わたしの少年期は、戦時中でした。子供心にも、戦争が早くなくなればいいと思っていました。戦後に、それは女々しい人間の考え方で、あの当時は誰でも勇敢に戦う気構えがなければいけなかったと、言う人が多かったのですが、わたしはそれは、自分をよく見つめていない、本心を偽った言い方だと、今でも思っています。
この曲は夢のような思い出の世界を歌っていて、戦争下のわたしの思い出とは、まるで異なりますが、しかし、現実の狭間(はざま)に垣間見(かいまみ)た小さな夢の世界や、忘れかけた少年期の、つかの間の遊びの楽しさをよみがえさせてくれます。
戦争や不条理が、子供達のうえに暗い影を落とすことがないように祈りながら、この曲に親しんで行きたいです。