最後の「おわりに」で展開される考察は圧巻だ。
獣医学部の歪んだ行政、電波オークション、などなど、会議で交わされた議論に頷かされる。
ーーーーー
官僚機構では伝統的に「ルールはできる限り不明瞭に定める」との不文律がある。「事前規制型」行政では標準的だ。
官僚機構にとっては、ルールが不明瞭であるほど、個別事案に応じた裁量、つまり匙加減の幅が大きくなり、自らの権力の源泉になる。
ーーーーーーーー
伝統的に、官僚は遵法意識が低い。
官僚にとって、ルールは与えられるものでなく、自分たちが作るものだからだ。
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岩盤規制―誰が成長を阻むのか―(新潮新書) Kindle版
数十年の長きにわたって、この国をがんじがらめにしてきた岩盤規制。一九八〇年代の土光臨調以来、昨今の獣医学部新設問題まで、それを打ち砕く試みは繰り返されてきたが、道はまだ半ばだ。なぜ岩盤規制は生まれ、どのように維持され、今後の日本経済の浮沈にどうかかわるのか。そして、官僚とマスコミはこの旧弊をどう支えたのか。現場の暗闘を知るトップブレーンが、改革の現状と未来をわかりやすく指し示す。
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2019/3/15
- ファイルサイズ5086 KB
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出版社より
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|---|---|---|
| 岩盤規制―誰が成長を阻むのか― | 国家の怠慢 | |
| 【新潮新書】原英史 作品 | 今日まで我が国を縛ってきた岩盤規制。官僚とマスコミは、それをどう支えたのか?霞が関改革の全てを知る男が、暗闘の全てを明かす。 | 新型コロナウイルスは、日本の社会システムの不備を炙り出した。これまで多くの行政改革を成し遂げてきた二人のエキスパートが、徹底的に論じ合う。 |
登録情報
- ASIN : B07NVBSJVW
- 出版社 : 新潮社 (2019/3/15)
- 発売日 : 2019/3/15
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 5086 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 166ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 69,443位Kindleストア (の売れ筋ランキングを見るKindleストア)
- - 367位新潮新書
- - 1,130位ノンフィクション (Kindleストア)
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2019年5月2日に日本でレビュー済み
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『はじめに』によると、筆者は官僚時代は規制改革・行政改革担当大臣補佐官として、その後は現在に至る国家戦略特区ワーキンググループ委員や規制改革推進会議委員・投資等ワーキンググループ座長などとして、規制改革・行政改革の世界にどっぷり漬かってきた人なのだそうだ。筆者は、政府に設置された審議会や研究会は、役所の作る政策プランにお墨付きを与える「予定調和」型が大半であるのに対し、筆者が携わっている会議は、会議の中身が基本的に、会議委員と役所の対決であり、毎回がちゃぶ台返しの連続で、エキサイティングな「真剣勝負」の場だとし、この本では、こうした場で筆者自身が取り組んできた課題を題材に、「岩盤規制」改革の実像をお話ししたいとしている。
