なんで今までこの作者のことを知らずにきたのだろう、そんな悔しいような思いにとらわれま
した。
和製ダークファンタジーというと「光車よ、まわれ!」を思い出しますが、この作品はこの名
作に負けず劣らずの素晴しい出来栄えでした。
自分たちの住む町がどうにもしっくりこない少年少女たち。
なにか冷たい悪意のような、陰にかくれた不気味な存在を感じとれるのは、私たちだけなのだ
ろうか?
そんな思春期の子供たちの感性や心の動きを細やかに描き、文章もまた繊細で美しい。
登場する少年少女たちの個性的で豊かな表情が、読んでいてとても引き付けられました。
勇気と友情、そして笑いを武器に、闇の力に立ち向かっていく彼らの姿は、久し振りに胸を高
鳴らせてくれました。
勇敢な少女おふみさん、秀平くん、ハジメくん、春奈ちゃん、そして天才なのに頼りないマモ
ルくん。
彼らの活躍、そして成長を見守りながら不思議な物語のなかに吸い込まれるのは、昔、ナルニ
ア国物語に浸っていたことを思い出します。
そして、忠犬ゴン!
この物語でなんともユニークなキャラクターといえば彼でしょう。もう、すっかりゴンにはや
られてしまいました。
ジュブナイルというジャンルで、大人が手をださないのは本当にもったいない。2巻にわたる
彼らの物語はボリュームもあり子供向けの本にありがちな、もの足りなさがありません。
しっかり物語りを描きこみきちんと完結している、こんな力作が10代だけに読まれるのは、
おばさんとしても、とても不本意です。ファンタジー、ホラーが好きな大人にも、是非読んで
欲しい名作だと思います。
ちなみに、各章の冒頭には海外ミステリの引用が挙げられ、作者の読書の傾向もまた好ましく
思ったりいたしました。
Kindle 端末は必要ありません。無料 Kindle アプリのいずれかをダウンロードすると、スマートフォン、タブレットPCで Kindle 本をお読みいただけます。
無料アプリを入手するには、Eメールアドレスを入力してください。

Kindle化リクエスト
このタイトルのKindle化をご希望の場合、こちらをクリックしてください。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
このタイトルのKindle化をご希望の場合、こちらをクリックしてください。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。