光文社から出ている全集の第1巻。
「全集」だけあってとても多くの作品が収められており、本当に玉石混交といった感じ。
自分のような乱歩の初心者や、面白いとされている作品だけ読みたい人には、この光文社の全集は向いていないかも・・・
ただ、全ての作品に対して、乱歩の「自作解説」がついていて、これがかなり面白い。
例えば自分で「つまらない」と言っている作品もかなりあって、そういう作品は本当につまらない(笑)
基本的には文体も内容も古臭いと感じられるものが多いが、表題作の『屋根裏の散歩者』・『心理試験』・『人間椅子』等の有名な作品は流石に今でも面白い。特に『人間椅子』は素晴らしい。
「変態」(あくまで括弧付)を表現するのが上手い作家だなあと思った。
屋根裏の散歩者~江戸川乱歩全集第1巻~ (光文社文庫) Kindle版
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言語日本語
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出版社光文社
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発売日2004/7/20
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ファイルサイズ2150 KB
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カスタマーレビュー
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2007年6月21日に日本でレビュー済み
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ベスト1000レビュアー
.
乱歩作品、特に短編作品における「題名の巧みさ」に惹かれるのは私だけであろうか。
本書に収録された作品だけでも、 恐ろしき錯誤、 D坂の殺人事件、 心理試験、 算盤が恋を語る話、
百面相役者、 屋根裏の散歩者、 人間椅子・・・等々なんとも魅力的なのである。
「人間椅子」 に至っては、この作品に、このネーミング以外はあり得ないではないか。
他作品でも、「妻に失恋した男」、「芋虫」など、ついつい作品を読みたくなるネーミングなのだ。
また、実際に手にして見ると魅力的な乱歩の世界に引きずり込まれてしまうこと必定なのである。
ネーミングひとつにしても、まさに、「 大乱歩 」 と称されるにふさわしい。
乱歩作品、特に短編作品における「題名の巧みさ」に惹かれるのは私だけであろうか。
本書に収録された作品だけでも、 恐ろしき錯誤、 D坂の殺人事件、 心理試験、 算盤が恋を語る話、
百面相役者、 屋根裏の散歩者、 人間椅子・・・等々なんとも魅力的なのである。
「人間椅子」 に至っては、この作品に、このネーミング以外はあり得ないではないか。
他作品でも、「妻に失恋した男」、「芋虫」など、ついつい作品を読みたくなるネーミングなのだ。
また、実際に手にして見ると魅力的な乱歩の世界に引きずり込まれてしまうこと必定なのである。
ネーミングひとつにしても、まさに、「 大乱歩 」 と称されるにふさわしい。
2015年11月12日に日本でレビュー済み
江戸川乱歩の全集ですべてそろえているが、ハズレはない。ハッキリと断言できる。何がエエ言うて、主人公は、大抵気持ちが悪いくらいドロドロとした、尋常ではない神経の持ち主だったり、怪奇事件の連続。いや〜実に恐ろしい。((+_+)) また、時代背景が、大正時代から、昭和30年ごろまで。その平成の今ではないからこその何か不思議な魅力があふれている。怪人二十面相で子供時代育った人に、ぜひ購入をお勧めする。平凡で安全な人生を送っている人には、衝撃度MAXだ。 (^_-)-☆
2011年5月3日に日本でレビュー済み
本作は乱歩デビュー作「二銭銅貨」を始めとした22編の短編集。
今さら説明不要な珠玉の作品集である。
本作で最も印象に残ったのは「心理試験」である。
ドストエフスキーの「罪と罰」を思わせる冒頭や、予審判事の登場にわくわくした。
それに加え明智小五郎が登場したときには胸が躍って仕方なかった。
(明智小五郎はこの作品以外にもたびたび顔を出す)
また、本作のもうひとつの魅力として「自作解説」を挙げたい。
これは、各作品の後に収録されている乱歩自身による解説であり、
各作品が生まれた経緯や背景、エピソードなどがぎっしり詰まっている。
特に面白く思ったのが、乱歩自身が納得のいかなかった作品や、不評だった作品について語るところである。
「時間がなかった」「我ながら幼稚だった」「ぺしゃんこになった」など、
これほど人間味に溢れる乱歩に触れられるとは思ってみなかっただけに、特をした気分である。
なんだか反省文にも見えてきて微笑ましさすら感じる。
まだ江戸川乱歩を読んだことが無い人、興味はあるが何から手を付けていいか解らない人など、
乱歩入門にも最適な短編集だと言える。
手に取りやすい文庫版ということもあるので、是非、広くおすすめしたい作品。
乱歩ワールドに引きずり込まれること必至!
今さら説明不要な珠玉の作品集である。
本作で最も印象に残ったのは「心理試験」である。
ドストエフスキーの「罪と罰」を思わせる冒頭や、予審判事の登場にわくわくした。
それに加え明智小五郎が登場したときには胸が躍って仕方なかった。
(明智小五郎はこの作品以外にもたびたび顔を出す)
また、本作のもうひとつの魅力として「自作解説」を挙げたい。
これは、各作品の後に収録されている乱歩自身による解説であり、
各作品が生まれた経緯や背景、エピソードなどがぎっしり詰まっている。
特に面白く思ったのが、乱歩自身が納得のいかなかった作品や、不評だった作品について語るところである。
「時間がなかった」「我ながら幼稚だった」「ぺしゃんこになった」など、
これほど人間味に溢れる乱歩に触れられるとは思ってみなかっただけに、特をした気分である。
なんだか反省文にも見えてきて微笑ましさすら感じる。
まだ江戸川乱歩を読んだことが無い人、興味はあるが何から手を付けていいか解らない人など、
乱歩入門にも最適な短編集だと言える。
手に取りやすい文庫版ということもあるので、是非、広くおすすめしたい作品。
乱歩ワールドに引きずり込まれること必至!
