兄の高久と、弟の義久の間で恋に揺れる櫂(書生)のお話です☆
大正時代から昭和にかけての時代が舞台になっています^^
展開がとてもドラマチックでした。
書生の櫂はもともと父親違いの兄高久と親しく、高久の恋人になった人。
高久は頭が良くて見目麗しい美男ですが、生まれつき身体が弱く、また長男
であるため「家」に縛られて自由がきかない身の上でした。
そんな高久があるとき厳格な祖父に、「家」のための政略結婚を望まれて―。
その政略結婚を逃れようと高久が行動をおこそうとするとき、この兄弟と櫂
との間に、関係性の変化が生まれていきます。
義久はいつか自分よりも立派で自由な青年に成長するだろうという、幼い弟を
前にした高久の不安で複雑な想いや、恋心を自覚していく過程の櫂の描かれ方
はドラマチックで、どんどん引き込まれるように読み進めてしまいました^^
内容紹介
名門一家から駆け落ちした母が亡くなり、厳格な祖父に引き取られて不遇な少年時代を送った梅崎義久。大きな屋敷で唯一の味方だったのは、父親違いの兄・高久と書生の塩崎谷櫂だけだった。しかしある嵐の夜、兄は帰らぬひととなり、櫂も行方をくらませて……。兄を死に至らしめたのは、秘かに肉体関係を結んでいた櫂なのか?そんな櫂を、自分は愛してしまっていたのか―。10年後、義久は探し出した櫂を強引に抱き、問いかける。「あなたは兄を、俺を裏切ったのですか?」大正~昭和初期を舞台に、時を翔る思いを描いた本格的メロドラマBL、登場!