まず筆者は第1章で加計問題について、国家戦略特区WG委員として直接の当事者だった自分からみると、真相は全く異なるとして、その問題の背景とプロセスを紹介したうえで、「一連のプロセスで、総理の友人関係は何の関係もなく、利益誘導など存在しようがない」として疑惑を否定するだけでなく、よほどこうした疑惑追及が腹に据えかねているのか、その後の各章でも再三にわたってこの問題を取り上げている。ただ、筆者も「政府側の答弁は説明が足りず、何か隠し事をしているかのようにみえることがあった」「総理秘書官が加計学園関係者に懇切丁寧なアドバイスをしたのは、悪気がなかったとしても不適切だ」などと認めているように、総理の側近や官僚が、首相の長年の友人に関する案件ということで、通常の案件ではあり得ないような関与をしたこと、そうした関与について何か隠し事をしているかのような答弁しかできなかったことが、「裏に何かあるのでは」と思われ(実際に、筆者のあずかり知らないどこかの段階で、何かがあったのかもしれないが)、いつまで経ってもこの問題が収束しなかった理由だとは思う。
それはさておき、筆者は本書のテーマである岩盤規制の改革が進まない問題点として、業界・政治・行政の三者が一体となって既得権益を守ろうとする「鉄のトライアングル」の存在と、事前規制型から事後チェック型行政体系への転換の遅れの二点を、再三にわたって指摘している。しかも筆者は、この二つの問題点は一体であり、事前規制型から事後チェック型行政体系への転換が進まない理由は、「事前規制」が官僚にとって業界のコントロールができる権力の源泉そのものであることとともに、「事前規制型」は業界団体や族議員にとっても都合がよく、「鉄のトライアングル」で強力に支えられていることを挙げ、そうした構造が本来あるべき政策を歪め、日本の経済成長・飛躍を阻んできたことを、さまざまな実例で明らかにしている。また、同様の問題を抱えていた各国と比べ、日本で規制改革が遅れた理由として、トライアングルの一角である官僚機構が、各国に比べ、突出して強かったことも指摘している。
筆者は、最終第8章の未来の課題においても、伝統的な日本の「事前規制」型行政からの転換を急がなければならないとしているのだが、その一方で『おわりに』では、AIとビックデータ活用で、「政府は全知全能ではありえない」という大前提を根こそぎひっくり返してしまう可能性もあるとし、この本ではずっと、「事前規制型から事後チェック型へ」などと話してきたが、それもあくまで「たぶん」であり、これからの技術の革新、社会の大変革の中でどうなるかわからないとし、状況が変わればさっさと方針転換して未来に向うことが求められる、これから未来に向けて、どんな政府が必要か、答えは、おそらく当面は、「アジャイルな(俊敏な)政府」だと思うとまとめている。それまでの議論は一体何だったのかと突っ込まれかねないまとめではあるのだが、示唆に富んだ、非常に面白い見方だと私は思った。
まず筆者は第1章で加計問題について、国家戦略特区WG委員として直接の当事者だった自分からみると、真相は全く異なるとして、その問題の背景とプロセスを紹介したうえで、「一連のプロセスで、総理の友人関係は何の関係もなく、利益誘導など存在しようがない」として疑惑を否定するだけでなく、よほどこうした疑惑追及が腹に据えかねているのか、その後の各章でも再三にわたってこの問題を取り上げている。ただ、筆者も「政府側の答弁は説明が足りず、何か隠し事をしているかのようにみえることがあった」「総理秘書官が加計学園関係者に懇切丁寧なアドバイスをしたのは、悪気がなかったとしても不適切だ」などと認めているように、総理の側近や官僚が、首相の長年の友人に関する案件ということで、通常の案件ではあり得ないような関与をしたこと、そうした関与について何か隠し事をしているかのような答弁しかできなかったことが、「裏に何かあるのでは」と思われ(実際に、筆者のあずかり知らないどこかの段階で、何かがあったのかもしれないが)、いつまで経ってもこの問題が収束しなかった理由だとは思う。
それはさておき、筆者は本書のテーマである岩盤規制の改革が進まない問題点として、業界・政治・行政の三者が一体となって既得権益を守ろうとする「鉄のトライアングル」の存在と、事前規制型から事後チェック型行政体系への転換の遅れの二点を、再三にわたって指摘している。しかも筆者は、この二つの問題点は一体であり、事前規制型から事後チェック型行政体系への転換が進まない理由は、「事前規制」が官僚にとって業界のコントロールができる権力の源泉そのものであることとともに、「事前規制型」は業界団体や族議員にとっても都合がよく、「鉄のトライアングル」で強力に支えられていることを挙げ、そうした構造が本来あるべき政策を歪め、日本の経済成長・飛躍を阻んできたことを、さまざまな実例で明らかにしている。また、同様の問題を抱えていた各国と比べ、日本で規制改革が遅れた理由として、トライアングルの一角である官僚機構が、各国に比べ、突出して強かったことも指摘している。