2006年1月8日に日本でレビュー済み
日本の近代ミステリ小説の第一人者である江戸川乱歩。
作品の発表から長い時を経た今日でも、奇想天外なトリックや鮮やかな
謎解きというミステリの醍醐味を存分に楽しめる作品ばかりです。
しかし乱歩の作品の持つ一番の魅力はその世界観。人々の情念が迸り
生まれた狂気が、徐々に現実と幻想の境界線を消してゆきます。
彼の描く濃密な暗がりを孕んだ世界は、ピアノ線の様に張り詰めた美しさ
を見せる時もあれば、息苦しい程の恐怖感を読者に与える事もあります
(友人で乱歩が苦手だと言う人は、それが耐え難いと言っていました)
何でもない世界が人の心を透かして見れば異世界に変貌する。「屋根裏
の散歩者」はそのテーマを率直に反映した作品の一つでしょう。
乱歩の小説の犯人たちは往々にして犯行がばれ破滅に至る場合が多いですが、
自分の思うとおりに夢想の空間を作り上げる気ままな隠遁者たち
である彼らに少なからず共感や憧れを抱いてしまうのは自分だけでしょうか。
作品の発表から長い時を経た今日でも、奇想天外なトリックや鮮やかな
謎解きというミステリの醍醐味を存分に楽しめる作品ばかりです。
しかし乱歩の作品の持つ一番の魅力はその世界観。人々の情念が迸り
生まれた狂気が、徐々に現実と幻想の境界線を消してゆきます。
彼の描く濃密な暗がりを孕んだ世界は、ピアノ線の様に張り詰めた美しさ
を見せる時もあれば、息苦しい程の恐怖感を読者に与える事もあります
(友人で乱歩が苦手だと言う人は、それが耐え難いと言っていました)
何でもない世界が人の心を透かして見れば異世界に変貌する。「屋根裏
の散歩者」はそのテーマを率直に反映した作品の一つでしょう。
乱歩の小説の犯人たちは往々にして犯行がばれ破滅に至る場合が多いですが、
自分の思うとおりに夢想の空間を作り上げる気ままな隠遁者たち
である彼らに少なからず共感や憧れを抱いてしまうのは自分だけでしょうか。
2018年1月5日に日本でレビュー済み
ヘンタイ的な作品が多いのはそれはそれで個性として良いと思う。
人間椅子なんてだいぶ気持ち悪くて面白い。
ただ作者本人も憧れと影響を隠さない海外の一流どころと比べると見劣りしてしまう。
いちばんの原因は文章力の不足かと。
最初にアイデア、トリックありきで、それまでの説明的な文が延々と続く作品が多い。
「ところで、諸君、、」と読者に語りかけてまで説明される。
明智小五郎も都合のいいお助けキャラに見える。
そんな中でも「心理試験」は説明くどくなくてなかなか面白く、
ドストエフスキー罪と罰にもよく似ているな、思いながら読んでいたが、
なんと作者自身の解説で、盛大にパクった!と告白してらっしゃるw
日本人の作家はよくやることらしいが、本人が認めているのでまぁ潔い。
ともかくこの作品がいちばん印象に残った。
人間椅子なんてだいぶ気持ち悪くて面白い。
ただ作者本人も憧れと影響を隠さない海外の一流どころと比べると見劣りしてしまう。
いちばんの原因は文章力の不足かと。
最初にアイデア、トリックありきで、それまでの説明的な文が延々と続く作品が多い。
「ところで、諸君、、」と読者に語りかけてまで説明される。
明智小五郎も都合のいいお助けキャラに見える。
そんな中でも「心理試験」は説明くどくなくてなかなか面白く、
ドストエフスキー罪と罰にもよく似ているな、思いながら読んでいたが、
なんと作者自身の解説で、盛大にパクった!と告白してらっしゃるw
日本人の作家はよくやることらしいが、本人が認めているのでまぁ潔い。
ともかくこの作品がいちばん印象に残った。
VINEメンバー
乱歩の代表作を収めた文庫本は、ほかにいくつもある。
より精選された短編だけを読むなら新潮文庫版『江戸川乱歩傑作選』。
作家的業績全般を概観するなら創元推理文庫版『日本探偵小説全集』の第2巻。
しかし、それら過去に刊行されてきた書籍(講談社江戸川乱歩推理文庫版全集も含む)と、本書の「屋根裏の散歩者」では、本文が一部異なっている。
雑誌初出時にはあったが、初版本では欠落していた記述を、今回初めて採用したため、いくつかの箇所で文章のニュアンスが変化している。
この点に本書の大きな特色があり、江戸川乱歩推理文庫版全集や、創元推理文庫版を既にお持ちの方も、少なくとも、この第1巻だけはお買いになった方が良いと思う。
より精選された短編だけを読むなら新潮文庫版『江戸川乱歩傑作選』。
作家的業績全般を概観するなら創元推理文庫版『日本探偵小説全集』の第2巻。
しかし、それら過去に刊行されてきた書籍(講談社江戸川乱歩推理文庫版全集も含む)と、本書の「屋根裏の散歩者」では、本文が一部異なっている。
雑誌初出時にはあったが、初版本では欠落していた記述を、今回初めて採用したため、いくつかの箇所で文章のニュアンスが変化している。
この点に本書の大きな特色があり、江戸川乱歩推理文庫版全集や、創元推理文庫版を既にお持ちの方も、少なくとも、この第1巻だけはお買いになった方が良いと思う。