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[門井 慶喜]の屋根をかける人 (角川書店単行本)
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屋根をかける人 (角川書店単行本) Kindle版

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商品の説明

メディア掲載レビューほか

動乱の日本を見つめたアメリカ人建築家の遍歴 博覧強記の作家が『屋根をかける人』ヴォーリズに迫る

著者の門井慶喜氏とは、共著『ぼくらの近代建築デラックス! 』のなかで幾多の建築をともに見て回った間柄で、隣にいてとにかく驚嘆したのはその泉の如く溢れ出る知識量と、よどみなく流れる弁舌と、尽きることなき知的好奇心の豊かさである。ホームズの話を聞くワトスンの気持ちってこんなだろうなと想像するほど、私はただホホウとうなずき、その高度な薀蓄力に圧倒されるばかりだった。

作品の主人公であるヴォーリズが手がけた女子校の校舎にも門井氏と訪れたが、陽の光が窓から注ぎこみ、思春期の難しい子も、ここならきっとぐれなさそう、と自然に思えてしまうような、木造のやわらかさとやさしさが充満していた。

今も日本各地で現役の建築として、人々に愛されているヴォーリズ作品。しかし、意外なことに、ヴォーリズその人は生粋の建築家ではなかった。

そもそも彼はキリスト教の伝道師であり、日露戦争のさなか英語教師として近江八幡の商業学校に赴任した。そこから建築の世界に足を踏み入れ、さらにはメンソレータムの販売まで始め、今日の名声を得た。

その足跡をリズムよく追いつつ、物語の隠れた核となるのは、敬虔なキリスト教徒の彼が天皇制及び天皇その人と、いかに折り合いをつけていくかという心の遍歴だ。それはすなわち、生真面目と思えばときに意地悪、ときに欲張り、ときに情熱家、実に人間くさいヴォーリズが、日本という国と真摯に繰り広げた対話の軌跡でもある。

私がまったく知らなかったのは、ヴォーリズが日本に帰化していたこと、私が生まれるたった十二年前まで生きていたという事実だ。はるかむかしの偉人と思いきや、昭和をじっくりと生き抜いた意外と身近な人物だったのだ。

ところで、どうしてヴォーリズは近江八幡という小さな町を生涯通じ、あれほど愛したのか? 私は一つの仮説を持っている。

高校時代、アメリカのコロラドにホームステイした経験がある。野外学習でロッキー山脈の麓に連れていかれたとき、平原の向こうに延々と連なる、雄大な山の眺めに感嘆した。

それから二十年後、琵琶湖を舞台にした小説の取材で、近江八幡のある琵琶湖東岸を訪れたとき、琵琶湖を挟んで彼方に連なる、比叡山を含む比良山地の眺めに、「ロッキー山脈みたいだな」とあの日の風景を反射的に思い出した。

この本は、コロラドの高校・大学を出た若きヴォーリズが、船に乗って太平洋の向こうからやってくるところから始まる。

評者:万城目 学

(週刊文春 2017.2.2号掲載)

内容紹介

明治末期にキリスト教布教のために来日したアメリカ人建築家、メレル・ヴォーリズ。彼は日本人として生きることを選び、終戦後、昭和天皇を守るために戦った――。彼を突き動かした「日本」への思いとは。

登録情報

  • フォーマット: Kindle版
  • ファイルサイズ: 1334 KB
  • 紙の本の長さ: 252 ページ
  • 出版社: KADOKAWA / 角川書店 (2016/12/21)
  • 販売: Amazon Services International, Inc.
  • 言語: 日本語
  • ASIN: B01MYZ6BY0
  • X-Ray:
  • Word Wise: 有効にされていません
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2 6件のカスタマーレビュー
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カスタマーレビュー

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トップカスタマーレビュー

形式: 単行本 Amazonで購入
ボウーリス建築の心地よさの中で学習した者ですが、彼の意外な面を具体的に垣間見ることができました。
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形式: 単行本
 明治三十八年、日露戦争がたけなわの頃、主人公のウィリアム・ヴォーリズはキリスト教の若き伝道者としてアメリカから日本に来た。日本では、滋賀県、近江八幡の商業学校の英語の教師となる。その傍ら、キリスト教を伝道するのだった。しかし、ウィリアムはそれだけの男ではなかった。子供の頃から絵が好きで、それが嵩じて建築設計に興味を持っていた。更に彼には、宗教の伝道者らしからぬ商売に対する強い思いもあった。

 この本には、そのウィリアムが日本で設計や建設に携わった多くの建造物についての歴史的な洞察と、華族の身分を捨てて結婚した妻との生活などが描かれている。日本国籍を取得するために、妻と離婚してその妻の養子となるなどの思い切った策を取ったことも感銘深い。

 初めて知った事実なので印象深かった。しかし、もう少し文章に磨きをかけてもらいたいと思った。表現がところどころ雑である。
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形式: 単行本
『家康江戸を建てる』を読んで作者の歴史小説のファンになった。
太平洋戦争を日本にいて経験した外国人の目線で書かれていた点が新しい角度から見た戦争だった。
例えば、「玉砕」の意味や漢字が始めはわからないというところとか。
明治時代~戦後の日本が華やかなときから荒廃していく様子を日本人の目線で書いていないところがとても興味深かった。
ラストのシーンはちょっとやりすぎでは、と思ったが、帯に作者が最も書きたかったシーンとあったので、それなら良いかなと感じた。『家康~』よりは物足りなかったので☆4つにした。
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