筆者は、最終第8章の未来の課題においても、伝統的な日本の「事前規制」型行政からの転換を急がなければならないとしているのだが、その一方で『おわりに』では、AIとビックデータ活用で、「政府は全知全能ではありえない」という大前提を根こそぎひっくり返してしまう可能性もあるとし、この本ではずっと、「事前規制型から事後チェック型へ」などと話してきたが、それもあくまで「たぶん」であり、これからの技術の革新、社会の大変革の中でどうなるかわからないとし、状況が変わればさっさと方針転換して未来に向うことが求められる、これから未来に向けて、どんな政府が必要か、答えは、おそらく当面は、「アジャイルな(俊敏な)政府」だと思うとまとめている。それまでの議論は一体何だったのかと突っ込まれかねないまとめではあるのだが、示唆に富んだ、非常に面白い見方だと私は思った。
2020年10月31日に日本でレビュー済み
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良い点
著者が官僚時代から規制改革に深くかかわってきたため日本の規制改革の歴史が世界の流れとともにわかりやすく解説されている
特に官僚が国会で決議された法令を勝手に告示や通達で書き換えて獣医学部(および医大医科歯科大)の新設に関しては申請自体を受け付けないという謎の規制を続けてきた実態や、どうにか1校だけ52年ぶりに新設できるところまでこぎつける経緯は映画を見ているようだった。そして便宜供与があったのではないかという政府批判につながっていく…
悪い点
さすがに読む人は選ぶ。行政システムに興味がなければつまらなく感じるでしょう
著者が官僚時代から規制改革に深くかかわってきたため日本の規制改革の歴史が世界の流れとともにわかりやすく解説されている
特に官僚が国会で決議された法令を勝手に告示や通達で書き換えて獣医学部(および医大医科歯科大)の新設に関しては申請自体を受け付けないという謎の規制を続けてきた実態や、どうにか1校だけ52年ぶりに新設できるところまでこぎつける経緯は映画を見ているようだった。そして便宜供与があったのではないかという政府批判につながっていく…
悪い点
さすがに読む人は選ぶ。行政システムに興味がなければつまらなく感じるでしょう
2019年10月21日に日本でレビュー済み
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今月27日投開票の埼玉県参議院補欠選挙で、N国党の相手が「コクゾウムシ」の大物ということで、少し心配になったのでまた仁徳天皇陵古墳で、N国党の当選祈願をして来ることにしました。行く前にNHK問題の全体像がどうなっているのか興味があったので、ネットで検索していたらこの本にNHKのことが掲載されていたので購入しました。拝金主義者は独裁国家・独裁者・メフィストフェレス等の甘い囁きにすぐ引っかかります(・・諭吉先生の経済論を学習してください)。読んでいて私のUF0問題も今の日本社会のシステムの深いところで関係していることが分かります。仁徳天皇陵古墳には20日に行って来ました。N国党の党首・立花孝志(彼は仁徳天皇陵から派遣されている「天皇派のエージェント」です)の当選と上皇后さまの健康長寿を祈願して来ました。・・・・静岡のUF0オジサンより
2019年4月1日に日本でレビュー済み
原さんと言えば、かってはクイズダービーであった。土曜夜の7時半、TBS系列で放映されていた。いまは、ニュース女子の原さんである。月曜夜の11時、FOXスポーツ&エンタで流れている。原さんは、起きていますかと冷やかされ、頭をかしげて、やる気なく淡々と話す。しかし、本書の原さんは雄弁だ。顔を正面にむけ、熱くかたる。《「放送制度改革」や「電波オークション」については、マスコミではなかなか議論の実相が伝えられない。テレビと新聞が密接な関係にある中、マスコミはいわば利害関係者だから、これは仕方のないことだ。だから、マスコミを介さず、私が本を書く必要がある。》 腹のすわったお方である。
