(キャンペーンで1、2巻目読んでみました)
変死や殺人事件を検死や解剖を通じた法医学の見地から解き明かしていく過程を、不本意ながら法医学研究室の准教授に師事することになった臨床医志望の男子医学生(通称ワンコ)の視点で描いていく作品です。
キーパーソンとなる法医学准教授は、外見とか語尾を伸ばした鷹揚な喋り方とか、なんとなく菱沼聖子を彷彿とさせる不思議系キャラで、舞台となる法医学研究室が「H大学」なのも(ただし北海道大学ではなく広島大学らしい)なんとなく佐々木倫子「動物のお医者さん」へのオマージュを感じます。
プロット的にはちょっと出来すぎなシチュエーションが多いため(関係者に事件解決の決定打になるような持病があることが多かったり)やや荒削りで大味な印象ですが、医学知識(らしい)に基づく所見が真相解明のカギになっておりいろいろ参考になります(白血病患者が骨髄移植に成功してもまた別の意味で苦しむことになるケースが多いとか)。
ただこういう専門知識をベースとした外枠があらかじめ決まっている作品の場合、早々にネタ切れしてしまわないか心配になりますが、現時点では既に15巻まで出ているようです(ちなみに1巻収録の第3話「謎多き死体」は以前単発テレビドラマ化もされている)。
作中に伏線はいろいろ設定されてますが、おそらく結末から逆算して後付けで仕込んでいるようで、ん?普通ならわざわざこんな描写入れないよね、と思うような唐突感のある描写になってしまっていることが多く、「あこれ伏線だ」とわりとすぐわかります(ぉ
また准教授とワンコ君は解剖の際に死者の生前のイメージ(大抵は死の直前の姿)が一瞬見えるある種のサイコメトリー能力を持っており、こういう水戸黄門の印籠ばりの必殺技設定があると毎回話が予定調和に陥ってストーリー性がスポイルされかねない諸刃の剣だと思うのですが、1〜2巻の範囲では概ね決定打となる臓器の解剖に一足飛びで進むことで無関係なコマ数を節約する用法に留まっているようです(あと2巻目ではサイコメトリー能力ではなく一種の共感覚能力ということで、あまり便利すぎないように若干軌道修正してきた感じですが)。
主人公が警察の捜査関係者や職業探偵ではないミステリー作品(探偵役が教会の神父や民間の葬儀屋だったり)の場合、まず主人公が事件解明に関わることになるきっかけから描く必要があるため、それこそ金田一少年のようにこれまで一体何人の友人が殺されたり犯人だったりしたかわからない無理矢理な話になりかねませんが、その点この作品では苦学生であるワンコ君がほうぼうでバイトしまくり(それこそ木之本桃矢か吉永サリー並みに)事件関係者と事前に面識を持っていることで、本来であれば警察が依頼してくる検死と解剖を事務的にこなして所見を出すだけのストーリーに陥りかねないところを、ある程度ストーリー性の奥行きを出してカバーしている感じです。
ちなみに切開臓器のコマもちょくちょく出てくるので、これがフルカラー漫画じゃなくて本当によかったです('・ω・`)
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屍活師 女王の法医学(1) (BE LOVE KC) コミック – 2010/9/13
杜野 亜希
(著)
臨床医志望の医学生、犬飼一が研修生として配属されたのはなんと法医学教室。死体相手の法医学に興味がない一は渋々研修を受けることに。だが、そこで出会った准教授の桐山ユキは変わり者と名高い女王さまキャラで、一は雑用係としてこき使われる。しかし、法医学者としてはキレ者のユキ。解剖時の圧倒的な集中力に引き込まれた一は、遺体から浮かび上がる謎のビジョンを見てしまう! この謎の映像とは!? 声無遺体の叫びを知り、事件の真相を暴く、本格法医学ミステリー!!
臨床医志望の医学生、犬飼一が研修生として配属されたのはなんと法医学教室。死体相手の法医学に興味がない一は渋々研修を受けることに。そこで出会った准教授の桐山ユキは変わり者と名高い女王さまキャラだった。だが、法医学者としてはキレ者で遺体の謎を次々と解いていく。解剖するユキの圧倒的な集中力に引き込まれた一は、遺体から浮かび上がる謎のビジョンを見てしまう! 新感覚の法医学ミステリー・第1巻!!
臨床医志望の医学生、犬飼一が研修生として配属されたのはなんと法医学教室。死体相手の法医学に興味がない一は渋々研修を受けることに。そこで出会った准教授の桐山ユキは変わり者と名高い女王さまキャラだった。だが、法医学者としてはキレ者で遺体の謎を次々と解いていく。解剖するユキの圧倒的な集中力に引き込まれた一は、遺体から浮かび上がる謎のビジョンを見てしまう! 新感覚の法医学ミステリー・第1巻!!
- 本の長さ176ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2010/9/13
- 寸法11.3 x 1.4 x 17.3 cm
- ISBN-104063192954
- ISBN-13978-4063192957
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5つ星のうち3.9
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上位レビュー、対象国: 日本
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2017年3月22日に日本でレビュー済み
レポート
Amazonで購入
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2018年5月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これって良く調べた上でマンガ化しているんですよね?それとも現場経験のある人が直接か、あるいはその人を通してがマンガを描いているのでしょうか?と思いました。生死を扱うマンガとして日常的な死生感が良く分かる話と思います。話中に出てくる死者の想いがリアルなイメージとして見えるところは、分かる人だとしたらこんな感じなんだろうなぁと思いながら見てます。話が現実のことだとすると、職業柄実際いろんな臭いがすごいだろうし、臭いからも色々な経緯が分かるんだろうと想像はできますが、見えるとしたらその辺はもっと強烈なイメージなんだろうとは思います。一読者としては絵を見て想像するだけですが、結構生々しい表現もあるので読んでてこんなことがあるんだと共感することは多いと思っています。
