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屍鬼〈5〉 (新潮文庫) 文庫 – 2002/2/28

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

村人たちはそれぞれに凶器を握り締めた。「屍鬼」を屠る方法は分かっていた。鬼どもを追い立てる男たちの殺意が、村を覆っていく―。白々と明けた暁に切って落とされた「屍鬼狩り」は、焔に彩られていつ果てるともなく続いていった。高鳴る祭囃子の中、神社に積み上げられる累々たる屍。その前でどよめく群れは、果たして鬼か人間か…。血と炎に染められた、壮絶なる完結編。


登録情報

  • 文庫: 478ページ
  • 出版社: 新潮社 (2002/2/28)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4101240272
  • ISBN-13: 978-4101240275
  • 発売日: 2002/2/28
  • 商品パッケージの寸法: 15 x 11 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8 34件のカスタマーレビュー
  • Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 159,373位 (本の売れ筋ランキングを見る)
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カスタマーレビュー

トップカスタマーレビュー

形式: 文庫
 読み終わって、本当にすごいものを読んでしまった、ということしか言うことがない。まぎれもない傑作である。

 五巻の冒頭で屍鬼たちの悲しい背景をちらつかせる。そして、屍鬼狩りが始まったところで、それまで(わりと)歴然としていた善と悪の概念をあやふやにしてしまう手法が上手すぎる。襲われる側であった村人が悪であるようにしか見えないのだ。

 もちろん、人々には事情がある。家族を殺した村人の怒りは消えない、なりたくて屍鬼になった人じゃないものもいる。そこには純然たる食物連鎖の悲しみがある。

 人の感情を持った屍鬼だからこそ、人間と相対化させることでやり場のない悲しみを描くことに成功している。善と悪がはっきりしているアメリカ系統の小説との違いが、その点にはっきりと現れていることは興味深い。
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投稿者 マコ 投稿日 2012/10/22
形式: 文庫 Amazonで購入
正直、静信と沙子の「自分可哀想アピール」にうんざりして終わりました。

確かに沙子は好きで屍鬼になった訳ではありません。
神の作った秩序から外された生き物だからと言って
生きようともがくことが悪なのかと問われればYESとは言えない。

でも村人(屍鬼を受け入れない世界)が沙子を罪人だと断罪するのは、
屍鬼が人を殺さずには生きていけない生き物だからではない。
そういう悲しい生き物になると分かっていながら
自己満足のために何の罪もない人々を蹂躙し続ける傲慢さではないのですか?

そしてその傲慢ささえも「悲しい性である」と自分を慰める要素でしかない沙子と、
そんな沙子(屍鬼)に自分を投影し、「そうだね、可哀想に」と
沙子を慰めつつ自分を慰める静信。本当に気持ち悪いです。

静信は「自分を許容しない世界」に対して許容される努力を何もしていない。
そればかりか、そんな世界でも唯一彼を許容したであろう母親の死に際しても、
屍鬼を許容しない村人に対する不満をいつもの調子でグチグチと思考するだけで
何の痛みも感じていないように思います。

静信が本当に屍鬼を理解し、赦し、許容したのなら、
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投稿者 roita 投稿日 2013/7/15
形式: 文庫
非常に読み進めるたくなるような衝動に駆られる作品であり、小野不由美氏の文章には非常に感銘を受けた。
また、室井静信の文章が挿入されているがその文章の文体の切り替えについても非常に上手くできており感銘を受けた。

いくつか腑に落ちない点があるので列記しておく。
1屍鬼は招かれないと入れないという原則が適用されているが、家屋への侵入に関しては、必ずしも守られているわけではない。
2血液検査野結果が即日でない病院にCTが存在する点がやや不可解。
3死者数が非常に増えている点、村人が屍鬼の存在に気付き始めている時点で普通であればもっと対応がなされるはず。
4人狼になるのに、失血死が必要なのかどうか。人狼を誕生させようとするのであれば、必ずしも失血死させる必要がない。

本書は非常に人間の人間的な部分に関して、鋭い洞察を加えている。宗教的あるいは人種的あるいは国籍的なものと現実世界においては置き換えられるであろうが、異種の人間に対する人間の対応がどのようであるものなのかを考えさせられる。
人間は本能的にそのような異物を排除しようとする傾向が強いが、どうにも御しきれない衝動に対する人間の葛藤が描かれているような印象をうける。排除しようとするのか、許容しようとするのか、あるいは無いものとし
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投稿者 みかん 投稿日 2004/10/3
形式: 文庫
最近、小野不由美さんの『黒祠の島』を読み、もう一度『屍鬼』が読みたくなり読み返すことにした。
『黒祠の島』も『屍鬼』も、外界から隔離された、昔からの因習が伝わっている小さな集落が舞台だ。そこでは全てがその集落内で完結されている。
一見、舞台だけを見ると『黒祠の島』は『屍鬼』のミニバージョンのように感じたが、読み返してみると『屍鬼』はそれだけじゃないと感じるようになった。
『黒祠の島』は、事の真相は何か?犯人は何か?が重点になっていると思う。
『屍鬼』は、ストーリーの展開も面白いが、時間の経過とともに変わる、村民達のそれぞれの心の移り変わりや、1つの村としての集団の動きがメインだと思った。
どの登場人物が主人公と言ってもおかしくないほど、それぞれの人物像が明確で、それに見合った心情が丁寧に書かれていて、凄くリアルだ。
私自身は、目的のために手段を選ばない敏夫に似ていると思いつつ、正雄のように自分勝手な弱い部分を持ってるな、とか、登場人物と自分を比べてしまうくらい、リアルだ。誰もが「自分だけは大丈夫」と信じている。私もそうだ。
ただ、ストーリーがなかなか進まないので、長編が得意でないと最後まで読むのが難しいと思う。
挿入部の静信の小説は難しかったが、一度意味が分かれば、逆にこの小説が言いたいことが分かりやすくなった。
後半が読めてしまうので、話の内容重視の人には向かないかもしれない。
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