人はおうおうに犬の遠吠えをする。当人のいないところでは烈しいことを言い、当人の前ではおとなしい。原さんはちがう。当人の前でこう言ってのけ、本書では抑えて書く
平成30年10月18日(木) 第1回投資等ワーキング・グループ 議事概要から引く。
○大田議長 2つ目の質問のお答えも次回まとめてお願いします。繰り返しますが、昭和28年の「当分の間」と書かれた一時的な措置をいまだに続けているのは、怠慢だと思いま す。デジタル化の前提でどうあればいいのか、「教師の需給の動向や今後の人口減少に伴 う小規模校増加」、そしてデジタル化を活用してどういう形がいいのか、改めて御見解を お聞きしたいと思います。
○原座長 関連して申し上げれば、ついでにぜひ教えていただきたいのは、当分の間というのは法律に書いてある言葉です。昭和28年に当分の間と書かれていて、皆さん方の解釈だと当分の間というのは何年ですか。100年なのでしょうか。ぜひ教えていただきたい。
私の理解では、皆さんがやっていらっしゃることは違法行為です。違法状態です。こんな違法状態を放置して、違法な教育を受けていらっしゃる子供たちにどう責任をとられるのか、それもぜひ教えていただければと思います。次回で結構です。
それでは、引き続き、よろしくお願いいたします。
○垣内参事官 次回の当ワーキング・グループの日程につきましては、事務局より追って 御連絡申し上げます。
人はおうおうに犬の遠吠えをする。当人のいないところでは烈しいことを言い、当人の前ではおとなしい。原さんはちがう。当人の前でこう言ってのけ、本書では抑えて書く
平成30年10月18日(木) 第1回投資等ワーキング・グループ 議事概要から引く。
○大田議長 2つ目の質問のお答えも次回まとめてお願いします。繰り返しますが、昭和28年の「当分の間」と書かれた一時的な措置をいまだに続けているのは、怠慢だと思いま す。デジタル化の前提でどうあればいいのか、「教師の需給の動向や今後の人口減少に伴 う小規模校増加」、そしてデジタル化を活用してどういう形がいいのか、改めて御見解を お聞きしたいと思います。
○原座長 関連して申し上げれば、ついでにぜひ教えていただきたいのは、当分の間というのは法律に書いてある言葉です。昭和28年に当分の間と書かれていて、皆さん方の解釈だと当分の間というのは何年ですか。100年なのでしょうか。ぜひ教えていただきたい。
私の理解では、皆さんがやっていらっしゃることは違法行為です。違法状態です。こんな違法状態を放置して、違法な教育を受けていらっしゃる子供たちにどう責任をとられるのか、それもぜひ教えていただければと思います。次回で結構です。
それでは、引き続き、よろしくお願いいたします。
○垣内参事官 次回の当ワーキング・グループの日程につきましては、事務局より追って 御連絡申し上げます。
2019年4月6日に日本でレビュー済み
(1) 読んでみると三つの部分に分かれる。第一は、著者に全面的に同感できるというか、まだこんな愚かな規制をやっているのかと思える部分で、良い例が医薬品のインターネット販売の禁止。厚生労働省によると薬局で対面して購入者の症状等を確認しなければならないと言うが、明らかに屁理屈であり、薬局・薬剤師の既得権維持のためだ。関係当事者が自分たちの利益を維持しようとするのは当たり前だが、消費者の利益などとの賢明な調整を考えるのが国会議員の役割のはずで、日本は議員がポンコツだから、業界の利益だけで突っ走る。マスコミも議員に説明責任を果たさせようとしない。そもそも、そのマスコミ自体、この本に書かれているように、放送利権などに漬かっている。
