から現在まだ存命の作家の「怪奇小説」作品まで幅広くとられており、英米の”怪奇の流れ”を通観することができる号になっている。
以下、特に気に入ったものをいくつか挙げてみる。
●ウィリアム・F・ハーヴィー「ミセス・イーガンの腕」
パニック映画では定番とも言える「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか?」というありふれたセリフが恐るべき悪意を秘めて迫ってくる魔女もの。魔女と言えばどうしても常人とは見るからに異なる雰囲気を持つ人を想像するが、本作の魔女は「機知に富んだ快活な話し手」で「悪意にはどう考えてもそぐわないユーモア感覚を備え」、それなのに復讐の呪いはそこまでやるか、という凄みを発揮する。
●ウェイクフィールド「中古車」
映画では「クリスティーン」や「ザ・カー」のような自動車が生き物のように迫ってくる物が多いが、本作のそれは車に取り憑いた地縛霊といった感じ。主人公が成金的なハイソサイエティーで、真の上流とは言えない一家の虚飾の毎日に突然最下層の犯罪者の悪意を突き付けられる恐怖が、日常に忍び込む怪異に重ねられているのがいい。家族の全員が正面から怪異を受け止めて解決しようとする意思がなく、終始一貫まるで座席シートについた染みをふき取るように「なかったことにしよう」とするのである。
●ベイジル・コッパー「灰色の家」
2013年という最近まで存命だった作家の描く幽霊屋敷もの。
いかにもなゴシックテイストから始まってしだいに状況がエスカレートしていき、ラストには事態の解決に軍まで動員される。
古典怪奇小説とモダンホラーをつなぐような作品。
2022年6月19日に日本でレビュー済み
19~20世紀のイギリス男性作家の怪談アンソロジー。ゆえに基本的なところではちゃんと成立している。『インゴルズビー伝説』の蘆谷重常による散文体訳は、南條竹則氏の訳より味わいやすいし、ベンスンの『チッペンデールの鏡』、ハーヴィーのユーモアもある『ミセス・イーガンの腕』、ウェイクフィールドの『中古車』、コッパーの『灰色の家』、キャンベルの『著作権消滅』は掘り出し物。それだけなら★5つというところだ。
しかし、「虎男」さん他も指摘しているように、ジェイムズの『ポインター氏の日記帳』とブラックウッドの『柳』を今さら入れるというのは、怪談愛好家をいささか馬鹿にしてはいないだろうか?ブラックウッドの作品を『柳』より短いのにすれば、他の作家の短編をあと2編は入れられたろうに。
さらに、オニオンズの『壁の中の蜂蜜』は、前置きでは「幽霊の出現を描かないゴースト・ストーリーという、希少な逸品」としているが、女性の抑圧された深層心理を描く少し不気味な小説としか思えなかった―オニオンズは邦訳作品集『手招きする美女』も期待外れだったが。またエイクマンの『眺望』も、怪談として堪能できる作品ではなかった。
あと、この『幻想と怪奇』シリーズ、アンソロジーを企図しているのか、雑誌に毛が生えた定期刊行物を企図しているのか、そこが曖昧。日本の作家のショート・ショートも、自分には全く興味のない幻想文学本の書評もなくもがな。BOOKS桜鈴堂の怪奇小説集の方が立ち位置がすっきりしている。
しかし、「虎男」さん他も指摘しているように、ジェイムズの『ポインター氏の日記帳』とブラックウッドの『柳』を今さら入れるというのは、怪談愛好家をいささか馬鹿にしてはいないだろうか?ブラックウッドの作品を『柳』より短いのにすれば、他の作家の短編をあと2編は入れられたろうに。
さらに、オニオンズの『壁の中の蜂蜜』は、前置きでは「幽霊の出現を描かないゴースト・ストーリーという、希少な逸品」としているが、女性の抑圧された深層心理を描く少し不気味な小説としか思えなかった―オニオンズは邦訳作品集『手招きする美女』も期待外れだったが。またエイクマンの『眺望』も、怪談として堪能できる作品ではなかった。
あと、この『幻想と怪奇』シリーズ、アンソロジーを企図しているのか、雑誌に毛が生えた定期刊行物を企図しているのか、そこが曖昧。日本の作家のショート・ショートも、自分には全く興味のない幻想文学本の書評もなくもがな。BOOKS桜鈴堂の怪奇小説集の方が立ち位置がすっきりしている。









