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[湯本香樹実]の岸辺の旅 (文春文庫)
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岸辺の旅 (文春文庫) Kindle版

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商品の説明

内容紹介

あまりにも美しく、哀しくつよい傑作長篇小説

なにものも分かつことのできない愛がある。時も、死さえも――ミリオンセラー『夏の庭』、名作絵本『くまとやまねこ』の著者が描く珠玉の物語

内容(「BOOK」データベースより)

きみが三年の間どうしていたか、話してくれないか―長い間失踪していた夫・優介がある夜ふいに帰ってくる。ただしその身は遠い水底で蟹に喰われたという。彼岸と此岸をたゆたいながら、瑞希は優介とともに死後の軌跡をさかのぼる旅に出る。永久に失われたものへの愛のつよさに心震える、魂の再生の物語。

登録情報

  • フォーマット: Kindle版
  • ファイルサイズ: 391 KB
  • 紙の本の長さ: 127 ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2012/8/10)
  • 販売: 株式会社 文藝春秋
  • 言語: 日本語
  • ASIN: B00UWRA3PS
  • X-Ray:
  • Word Wise: 有効にされていません
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.2 8件のカスタマーレビュー
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カスタマーレビュー

5つ星のうち 3.3

トップカスタマーレビュー

形式: 文庫
深津絵里x浅野 忠信x黒沢 清で映画化がされるということで、本屋に平積みになっていた文庫本を手に取った。映画を観る前に読むか、観てから読むか迷ったのだが、さきに原作を読むことにした。

これが正解。この本、凄い。久々に大好きな小説に巡りあえた。面白い小説はいっぱいあるけれど、読んでいてカラダに沁み渡るような、読み終わるのが惜しいような小説はなかなか巡りあえない。なんだかとても近しいような感覚がしっくりくる小説なのだ。

生と死の間、幽霊を扱う小説はいろいろあるが、この生と死の境界がなくなっていくような溶けていくような世界を僕はとても好きなのだなぁとあらためて思った。山田太一の「飛ぶ夢をしばらく見ない」「異人たちとの夏」や、川上弘美の異界のモノたちと接触する作品群や「真鶴」、内田百閒、梨木香歩の「家守綺譚」、村上春樹などなどいろんな異界と関わり、行き来する小説を思い出す。

湯本香樹実は 相米慎二が映画化した「夏の庭」を観て、その原作として読んで以来だ。「夏の庭」は、おじいさんの死と子供たちの夏休みが描かれていたが、この「岸辺の旅」は、失踪した夫が突然幽霊になって妻の元に戻ってくる話だ。そして幽霊の夫と生きている妻は旅をする。なんともせつない話なのだ。

「しらたま」を食べるシーンが象徴的に何度も出てくる
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形式: 文庫
 とりとめのない夫と妻の会話があふれている。けれども、三年ぶりに帰ってきた夫は死んでいるのだ。ふたりはそのまま旅に出る。
 不可思議な物語なのに全く不自然に感じない。怪奇小説でもミステリーでもない。本当に不思議な筆致である。
 夫の失踪。喪失の痛みという全く同一のモチーフを描いた小説に川上弘美の『真鶴』がある。『真鶴』が、いつもはふわふわとしたタッチの川上弘美が、何故だかこのときばかりは力を込めたと思える意欲作であるのに対して、『岸辺の旅』には、叫びも慟哭もない。明確な諦めもない。恨みも後悔もない。
 強いていうならなんだろう。≪透明にまでなってしまった哀しさ≫とでも言ったらよいだろうか。
 例えば、夫の失踪中の様子を主人公である妻が回想する。

 「マンションの下の道路を誰かが自転車で通った。ベルをリリリリンとならしながら」
 「そのベルの音はとてもよく響いた。金属の鋭い音なのにどこかまろやかで、たのしげだった」
 「とっくに自転車が走り去ったあとになっても、私はソファーに座って目を閉じ、まだ耳の奥に残っている響きをあじわっていた。ずっとずっと長い間、音のない世界に住んでいたみたいな気分だった」

 ここには3年間の孤独についての直接の記述は一切ない。ただ音のない世界とだけだ。絶望
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形式: 文庫 Amazonで購入
死者と生者の旅を描いた物語に興味を抱いて購入しました。
しかし・・・期待していたほど心を奮い立たせてはくれませんでした。
表象的すぎて感情移入できない、そんな感じでした。
純文学的要素を求めている人は満足するのでしょうが、
娯楽性を求めていた私には何とも期待はずれでした。
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投稿者 beinl 投稿日 2015/10/7
形式: 文庫
全体の評価が低すぎると思い、レビューを投稿します。素晴らしい物語ですので。

たしかに、内容的にはエンターテインメント小説というよりは純文学小説に近いため、表現も抽象的であったり、風景描写や心象描写が多いです。
でももしもこの小説がエンターテインメント小説だったなら、少なくとも私はほとんど心を揺さぶられることがなかっただろうと思います。
つまり、純文学的な良い意味での曖昧さがあるからこそ、ひとつのストーリーとしてこの小説が成り立っているのではないかと。

物語中に大きな展開があるわけではないけれど、穏やかに流れる川のように小説世界の中を渡っていける、とても良い作品です。
読後には何か心に残るものがあるのではないでしょうか。とりとめもなく、それらについて思いを巡らせることも読書の愉しみのひとつです。

P.S.
「カンヌ国際映画祭(ある視点部門)」の監督賞を受賞したということで、ぜひ映画も観てみたいと思います。
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