(2) 第二は、著者の書き方に必ずしも同意できない部分で、「規制緩和第一主義」「規制緩和原理主義」とも見える部分。おそらく、規制に良い規制と悪い規制があるように、規制緩和にも良い規制緩和と悪い規制緩和があるというのが正しいのだろうが、規制緩和を主張する人に多いのは、とにかく規制を緩和すれば良いという主張だ。悪い規制緩和の一例が、法科大学院の設置を自由に認めたことだ。結局、法科大学院に行っても司法試験に合格できない学生が続出し、今や法科大学院の数も当初の半分以下になっている。学生は、多額の借金(奨学金)を抱え、就職の機会を逸してしまった。社会的・個人の人生的には大きな損失だ。明らかに、少しずつ設置を認めていけば良かったのだ。ただ、著者も最終章では、柔軟に方針を変えて対応する「アジャイルな政府」を主張していることから、「とにかく」緩和論者ではないようだ。そうすると問題は「アジャイルな政府」をどう作るかという問題になるが、そここそ議論してほしかった。
(3) 第三は、加計学園問題について触れた部分だ。これまで文部科学省が獣医学部の新設を一切認めてこなかったことのおかしさ等は著者の言うとおりだが、加計学園問題のポイントは二つあって、第1は申請者の友人たる総理・その関係者が選定プロセスに関与することが「利益相反禁止」の原則に反するのではないかという点、第2は獣医学部新設が認められる要件の一つとしてなぜ「平成30年度開校」でなければならず「平成31年度開校」ではだめだったのかという点だ。第1の点について言えば、民間会社では取締役自身が利害関係を有する場合、取締役会の決議に参加できないことになっている。第2の点については、平成31年度開校なら京都産業大学も対応可能だったと報じられている。この2点については、著者はスルーしている。著者の立場からは自分が関与するワーキンググループの守備範囲でないということなのだろうから、非難する気はないが。
(4) ともあれ、著者の言うように「政策に関わった当事者は、そのプロセスを説明する責任を負う」。これを果たすためにこの本を書いたのだから、それ自体は極めて高く評価されて然るべきだ。プロセスを説明するどころか、プロセスを記した公文書を平気で改ざんするような日本政府が、著者のような人をもっと活用して「アジャイルな政府」を作ってほしい。
(2) 第二は、著者の書き方に必ずしも同意できない部分で、「規制緩和第一主義」「規制緩和原理主義」とも見える部分。おそらく、規制に良い規制と悪い規制があるように、規制緩和にも良い規制緩和と悪い規制緩和があるというのが正しいのだろうが、規制緩和を主張する人に多いのは、とにかく規制を緩和すれば良いという主張だ。悪い規制緩和の一例が、法科大学院の設置を自由に認めたことだ。結局、法科大学院に行っても司法試験に合格できない学生が続出し、今や法科大学院の数も当初の半分以下になっている。学生は、多額の借金(奨学金)を抱え、就職の機会を逸してしまった。社会的・個人の人生的には大きな損失だ。明らかに、少しずつ設置を認めていけば良かったのだ。ただ、著者も最終章では、柔軟に方針を変えて対応する「アジャイルな政府」を主張していることから、「とにかく」緩和論者ではないようだ。そうすると問題は「アジャイルな政府」をどう作るかという問題になるが、そここそ議論してほしかった。
(3) 第三は、加計学園問題について触れた部分だ。これまで文部科学省が獣医学部の新設を一切認めてこなかったことのおかしさ等は著者の言うとおりだが、加計学園問題のポイントは二つあって、第1は申請者の友人たる総理・その関係者が選定プロセスに関与することが「利益相反禁止」の原則に反するのではないかという点、第2は獣医学部新設が認められる要件の一つとしてなぜ「平成30年度開校」でなければならず「平成31年度開校」ではだめだったのかという点だ。第1の点について言えば、民間会社では取締役自身が利害関係を有する場合、取締役会の決議に参加できないことになっている。第2の点については、平成31年度開校なら京都産業大学も対応可能だったと報じられている。この2点については、著者はスルーしている。著者の立場からは自分が関与するワーキンググループの守備範囲でないということなのだろうから、非難する気はないが。
(4) ともあれ、著者の言うように「政策に関わった当事者は、そのプロセスを説明する責任を負う」。これを果たすためにこの本を書いたのだから、それ自体は極めて高く評価されて然るべきだ。プロセスを説明するどころか、プロセスを記した公文書を平気で改ざんするような日本政府が、著者のような人をもっと活用して「アジャイルな政府」を作ってほしい。




